・・だ (鳥取弁において指定・断定・強調などを示す。男女を問わず一般的に用いる)
《品詞》助動詞。間投詞風にも用いる。
《標準語》・・だ、・・である
《用例》「何しとんなる」(何をしてるの?)
《用例》「そっ」(そのとおりだ)。
《用例》「そがなこと、言いなったか?」(そんなことを、おっしゃったんですか)。
《用例》「そがなことは、ない」(そんなことは、ない)。
《用例》(単独で相槌として。間投詞?)「」(そうだ、そのとおりだ)。

・・だあ
《品詞》断定の助動詞「だ」+鳥取弁終助詞「あ」
《標準語》(疑問・問いかけ)・・だい
《用例》「何しとっだあ?」「キスだがな」(何をしているんだい)(キスよ)。
《用例》「このでこ、なんだあ?」「キスだがな」(この絵はなんだい)(お魚のキス【鱚】よ)。


だあが (「だあぜ」「だあよ」とのニュアンスの違いは、あるようなないような)
《品詞》(相槌風の間投詞)連語。
《標準語》そうよ、そうなのよ
《用例》「だあが」(そうなのよ)。

だあぜ (「だあが」「だあよ」とのニュアンスの違いは、あるようなないような)
《品詞》(相槌風の間投詞)連語。
《標準語》そうよ、そうなのよ
《用例》「だあぜ」(そうなのよ)。

だあだ
《品詞》(相槌風の間投詞)連語。
《標準語》そうだ、そのとおりだ。(強い同意・同感)
《用例》「だわなあ?」「だあだ」(だろ?)(そうだ、そのとおりだ!)
《用例》「そら、あれがわりいわい、なあ?」「だあだ」(そりゃあ、あいつが悪いよ、なあ)(そうそう)

だあよ (「だあが」「だあぜ」とのニュアンスの違いは、あるようなないような)
《品詞》(相槌風の間投詞)連語。
《標準語》そうよ、そうなのよ
《用例》「だあよ」(そうなのよ)。

たーら (「たわら」の変化) [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》名詞
《標準語》たわら【俵】

だいい [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》形容詞
《標準語》だるい
《用例》「体がだいいけ、なんもしたーない」(体がだるいので、何もしたくない)。

たいぎ、たいぎい【大儀】 (「ちゃーぎ」と訛る場合が多い)[Thanks to Mr. 尾崎憲治]
《品詞》名詞・形容動詞
《標準語》気が進まない、いまいち心が動かない、疲れているので動くのが億劫だ、めんどうくさいからやりたくない
《用例》「たいぎいけ、行かんわい」(気が進まないから、行かないよ)。
《用例》「宿題、ちゃあぎななあ」(宿題やる気がしないなあ)。
《尾崎憲治さんからの用例》「けんじ! 裏いって〇〇持ってきてごせ」「ちゃーぎな」「きゃー、なんちゅう子だらーかい」(けんじ、裏庭に行って〇〇を持ってきてくれないか)(めんどうくさいから、いやだ)(まあ、なんていうことをきかない子だろうね)。

だいつう [Thanks to 土井さん]
《品詞》さ変名詞
《標準語》〔因幡方言〕おしゃれ(をする)
《用例》「じょーにだいつうして、どこに行くだあ?」(たいへんおしゃれをして、どこへ行くんですか?)。
《用例》「今日はだいつうしとるなぁ」(きょうはおしゃれしてるなあ)。
*
《土井さんのメールの抜粋1(2011/01)》楽しいためになる辞書を作って下さってありがとうございます。
一つ足りないのに気付きましたので、ご紹介いたします。
それは「だいつう」という言葉です。
私も二十歳を過ぎるまで知りませんでしたが、年配の人は使っていました。
「だいつう」はおしゃれをするという意味です。
辞書に付け加えて頂ければ幸いです。
《土井さんのメールの抜粋2(2011/02)》私が今住んでいるのは鳥取市(旧岩美郡国府町)です。
だいつう」は、結婚するまでは聞いたことがありませんでした。30年前に初めて教えてもらいました。
使っていた人は、いま生きていれば90歳になるお婆さんと60歳位の男性です。
用例は、こんな感じでしょうか。(上記二つの《用例》を参照)
こうじく」という言葉もこの二人から教えてもらいました。
*
《ごんべ追記(2011/02)》『泊村誌』(平成元年5月発行)にも、「だいつう」が載っておりました。意味は土井さんからの情報どおり「おしゃれ」となっています。
旧泊村は鳥取県中央部やや東よりに位置しており、2004年に羽合町、東郷町と合併して「湯梨浜町」となりました。

