考える元号

 

考える元号    2019年4月30日


 政府は1日、国書を典拠とする3案と、漢籍を出典とする3案の計6案を有識者からなる元号に関する懇談会などに示した。 全閣僚会議による協議を経て、臨時閣議で日本最古の歌集「万葉集」を出典とする「令和」を決めた。


「英弘」・・ 大英帝国・日英同盟のような100年前の歴史、あるいは英語学習のような未完成の悔悟を想起させる。
      
「久化」・・ 悠久・永久のような響きは良くとも当然すぎ、そして化身・権化のような不安定さを想起させる。
      
「広至」・・ 広いという漠然とした空間概念、そして至るという漠然とした時間概念を想起させる。

「万和」・・ 万という古くからの限定された空間概念を想起させる。

「万保」・・ 万という古くからの限定された空間概念、そして安保・保険のような現実的切迫感を想起させる。

「令和」・・ 冷厳・指令のように引締め感を持ちながら和ませているところはクールビューティを想起させ、時代にふさわしい。


 1989年1月に「平成」元号が発表されたときは、GAFA、パソコン、スマホ等は存在せず、バブル経済の前夜であった。

 その後バブル経済の処理に伴う失われた20年を経て、Webサイトが普及し、2006年9月に第1次安倍内閣が発足し、同時期にスマホが登場した。

 


 当時の安倍内閣は閣僚の不祥事が相次ぎ、1年で倒壊したのであるが、その世論形成に大きな役割を果たしたものがネット投稿であり、そして今日そのネット配信を利用して改元に至る支持率を高めるという結果となった。

いかに真剣に考え続けることが重要であるか、内閣の存立と改元の因果関係一つとってみても明白である。