英語上達法

 

英語上達法    2019年2月20日


 2015年あたりから、アジア経済規模の拡大、円安、日本文化への関心、旅行インフラの整備等によりインバウンド旅行者が急増し、また内需の減少傾向から輸出にドライブする企業の動向もあって、各メディアでも英語学習の必要性が過熱的に報じられている。

英語教材の品質も向上しているが、しかしながら実践力となる能力需要に十分応えられているとは言い難い局面も見られる。

日本人が向かうべき、英語上達方法とその目標とはどのようなものであろうか。


1.何らかの情報を外国人と交信して入手しなければならない環境を作る。 

 この場合、頼れる人が誰もおらず、自分一人で交信と情報入手を完結しなければならない機会を意識して持つようにする。 最初は大変な冒険、冷や汗の連続であるが、結局、「必要は発明の母」「習うより慣れろ」と古くから言われていることそのものである。 その交信方法は、直接会話のみならず、国際電話・テレビ会議・メール等、あらゆるメディアを駆使することが良い。

2.何らかの現地情報を得ようと、現地に対する関心を持つ。 

 この場合の現地情報とは、ガイドブックに掲載されていない、経験者もいない、ネット検索しても発見できない情報である。 当然のことながら、現地情報と同じジャンルの国内情報は万全に下準備しておかなければ、比較対照することが困難である。 例えば、会計ジャンルであれば和文会計と英文会計、および現地税制・銀行ネットワークとの対比と把握である。

3.ローカル目線で会話することにより、相互の疎遠感を緩和する。 

 彼らの好みを把握し手土産にする、日本の風物・伝統を努めて紹介することは効果的である。 特に、英語上達の主目的がローカルビジネスの進展であるならば、現地の味方となり得るキーパーソンを掌握することが、極めて重要である。

4.前記3項目を行うためには、とにかく基礎的英単語力、英文法力および一部の専門用語修得が必要となる。

 そのためには、意識的に日常会話を即座に英語で言い換える訓練をする。 相手の発言を1秒で理解し、それに対する応答を日本語で1秒で準備し、その日本語を1秒で英語翻訳して応答を開始する。 応答を開始した後は、説明文を連続的に追加する。 そのためには、中学~高校1年レベルの英単語・文法を何度もレビューし暗記する以外、方法はない。 

5.そして最も重要なのは、以上の情報成果を道具として、自分が国内組織におけるビジネスリーダーに就こうとし、ASEANにおいて中韓ビジネスの競争相手を凌駕しようとし、その成果から経済的アドバンテージを得ようとする貪欲さである。

 貪欲さなくして、目標達成することはないということは、結局英語上達方法においても同じなのである。


 英語教材広告には、英語を全く話せない人でもたった90日でペラペラになってしまう方法・・・、努力なしで楽しく英語をマスター・・・、英語と収入を同時に短期間で手に入れる・・・のようなフレーズが並ぶが、本当にそうであれば遠からず全国民が英語を第2母国語としてマスターし、その教材は売れなくなって事業終了ということになる。

 しかしながら、実際はそうなっていないどころか、どの英語教材にしてもフレーズ集、単語集を形を変えることで浴びせようとするから、受講者は3日坊主で投げ出すという無駄な経済貢献になるのである。

 このように、日本人が向かうべき英語上達方法とその目標とは、英語会話が日常的でなく、英語圏とのビジネスが避けて通れず、外国籍の就業者数がその全範疇合計で128万人程度の状態では、全国民が押しなべて英語上達を目指す必要はない。

 外国語翻訳・通訳は、AIロボットがさらに進化すれば、極端に言えば全外国語の話法・語法・会話特徴をチップに記録してしまえば、ほぼ完ぺきに実行できてしまうものであり、一部のプログラミング設計者が活動すれば、それ以外のマンパワーの活路は見いだせないのである。

1. 貪欲なビジネスマン
2. 努力のボランティア
3. プログラムの設計者

に英語上達は任せ、大部分の日本人は無駄な時間と金銭を使わず、別の活路に有効活用する方が得策である。