や行


や、やあ 〔因幡方言?〕 [Thanks to Mr. 森本 拓]
《品詞》接尾語。
《標準語》ら【等】、たち【達】
《用例》「あの人やあのせいだけえ・・・」(あの人達のせいなんだから・・・)。
《森本さんの説明》「やあ(や)」、「らあ(ら)」について。
「らあ(ら)」というのは、「あんたら」「おまえら」の「ら」、つまり「等」ですが、鳥取市では、「やあ(や)」がよく使われていると思います。
「おまえ」「わし」「あんた」「あのひと」なんかには、「らあ(ら)」をつけることも多いのですが、固有名詞、人名には「やあ(や)」が優勢な気がします。
《補遺》「みんなやで」の「や」も、この「」に関係があるかもしれないなあ・・・。

やいと (「やーと」とも)
《品詞》名詞
《標準語》お灸。
《用例》「やいとをすえる」
《用例》「けんびきやいと」(肩こりによく効くお灸)。「ちりけやいと」「こしけやいと
《用例》「言うこと聞かんと、やいとすえたるけえ」(言うことを聞かないと、お灸をすえるからね)。
《せっかん》いたずらをしたり、親の言うことを聞かなかったり、口答えをしたりの度が過ぎると、母親にやいとをすえられた。逃げないように、母親はごんべに馬乗りになる。熱いからごんべはあばれる。背中にケロイド状のやいとの痕が、大きく残った。ヌードモデルにはなれなかった。(男だから無理)
しかし、どうして母親がお灸の準備をしているうちに、逃げてしまわなかったのだろう。
《補遺》やいとは、「焼き処(やきと)」の音便変化

やおい
《品詞》形容詞
《標準語》軟らかい
《用例》「このトマトは、やおいなあ」(このトマトは、やわらかいね)。
《用例》「メロンは、このへんがやおなったら、食べ頃」(メロンは、このへんが軟らかくなったら、食べ頃)。

やけくる [Thanks to araraさん(大栄町出身)]
《品詞》動詞
《araraさんによる意味・用例などに関する説明》標準語ではなんちゅーだらーか? 酒飲んでゴンゾこくんも、「うちのおとうちゃんが酒飲んでやけくってな。きょうーてかったわ」っていっとたやーなし、こまい子が「おもちゃかーて ごせー」ってひっくりかえってじたばたするのもやけくるっていっとったやーなし。こがなやな感じだったと思うだけど、どがなもんでしょうか。
《araraさんのp.s.》なんで、思い出いたかっちゅうーと、うちねの下の子が小学校でやけくってあばしれるで、呼び出しくらったに、カミサンが。

・・やこ (「・・やいこ」と言う地方もあると聞く)
《品詞》接尾語?
《標準語》(動詞の連用形に接続する)・・し合いっこ
《用例》「肩、叩きやこしょう」(肩を叩き合いっこしよう)。
《用例》「勉強の教えやこ、しなれ」(勉強の教えあいっこをしなさい)。
《参照》ぼいやこ

やすい【易い】
《参照》みやすい

やせごんぼ【痩せ牛蒡】
《品詞》名詞。
《標準語》やせっぽちな人。(誉め言葉としては使わない)
《用例》「あのにょうばは、スタイルがええとちゃう。やせごんぼだがな」(あの女はスタイルがいいのとは違う。やせっぽちだよ)。

・・やな、・・やあな [Thanks to Mr. Keidou Kadowaki]
《品詞》助動詞
《標準語》・・のようだ。・・のような
《用例》「花ちゃんは、ごんべさんを好いとんなるやなぞいな」(花ちゃんは、ごんべさんに恋をしているようですよ、ほんとに)。
《参照》鳥取弁における助動詞の用例

