友愛の尖閣諸島!?

 

友愛の尖閣諸島!?    2010年10月28日


 日中の会談履歴を踏まえ、対中政策を考えます。


 (1)東シナ海に関する、日中の会談履歴は以下のとおりです。

2008年6月18日
 福田政府は、日本と中国の間で懸案となっていた東シナ海のガス田問題が、一部を共同開発することで合意に達した。 両国は、主張が対立している排他的経済水域(=EEZ)の境界線の問題は棚上げし、中国が既に開発している「白樺(しらかば)」ガス田に日本が出資すること、「翌檜(あすなろ)」ガス田の南側の海域で日本が主張する境界線をまたいで共同開発を行うことなどで最終合意した。
 高村外相と甘利経産相は18日午後に共同で会見し、高村外相は「(日中)双方に利益をもたらす互恵的内容」と述べ、甘利経産相は「(東シナ海が)日中の重要なエネルギー供給源になることを望む」と話した。 また、高村外相は「どんな困難な問題でも、日中両国は話し合いで解決できることを示した」と胸を張ったが、与党内からは「逆に国益を損なう内容だ」などと批判の声も上がっている。

2009年7月27日
 中国、韓国をはじめ、アジア諸国との信頼関係の構築に全力を挙げる。(民主党マニフェスト作成)

2009年9月22日
 胡主席は(1)首脳レベルの往来を増やす(2)民間レベルの交流活発化(3)経済貿易関係強化・発展(4)アジアや世界規模の問題での協力(5)両国間に食い違いがある問題は大所高所から解決―の5点を提示した。
 東シナ海ガス田開発をめぐり、鳩山首相は「友愛の海にすべきだ」と強調し、共同開発に向けた「協定」締結を提唱。胡主席も「平和友好協力の海にしたい。 大局の枠組みの中で正しい処理が必要だ」と応じ、近く事務レベルで意見交換したい意向を示した。

2010年4月8日
 中国海軍の艦載ヘリが海上自衛隊護衛艦に異常接近したり、日本の排他的経済水域(EEZ)内で中国調査船が海上保安庁調査船に接近した。

2010年5月31日
 鳩山由紀夫首相は日本を公式訪問中の中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相と首相官邸で会談。東シナ海のガス田の共同開発について、早急に条約締結交渉入りすることで合意した。 2008年6月の両国合意以来、中国側が消極的な姿勢を崩さず、進展がなかった交渉が加速しそうだ。 日本外務省によると、ガス田開発について、温首相が「できるだけ早急に交渉を開始したい」と発言。正式な交渉入りで合意した。
 ガス田開発をめぐっては、日本側が08年合意に基づき、日中両国の共同開発に向けた条約締結交渉の早期開始を求めてきたが、中国側は応じてこなかった。 今回、温首相が交渉入りを明言したことで、近く高級事務レベルで本格的な交渉が始まる見通し。
 また、鳩山首相が東シナ海を「友愛の海」にするとして呼びかけていた両国の危機管理メカニズムの構築に関しても、早期に具体化することで一致。 日中首脳が速やかに意見交換できるよう、ホットラインを設けることで合意した。
同時に鳩山首相は、「最近の日本の周辺海域での中国の行動を懸念する」と苦言を呈した。

2010年10月21日 
 中国が2010年10月中旬、沖縄県・尖閣諸島周辺の海底資源に関する共同開発に応じるよう日本側に求めていたことが分かった。 日本側は即刻拒否した。 日中双方の関係筋が明らかにした。 中国は過去にも共同開発を打診した経緯がある。 日中関係改善の流れに乗じた動きとみられ、国際社会に「釣魚島(尖閣諸島)は中国固有の領土」との主張を浸透させる狙いから、今後も繰り返し言及するとの観測も出ている。

2010年10月29日
 中国の胡正躍外務次官補は、「日本側が首脳会談の雰囲気を壊した。責任は日本側が完全に負うべきだ」と批判。 さらに、「東アジアサミットの前夜に日本の外交責任者が他の国とぐるになり、釣魚島(尖閣諸島の中国名)問題を蒸し返した。 日本側は首脳会議中もメディアを通じ、中国の主権や領土保全を侵す言論をまき散らした」と語った。

 

(2)歴史は繰り返します。 明治37年、外務大臣小村寿太郎は、ロシアの満州侵略の腹案を糊塗した戯言を見抜いていました。 テレビ・パソコン・携帯がなくとも、相手の心中はいくらでも読めるというお手本です。

 伊藤博文・井上馨・松方正義の満韓交換論に対し、小村寿太郎・桂太郎・山縣有朋は日英同盟論を主張しました。 どちらが正解であったかはその後の歴史が証明しています。

 日露戦争後、日本はヘンリー・ハリマンの提案した南満州鉄道共同経営を一蹴しました。 その利益を分配するべき相手はアジア諸国であり、日本がアジアの民主主義の盟主としての地位を確立し、欧米諸国と平等互恵の関係を築く最大のチャンスでした。 しかし、日本の世界戦略構想力にも限界があり、その後の帝国主義路線の結果破綻につながったという事実も歴史に刻まれています。

 この場合のロシアを中国に、日英同盟を日米同盟に、南満州鉄道を尖閣諸島に置き換えると、過去100年を飛び越えて現在にタイムスリップします。 二十四史を有する中国にして、たかだか100年前の歴史から学べないほどに耄碌しています。