・・だいな (疑問・問いかけの意を表す。女性言葉)
《品詞》助詞
《標準語》・・の?、・・です?
《用例》「なに、泣いとっだいな?」(なにを泣いているのですか?)。
《用例》「なんだいな」(なんですか)。
《参照》鳥取弁における助詞の用例

・・だいや (疑問の意を表す。男言葉)
《品詞》助詞
《標準語》・・だい?、・・です?
《用例》「なに、泣いとっだいや?」(なにを泣いてるんだい?)。
《用例》「あがなダイヤ、誰が買あただいや?」(あんなダイヤを誰が買ったんだい?)。
《用例》「なんだいや」(なんですか)。
《参照》鳥取弁における助詞の用例

・・だか、・・だかいな、・・だかいや (疑問の意を表す)
《品詞》連語。だか=断定の助動詞「だ」+疑問の終助詞「の」
《標準語》・・のか?、・・ですか?
《用例》「もう、昼飯、食っただか?」(もう昼ご飯を食べたのかい?)。
《用例》「おまい、東京ディズニーランドに行ったことあっだか?」(君は、東京ディズニーランドに行ったことがあるのかい?)。
《用例》「すっだかせんだか、はっきりせえや」(するのかしないのか、はっきりしろよ)。
《用例》「高校野球は、もう済んだだかいな?」(高校野球はもう、済んだんですか?)。
《用例》「わかっとらんだかいや?」(理解していないのか?)。
《蛇足》「・・だいな、だいや」と異なり、「・・だか、・・だかいな、・・だかいや」に対しては、「はい」「いいえ」で答えることが可能。
《参照》鳥取弁における助詞の用例

たかたかいび【高々指】
《品詞》名詞
《標準語》中指
《蛇足》「おやいび」「ひとさしいび」「たかたかいび」「くすりいび」「こいび」のように、「ゆび」は「いび」と発音していたような記憶があったのですが、その記憶に自信がありませんでした。でも、「日本言語地図」(国立国語研究所編)にもそう載っていましたので、ほっとひと安心してごんべ辞書にも載せました。

・・だがよ 〔因幡方言〕 [Thanks to Mr. 森本 拓]
《品詞》助詞(文末詞)
《標準語》・・なのよ
《森本さんの補足》女性語。美保小学校の女の子はみんな使っていた!
《用例》「あんたがいけんだがよー!」(あなたがいけないのよ!)。

たかる
《品詞》動詞
《標準語》とまる、つかまる、取り付く(標準語「たかる【集る】」本来の意味は、「群がる、一つのところに寄り集まる」だが、鳥取弁における「たかる」は、何かの物体に害虫などが(一匹以上)止まる場合にも用いられる・・というのがごんべ編者の記憶であるが・・ほとんど標準語かな)
《用例》「めしにハイがたかっとるがなぼえいや」(ご飯に蝿がとまっているじゃないか。追い払えよ)。

・・だき [Thanks to Mr. 森本 拓]
《品詞》副助詞
《標準語》・・だけ
《用例》「わあだき良けりゃあ、ええだかい」(自分だけ良ければいいのか)。
《森本さんの補足》これは倉吉の祖父母がよく使ってました。倉吉弁かな?