・・やに、・・やあに
《品詞》助動詞の連用形(それとも形容動詞の連用形?)
《標準語》・・ように
《用例》「さっき、言うたやあに」(さっき、言ったように)。
《用例》「こんだ、忘れんやあに、ちゃんとメモしとく」(今度は、忘れないように、ちゃんとメモをしておくから・・)。
《用例》「落ちんやに、注意せえや」(落ちないように、中止しなさいよ)。
《用例》「すぐ食えるやにする、待っとってなあ」(すぐ食べられるようにするから、待っててね)。
《用例》「遅刻せんやに、はや起きなれ」(遅刻しないように、早く起きなさい)。
《用例》「すぐ出れるやに、ここで待っとっだがな」(すぐ出発できるように、ここで待っているんだよ)。
《用例》[Thanks to Mr. 尾崎憲治(大栄町出身)] 「うちのこは、自転車の“たすけごま”が取れまして、気がくるーたやーに乗ってあすんでます。なら」(うちの子は自転車の補助輪が取れて、気が狂ったように乗って遊んでいます。それではまた)。

やぶく【破く】
《品詞》他動詞
《標準語》破る
《用例》「この書類、破いて捨てとけ」(この書類を、破って捨てておけ)。
《用例》「こがなん破いたれ」(こんな物、破ってやれ)。

やぶける【破ける】
《品詞》自動詞
《標準語》破れる
《用例》「そがに、ひっぱんなんな。服が破けるがな」(そんなに引っ張らないでよ。服が破れるじゃないの)。

やませ [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》名詞
《標準語》西南の風。冬から春にかけて吹く。この風の後は雪になる兆し。
《参照》あいのかぜいせいちうらにしおきにし

やらやっと (「ややっと」とも) [Thanks to Mr.谷岡昌範]
《品詞》副詞
《標準語》ようやく。ようよう
《用例》「やらやっとしろみてになったいな」(ようやく代満てになりました)。
《補遺》「ややっと」のほうが優勢かな?

ゆきおこし【雪起こし】 [Thanks to Mr.谷岡昌範]
《品詞》名詞
《意味》初雪が降る前触れの雷鳴
《用例》「ゆきおこしがなっとるけえ、もうじき雪が降らあーぞい」(初雪を予告する雷が鳴っているから、もうすぐ雪が降るでしょうね)。

ゆきずり【雪ずり】
《品詞》名詞
《標準語》屋根に積もっていた雪が落ちること
《用例》「今の音、なんだあ?」「ゆきずり」(今の音は何だい?)(雪ずりだよ)。
《補遺》ごんべ編者は「なだれ【雪崩】」の意味では使った記憶がない。

ゆきやけ
《品詞》名詞
《標準語》シモヤケ。手足・耳などの凍傷

ゆにいる【湯に入る】
《品詞》連語。名詞「湯」+助詞「に」+動詞「入る」
《標準語》風呂に入る
《アクセント》にいる

ようけ [Thanks to Mr. Kazusuke Yamane]
《品詞》副詞
《標準語》たくさん
《用例》「こがにようけもらっても、ええかえ」(こんなにたくさんもらっても、いいんですか」
《蛇足》最近は、「えっと」や「がいに」よりも「ようけ」が優勢とか。
《参照》えっと

ようこそ (何かをもらったときの感謝の返事)
《標準語》ありがとう
《用例》「これ、あげるわ」「わあ、ようこそ
《用例》「花ちゃん、てごしてごしなっただか。ようこそなあ」(花ちゃん、手伝ってくれたのね。ありがとう)。
《参照》だんだん

ようさ
《品詞》名詞
《標準語》夜、夜中
《用例》「もう、ようさ、寝なれ」(もう夜中だから、寝なさい)。
《参照》ばんげあさま

ようせん
《標準語》とてもできない
《用例》「そがなこと、ようせん」(そんなこと、とてもできません)。
《補遺》「よう」+動詞未然形+否定助動詞「ん・せん」は、不可能を表す。

ようそがな [Thanks to Mr.谷岡昌範]
《品詞》間投詞?。(副詞「よう」+形容動詞「そがな」)
《標準語》まあ、あきれた
《用例》「あんたは、もう・・・。ようそがな!!!」

ようたんぼ
《品詞》名詞
《標準語》酔っぱらい

ように 〔因幡方言?〕 [Thanks to Mr. 森本 拓]
《品詞》副詞
《標準語》たいへん、とても、非常に
《用例》「ように疲れたわいや」(とても疲れたよ)。
《用例》「なんだあ、ように落ち込んどんさったで」(なんだかたいへん落ち込んでおられましたよ)。

・・よか
《品詞》格助詞
《標準語》・・より
《用例》「色気よか食い気」
《用例》「そがなんよかこがなんがええ」(そんなのより、こんなのがいいわ)。
《参照》鳥取弁における助詞の用例