 「賢き者は歴史に学び、愚かな者は経験に学ぶ」といいます。 中国は、このまま事態が進行するとどのようになるか、経験する前にもう一度真摯に学び直すべきです。


(3)2010年10月26日 中国重慶市で反日デモがあった。 約千人の若者が「日本製品ボイコット」などと叫びながら市中心部を行進、日本総領事館の前で抗議行動をした。 「歴史の屈辱を忘れるな」――。 重慶市は日中戦争時に旧日本軍による激しい爆撃を受けたことから反日感情が根強いとされる土地柄。 江沢民前国家主席が主導した愛国教育により反日感情が強いとされる「憤青」(憤る青年たち)と呼ばれる若者たちは、激しい抗議行動を展開した。 デモ参加者の多くが「中国人よ、目覚めよ」「日本製品ボイコット」と書かれたそろいのTシャツを着て、「打倒小日本(日本人の蔑称〈べっしょう〉)」と叫んだり、国歌を歌ったりしながら繁華街を練り歩いた。


 「あはれ秋風よ 情あらば伝えてよ・・・」と吐瀉したくなります。 中国人の3分の1は貿易にかかわる製品生産販売で生計を立て、さらにその3分の1は日本関連です。 中国経済の10%以上は日本との交易に依存しており、拠出したODA総額3.5兆円によりインフラ整備がなされています。

 中国の身も心も貧しき若年たち、何十年過ぎても無知無能の壮年たちは、現状を正面から捉えることができません。 世界で唯一、頭上に核爆弾が降ってきた日本国民が、なぜGNP世界第2位の科学技術立国に成りえたのか、そのメカニズムをついぞ理解できないまま見知らぬ70年前の恩讐ゲームに興じているだけです。

 中国は、「デフレのTシャツと100均の鉛筆」程度しか生産する品物はありません。 生産数は増えても付加価値率は増えず、到底13億人の平均GDPが4万ドルになるような経済状況には成りえません。 

 中国ブランド品ほしさに、中国製品を買い付けるのは一部の物好きだけで、使い捨て品など、どこで作ろうが安ければ良いのです。 数だけ膨らませて、GDP世界第2位になりそうだと、「馬鹿なすずめ」のごとく舞い上がっているのが現状です。

 「出る杭は打たれる、20cm出るから打たれる。 でも2m出れば打たれない、みんなしがみついてくる。」といいます。 在日中国人60万人は、既に日本経済にしがみついています。 しがみつくことさえ許されない多くの愚かな民が、赤旗を振りながら徘徊しているのです。 昔は、「鬼畜米英」「ヤンキー」対「JAP」の誹り合いでした。 現在は、「ちゃんころ」対「小日本」です。

 日中首脳が、いくら美辞麗句を並べその場を取り繕おうと、13億人の大多数を占める「無知蒙昧市民」は教育できないのです。 肝心な情報は中国政府の規制のために学習することはできず、市民は愚劣を極めたままであり、「わたがし経済」ではこの人数を食べさせ続けることもできないのです。


(4)在日米軍に頼らず日本独自で防衛力を整備した場合、防衛費の増額分は最大で単年度あたり約1兆5500億円で、現行の約4兆6800億円(平成22年度予算)の1・3倍程度になることが、元航空幕僚長の田母神俊雄氏と 自衛隊OBらがまとめた試算で分かった。 20年間で計約15兆2千億円の増額となり、この試算で必要最低限の防衛力が自衛隊だけで備えられるとしている。
 試算は、中国やロシアに対して軍事バランスをとるために必要な抑止力を検討。 「専守防衛」を原則とする現在の自衛隊では抑止力にならないとして、「攻撃力の整備が急務」と分析、戦略爆撃機を領空内に待機させるなど必要最低限の攻撃力を想定している。
 核兵器についても、最大の抑止力である核武装は経済大国には必須と指摘。 日本近海に配備する原子力空母、 原子力潜水艦、戦略爆撃機、トマホーク巡航ミサイルを20年かけて新たに開発・配備する。
 具体的には、空母3隻と艦載機の開発や維持で計6兆円596億円、同様に戦略ミサイル原子力潜水艦4隻と 護衛の攻撃型原子力潜水艦4隻で7兆5436億円、トマホーク巡航ミサイルとイージス艦などで1兆1500億円 -などとなっている。  ミサイルに装着する核弾頭や国産技術にない空母のカタパルト発射装置などについては、米国からの技術供与を想定して費用計上したが、田母神氏は「すべて国産化すべきであり、そのほうが結果的には割安」という。


日本の対中政策を総括すると、

1.日中間には国境問題など存在せず、下劣な言いがかりも相手にしない
2.中国が脅えるだけの十分な軍事力を整備し、専守防衛に限定もしない
3.中国には「友愛」の甘言など無用であり、期待や隙をみせない
4.中国人は見ぬ世の話であろうとも、「夢遊病」的な感情を持つことを認識する
5.中国製品不買、日本製品不買の際に、日本が優位に立つ方策を常に検証する
6.中国人若年層の雇用すべき頭脳は、「太陽政策」により有効に利用する
7.中国を経済的・軍事的に西太平洋に封じ込めるバランスを常に検証する
8.対中政策にあたり、日本単独ではなくアメリカ合衆国と共同歩調をとる

ということになると思います。 「カンタン」するような政策です。