電子書籍の使い方

 

電子書籍の使い方    2013年2月14日


 スマートフォンやタブレットでメールやSNSをチェックすることが多く、本を読まなくなっており、再び読書習慣を復活させるために、「電子書籍の使用」が提案されています。

電子書籍の使い方について考えます。


 私は、「電子書籍」のカテゴリーを電子辞書・タブレット端末にまで拡張して考えたいと思います。

1.デジタル機器の有利点

アナログ媒体に対してデジタル機器の利点は、

・データ保管の簡易性
・データ編集の柔軟性
・データ検索の迅速性

に尽きると思います。 逆に、表示一覧性という点では、アナログ媒体に分があります。

 新聞・雑誌等は紙面により閲読した方がはるかに読みやすいですが、昨今新聞・雑誌の電子版が普及してきたので、パソコンで必要な記事を編集してデータベース化しておき、カテゴリーごとに見出しをつけておくと検索性に富みます。 昔はやったスクラップ帳の代用品ですが、数千本のデータでも容易に保管・検索できるため、有効的です。

 歴史書・哲学書のように、あるフレーズを何度も確認したい場合、あるいは同じ場面を複数の著者の表現で比較する場合は、デジタル機器が便利です。 例えば、司馬史観に対して他著者の表現を比較するような場合であり、サブノートの代用品になります。

 小説のようにほとんどが通読して終了の場合は、書籍を図書館でレンタルするか中古本をネット通販で仕入れるか青空文庫をダウンロードするのが良いです。 何と言っても経済的です。 新刊本を早急に読まなければならない場合のみ、ダウンロード購入しますが、電子書籍は保管性にも優れているため、友人に紹介する際にも具体的に表示ができて容易です。

 しかしながら、最高の利便性はブリタニカ等の電子百科事典です。 データチップを挿入しておくだけで数十巻の事典情報が常時携帯できます。 不思議なことに、パソコンが近くにないか、あっても通信状態が悪い時ほど、詳細な情報が必要になる場合が多いです。 特に地下鉄電車内や地方・海外の旅行先です。


2.アナログ媒体の美点

 現代でもアナログ媒体の良さは、依然として存在します。 日本語であれ英語であれ、基本構文や語法は、まず手にペンをとって長文を書いて体に染み込ませることが重要です。

 特に高校・大学生は、いつの時代でも紙情報に赤鉛筆で線引きして、それを何度も自分の言葉として表現練習をすることにより表現力・語彙力が身につくものであり、これは電子書籍では決してできないことです。

 先日、電車内の広告で、「国語はあらゆる学習の基礎」というフレーズがありましたが、的を射ています。 湯川博士以下理科系ノーベル賞の授賞者は、すばらしい随筆書を書かれていることでも裏付けられています。


 ニュース報道が決してテレビやラジオのみとならず、新聞という紙媒体が継続発展したように、電子書籍のみになることはありません。

 私は、デジタル機器の保管・編集・検索という長所を最大限生かしながら、アナログ媒体をもって知識を深めていくというように、うまく使い分けるノウハウが必要であると思います。