たけ【茸】
《品詞》名詞
《標準語》きのこ
《用例》「お父ちゃんが、たけえっと採って来なったけ、しょうのけめしにするかあ」(お父さんが、きのこをたくさん、採って来られたから、炊き込みご飯にしようか)。 《アクセント》け。竹は、た


だけ
《品詞》接続詞。(断定の助動詞「だ」+接続助詞「け」)
《標準語》だから。したがって。そんなわけだから
《用例》「だけ、やめときなれ、って言っただがな」(だから、やめておきなさいって言ったのよ)。

だぞな [Thanks to Mr. MASUI Teruyuki(鳥取市出身、浜田市在住)]
《品詞》連語?(だ+ぞ+な)。
《標準語》だよね。(「〜だよね?」と相手に同意を求めるときに使う言葉)
《用例》「鳥取の人は『ごっつい』っちゃなんで言うけ、関西弁に近いんだぞな?」(鳥取の人は「ごっつい」というように言うから、関西弁に近いんだよな?)。

ただぐち [Thanks to Mr.谷岡昌範]
《品詞》名詞
《標準語》おかずをご飯と一緒に食べない食べ方
《用例》「ただぐちで食べたら、いけんがな。ご飯と一緒に食べなれ」(おかずだけ食べたらいけないよ。ごはんと一緒に食べなさい)。
《アクセント》ただ

ただごめ【ただ米】
《品詞》名詞
《標準語》うるち米(「もち米」に対して、「只の米」という意味か)
《用例》「これは、もち米かえただ米かえ」(これは、もち米ですか、うるち米ですか)。

だっぞ
《品詞》代名詞「だれ」+助詞「ぞ」の転。
《標準語》誰か。
《用例》「だっぞ、金貸してごさんか?」(誰かお金を貸してくれないか)。

だっだ (「だっだい」とも) [Thanks to 泊村誌]
《品詞》連語。「だれ」+助動詞「だ」+助詞「い」の変化
《標準語》誰だい?
《用例》「さっき来とんなったんは、だっだ?」(さっき来ておられたのは、誰?)。

・・だっちゃ 〔因幡方言?〕 [Thanks to Mr. 森本 拓]
《品詞》(?)文末詞
《標準語》(強い断定を表す)・・なんだよ。
《用例》「そがなことすりゃ、いけんだっちゃ」(そのようなことをすれば、いけないんだよ)。

・・だっていや、・・だっていな
《標準語》・・だということだよ、・・だということですよ
《用例》「花ちゃんに、あこができただっていな。嫁さん行っとらんに」(花ちゃんに、赤ちゃんができたということですよ。結婚していないというのに)。
《用例》「テストは中止だっていや」(テストは中止だそうだよ)。

たてる【立てる】
《品詞》動詞
《標準語》(雨戸、障子、ふすまなどを)閉める
《用例》「雨戸を立てごせ」(雨戸を閉めてくれ)。
《用例》「ちょっとそこ、立てとけ」(ちょっとそこを閉めておけ)。
《参照》動詞活用表(たてる)

たばこする【煙草する】
《品詞》動詞
《標準語》一休みする、休憩する。
《用例》「えらいちいとたばこするけえなあ」(疲れたから、少し一休みしますからね)。
《備考》鳥取県では、煙草を吸わない人でも「煙草する」。「一服する」とも言う。
《参照》動詞活用表(する)

・・だらあ、・・だら
《品詞》断定助動詞「だ」の鳥取弁未然形「だら」+鳥取弁助動詞「あ」
《標準語》・・でしょう?
《用例》「花ちゃん、えらいだらあ。もうちょっとだなあ」(花ちゃん、疲れたでしょう。もうちょっとですからね)。
《参照》・・だらあか・・だらあが

・・だらあか
《品詞》断定助動詞「だ」の鳥取弁未然形「だら」+鳥取弁助動詞「あ」+疑問・推測の終助詞「か」
《標準語》・・でしょうか、・・かしら
《用例》「あしたは、雨だらあか?」(明日は、雨かしら?)。
《用例》「いんでもええだらあか?」(帰っても、いいのかしら?)。
《用例》「先生怒っとんなるの、なんでだらあか?」(先生が怒っておられるのは、どうしてでしょうね)。
《用例》「恐竜って、おっただらあか?」(恐竜って、いたのかしら?)。
《用例》「電車が遅れらーせんだらあか」(電車が遅れないだろうか)。
《参照》・・だらあ

