探している場合か!

 

探している場合か!    2010年11月12日


 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡るビデオ映像流出事件で、警視庁捜査1課は海上保安官(43)から、当面は任意で事情聴取を継続する方針です。

ビデオ映像流出事について考えます。


 海上保安官がビデオ映像をインターネットに投稿した件は、何が問題なのかがしきりに問われています。

1.機密であろうがなかろうが、捜査情報という、本来外に出してはいけないものが流出したこと
2.政府が一般には公表しないと決めた映像を、政府機関の一員である保安官が決定に反して流出させたこと

が問題であると言われています。 この建前論だけで保安官を処罰することは実に簡単です。 悪いことをした子どもを、親が叱りつけるようなものです。

 ところが、子どもが悪いことをする原因のほとんどは、親にあります。 この件の背後には、以下の3点の大問題があるのです。

1.菅政府の内政・外交に対する施策の力点が、適切にバランスしているか?

2.菅政府として、対中政策・対露政策すなわち、国境確定に関するそ奴らの強盗団的言いがかりと経済交易とのバランスを、どう取りながら解決するのか?

3.事態がまったく進展しないことへの、各公務員部局をはじめとする日本国民のストレスの暴発をどのように抑えるのか?

 それらがすべて手詰まりとなっている原因は、とりもなおさず、内閣総理のリーダーシップ欠如、サポート・政策提言のブレーン欠如、そしてそのような状態であることすら充分認識できないまま今日に至っている日本の内閣制度の脆弱さです。

 菅政府は、それらがすべて手詰まりとなっていることの回避策として、担当部局への責任のなすり付けを行ってしのごうとしているのではないかと疑います。 

 仙谷は、「韓国やシンガポール、ベトナムなどの目線から考えると、現在の外交方針に不安をお持ちだとは聞いていない。」と悠長に構えているが、日本が直面している相手は中国とロシアです。 その気になれば、いつ侵攻して来てもおかしくない状態です。

 仙谷に物を言わせたのでは、日本は「泥棒ロシア」と「芸者中国」のアベックにへばりつく「太鼓もち」同然です。 菅政府は、どこまで日本国の威厳・尊厳をおとしめるつもりなのかと、怒鳴り暴れたくなります。


 施政者の発言は、良くも悪くもその国を代表します。 施政者が「怒髪天を突いて」、『日本は決して引き下がらない。 平和主義国の日本に防衛力を倍増させ核武装させるのは、中国・ロシアの責任である。』と意思表示すれば、アジア諸国も賛同し日本サイドに引き寄せられます。 世界に対するインパクトも、尖閣ビデオ流出の比ではありません。

 逃がしてやった中国人船長の「Vサインの馬鹿面」を思い返しただけでも、一保安官の公務員法違反だの、家宅捜査だのと猿芝居のように騒いでいる場合ではないことを菅政府は襟を正して考えるべきです。 鈴木海上保安庁長官の処分、馬淵国交相の辞任で片が付くような事態ではありません。

 防衛力増強のために、たちまちの国庫金がなければ、「こども手当て」など即刻返納します。 それでも不足するなら、消費税増税・行政サービスの低下なんでもOKです。

 中国に東シナ海を抑えられ、ロシアに北方領土をぶん捕られ、数百兆円の国家財産を失うような末代までの恥を晒すくらいなら、目先の十数万円の手当てなどどうでも構いません。

 その財源で、海上保安庁を増強(巡視船の数と攻撃力を倍増させる)、防衛力を増強(原子力空母・原潜・中距離弾道ミサイルを新規配備する)して、政府自ら屈強な姿勢を示すべきです。

 当然、「武器輸出3原則」も日米共同行動しながら柔軟に見直し、70年前にゼロ戦・航空母艦・戦艦大和を建造した軍事産業も、基幹産業として早急に復活させるべきです。 内需拡大への貢献度も科学技術向上への寄与度もはるかに大きいです。

 日本国憲法第九条は、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、日本領への侵略行為の解決以外の手段としては、永久にこれを放棄する。」と改正すれば、何も問題はありません。 日本が、台湾やマレー半島が日本領であると言うことはありません。 「カンタン」な憲法改正です。