よからあ
《品詞》連語。形容詞連用形「よか」+助動詞「らあ」
《標準語》よかろう。よいだろう
《用例》「そっでよからあぜ」(それでいいでしょうね)。
《アクセント》よからあ

よこし【横し】
《品詞》名詞。
《標準語》横。横の方。側方。
《用例》「テレビのよこしに貼っとっただけどなあ」「ありゃせんぜ」(テレビの横に貼っておいたんだけれどねえ)(ないよ)。
《参照》さかし

よだきい
《品詞》形容詞
《感謝:語句の採集について》 [Thanks to Mr. Kazusuke Yamane]
《感謝:意味について》 [Thanks to Mr. Keidou Kadowaki]
《意味》〔東伯方言〕強欲な、人品ともに卑しい。
《用例》「あいつは、よだきい奴だ」(あいつは、強欲で人品ともに卑しい最低の奴だ)。
《補足》ごんべの田舎では、「よだきい」と言われたら、人間としては最低の評価を下されたと同じで、もうおしまいだそうです。
鳥取大学付属中のHPより》〔因幡方言〕では、「不愉快だ」の意味だそうです。また「面倒な」「やっかいな」という意味にも使うともききましたが....

よばれる【呼ばれる】
《品詞》動詞(「呼ぶ」の受身形か?)
《標準語》ご馳走になる、招かれる、招待される
《用例》「遠慮せんと呼ばれますけ」(遠慮しないで、ご馳走になります)。
《用例》「呼ばれ立ちで、失礼しますけ」(ご馳走をいただいて早々ですが、失礼させていただきます)。
《用例》「南ちゃんの結婚披露宴にゃ、うち呼ばれとらん」(南ちゃんの結婚披露宴には、私、招待されていない)。
《用例》「それじゃあ、呼ばりょうかい」(それでは、ご馳走になりましょうか)。

よぶ【呼ぶ】
《品詞》動詞
《標準語》(客を)招く、招待する
《用例》「花ちゃん呼んだに、来とんならん。なんでだらあ」(花ちゃんを招待したのに、来ていないわ。どうしてだろう)。
《用例》「よう呼んごしなってなあ」(よく招待してくださいました)(よくご馳走してくださいました)。
《参照》動詞活用表(呼ぶ)

よまあか【読まあか】 (意志・勧誘を表す言い方)
《品詞》読むの未然形「読ま」+意志・勧誘の鳥取弁助動詞「あ」+問いかけ・勧誘の終助詞「か」
《標準語》読もうか。
《類例》「めし、食わあか?」(ご飯を、食おうか)。
《類例》「俺から、話さあか?」(僕から話そうか)。
《類例》「うちが、書かあか?」(私が書こうか)。
《類例》「ちいと、走らあか?」(少し、走ろうか)。
《類例》「帰らあか」(帰ろうか)。
《類例》「キス、したらあか?」(キスをしてあげようか)。
《生かじりの研究》
意志・勧誘を表す助動詞「う」は、五段活用動詞未然形に接続するが、標準語では二種類ある未然形のうち「オ列」の方につく(例:「読も」+「う」)。
一方鳥取弁では、助動詞「う」は「あ」に変化し「ア列」の方の未然形につく(例:「読ま」+「あ」)。末尾の「か」は、問いかけ・勧誘の終助詞である。
《参照》意志・勧誘の鳥取弁助動詞「い」に勧誘の終助詞「や」「な」がつく「いや」「いな」については、行かいを参照。
《参照》鳥取弁における助動詞の用例動詞活用表(読む)

春蘭 from 森のギャラリー

よめさんのかんざし【嫁さんの簪】
《品詞》名詞
《標準語》(植物・野草)シュンラン(学名:Cymbidium goelingii)、ホクロ、ジジババ。
《懺悔》右の春蘭の写真は、森のギャラリーから、無断で剥がしてきて、勝手にトリミングしました。ごめんなさい。もうしません。(今度するまで)

よんべ
《品詞》名詞
《標準語》昨夜、きのうの夜
《用例》「よんべがいな火事があったさあななあ」(ゆうべ、大きな火事があったそうですね)。


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