・・だらあが (強調的用法、反語的用法)
《品詞》断定助動詞「だ」の鳥取弁未然形「だら」+鳥取弁助動詞「あ」+接続助詞「が」。
《標準語》・・でしょう(違いますか)
《用例》「お母さんが、そがにい、言っただらあが」(お母さんが、そう言ったでしょう、言わんこっちゃない)。
《参照》鳥取弁における助詞の用例

・・だらあかい [Thanks to 倉吉市誌]
《品詞》連語
《標準語》・・でしょうね。・・でしょうかね
《用例》「なんちゅうえっと雪が降っただらあかいなあ」(なんとたくさん雪が降ったことでしょうね)。
《用例》「まんだこいから雪が降っだらあかい気がわりいなあ」(まだこれからも、雪が降るんでしょうかね。嫌ですねえ)。

だらず
《品詞》名詞・形容動詞
《標準語》馬鹿、あほ
《用例》「このだらずが・・・」(と、ごんべは父親によく叱られた)。
《蛇足》例のベストセラー本は、「あほ馬鹿だらず分布考」と題すべきであった)

だらずけな [Thanks to Mr. Keidou Kadowaki]
《品詞》形容動詞
《標準語》非常に馬鹿馬鹿しい。愚鈍きわまりない
《用例》「なにだらずけなこと言っとっだいや、おまいは」(何を馬鹿馬鹿しいことを言ってるんだ、君は)。

たんさん【炭酸】
《品詞》名詞
《標準語》じゅうそう【重曹】
《用例》「炭酸入れんけえ、ふくらまんだがな」(重曹を入れないからふくらまないんですよ)。
《補遺》ふくらし粉とも言う。
《セルフサービスおやつ》母親が不在のとき、ごんべは自分でこっそりおやつを作って食べました。まず、うどん粉に食塩少々と炭酸を入れて水で溶き、七輪(「しちりん」ではなく、「ひちりん」と言っていた)に消し炭と硬炭(かたずみ。消し炭ではない普通の木炭を「硬炭」と言っていた)を入れて火をおこし、フライパンに菜種油を引いたところに流して、薄く丸くのばしてどら焼き風の形に焼き上げます。ごんべは「めんか」と命名していました。塩味の素朴な味です。この間40数年ぶりに作ったら、息子にもかみさんにも馬鹿にされました。一人でみんな食べました。

だんだん(1) [Thanks to Ms. Akiko Kaneko]
《標準語》ありがとう
《用例》「だんだん」(ありがとう)。
《蛇足》昔はごんべも使っていたけど、今はほとんど聞かない。
《判明》「だんだん」の本家は、出雲弁でありました。鳥取県では、出雲地方に接する伯耆西部で使われる場合が多いとのこと。
《参照》ようこそ

だんだん(2) [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》名詞
《標準語》石段、階段
《用例》「観音さんのだんだんは、さがいけえ、えらいわ」(観音さんの石段は、急だから疲れるよ)。
《用例》「だんだんを上がる楽しみ」(右のでこを参照。描いたのは、ごんべではありませぬ。dejavuさんですう)。

たんびたんび [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》副詞
《標準語》たびたび、しょっちゅう
《用例》「あがにたんびたんびどーづかれとったら、殺したなるのは当たり前だわなあ」(あんなにたびたび殴られていたら、殺したくなるのは当たり前だよねえ)。

たんびに (「たびに【度に】の変化) [Thanks to Mr. Keidou Kadowaki]
《品詞》副詞
《標準語》・・するたびごとに
《用例》「花ちゃん、会うたんびにきれえになるなあ」(花ちゃんは会うたびに奇麗になるなあ。恋をしているな、さては・・・)。
《補遺》「たんびたんびに」という言い方もある。


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