ネット実名主義

 

ネット実名主義    2009年10月11日


 インターネットはここ数年、人と人とが直接つながるメディアへと発展してきました。 しかし、ネットがメディアとしての信頼性を高め、既存のメディアと肩を並べる存在になるには、表現者が自分の名前を開示し、責任の所在を明らかにすることが不可欠です。

という提案がされています。

実名主義について考えます。


 私は、提案に、全面的に賛成します。

 ネットがメディアとしての信頼性を高め、既存のメディアと肩を並べる存在になるには、表現者が自分の名前を開示し、責任の所在を明らかにすることが不可欠です。

 ところが、インターネットは、IPアドレスが一致するだけでデータが相手に到達し送信完了するという性質上、アドレスが管理下にある場合や、ネット通販等のように対価物を送付するという場合しか相手を特定できません。

 したがって、今般の八ツ場ダム工事中止の一件のように、感情的な流れが偏り始めると不特定多数のデータが殺到し、一気に当該サイトが炎上する結果になります。

 しかし、現状のシステム仕様では、実名か匿名かの選択は投稿者個人の判断に依存しており、いくら提案しても、匿名コミュニケーションが存在するという問題を解決する決め手にはなりません。

 私は、どうしても実名を求めたい場合、あるいは匿名での中傷投稿を防止したい場合は、以下の方法が有効であると思います。

 情報の流れを、現在とは反対にします。

現在 
意見募集のサイトあるいは相手のアドレス宛に、文字原稿を直接投稿しています。 そのため、匿名・偽名が発生します。

変更(STEP-1)
気軽なコミュニケーションのために匿名やニックネームを認めるサイトと、実名しか受け付けないサイトに区分管理します。 ただし、あくまでも投稿者個人を信頼することでしかないため、偽名の防止は困難です。

(STEP-2)
実名を掲示した投稿者個人のサイトを作成し、そのサイト自体を投稿します。 それと同時に、サイトの投稿のみを受け付ける専用サイトを立ち上げます。 個人のサイトを作成することは、現在フリーソフトでもできるぐらい簡易になっています。

これにより、以下のような効果が期待できます。

1.引用データの出典等、内容が明確・確実になる
2.自分の投稿履歴・内容の管理ができる
3.自分の意見が時間経過とともに変化すれば、修正もできる
4.自分の意見を累積させることにより、発言責任も明確になる
5.メールリンクを張らなければ、不用意な返信を受けずに済み、個人情報の漏洩も防げる

 政党・議員・地方自治体等は、情報発信としてのサイトは整備されつつありますが、受け皿のほうは文字情報のみがほとんどで、中傷投稿というフィルタリングはできません。 また、国民個人の情報発信レベルはそれらにもまったく及びません。

 私は、投稿者個人のサイトを作成し、そのサイト自体を投稿できるような支援体制が匿名コミュニケーションを改善する対策として必要だと思います。 そのような体制を整備することが、ネットがメディアとしての信頼性を高め、既存のメディアと肩を並べる存在になる方法であると思います。