ま行


・・まい [Thanks to Mr. 森本 拓]
《品詞》(否定的意志の)助動詞
《標準語》・・ないつもりだ〔すたれつつある標準語か?〕
《用例》「今日はたいぎいけえ、学校行かまい」(今日は億劫だから、学校は行かないつもりだ)。
《森本さんからごんべへのメールより抜粋・97/04/23》助動詞の用例に載せてはおられますが、この否定的意志の「まい」は、鳥取弁特有の言い回しとして、かなり重要じゃないかなと思うんですけど。なぜなら、自分が上京したとき、直訳できる標準語というか東京弁が見つからなかったからです。
否定的推量の「まい」も、今は文語表現にしか使わないと思いますが(「よもや知るまい」とか)、これは、「まさか知らね〜だろ」と、簡単に言い換えられます。
しかし、「今日はたいぎいけえ、学校行かまい」の場合、「今日はかったるいからさー、学校サボろうぜ」とか、「きょうはかったりーから、ばっくれっか!」というように、全く別の表現を借りる必要があります。
まあ、結局「ナ変」と同じで、古い形が残っているということでしょうが、この「まい」は、(鳥取弁の)日常会話の中で、かなり多用されるので、大きく取り上げるべきではないでしょうか?
僕が上京して大学に入ったとき、この「まい」をうまく言い換えられなくて(それでも「行かまい」なんて言ったら、「なんだ、この古風な青年は?」と、気味悪がられてしまったでしょう)、解決策として、むしろなじみのある関西弁の表現を借用して、「行かんとこうや」というのを使いました。
実際にはさらに、日常の場面では“人に、不作為を勧誘する”という性格上、「〜まいや」と、「や」がつく場合がほとんどです。(つづきはこちら

まいげ (「まゆげ【眉毛】」の訛り)
《品詞》名詞
《標準語》まゆ【眉】、まゆげ【眉毛】
《用例》「花ちゃんは、まいげ描いとんなるか?」(花ちゃんは、眉毛を描いてるのですか?・・せっかく親に貰った身体なのに、描いたり穴開けたりして、わやくしたらいけんがな)。
《情報到着。西郷谷の男さんより》〔因幡・八頭方言〕では、まひげ(mahige)といいます。
《付録》顔や身体の一部を読み込んだ「遊び歌(というのかな)」があった。おじいさんやおばあさんが、小さな孫などにしてやって、きゃっきゃと笑わせていた。歌は、こんなの。
まいげの殿さん(と言って、眉毛を指す)
めかけを連れて(と言って、目を指す)
花見に行って(と言って、鼻を指す)
奥ばの者が(と言って、口を大きく開けて奥歯を指す)
無念なことを(と言って、胸を指す)
口々言って(と言って、口を指す)
おへそが(と言って、へそを指す)聞いて(と言って、耳を指す)
ちんちくりんと笑った(と言って、突然、おちんちんをくすぐる)

まいこと
《品詞》連語(まい+こと)。(副詞的に用いる)
《標準語》うまく。上手に
《用例》「あいつぁ、まいことやりよった」(あいつは、うまくやりよった)。

まえる [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》動詞
《標準語》水を入れて湯をぬるくする。

まき
《品詞》名詞
《標準語》ちまき【粽】
《端午の節句》旧暦の5月5日、まきを作ってもらって、食べました。まきは、ただ米のだんごに竹串を差し、幅広の笹の葉で包み、い草でほどけないように結び、蒸して出来上がりです。味はつけてありませんので、砂糖か、味噌をつけて食べました。
それぞれの家が、だんごの大きさ、笹の葉での包み方、い草の結び方など、独特の手法を、かたくなに(といっても悪い意味ではなく)守っていました。
子供には、い草をほどき、笹の葉を一枚一枚めくることも、わが家の味だったのかもしれません。
《唱歌》「背(せい)くらべ」・・「粽(ちまき)たべたべ 兄さんが 計ってくれた 背のたけ」。単音の[midi_data]は、ここ

まぜくる
《品詞》動詞
《標準語》混ぜる。混ぜ回す

またい 〔因幡・八頭方言〕 [Thanks to Mr.西郷谷の男(八頭郡河原町)]
《品詞》形容詞、名詞
《標準語》鈍い、とろい、頭が悪い。のろま、頭の悪い人
《用例》「わあなんちゅうまたいだいや」(お前はなんとのろまなんだ)。

まっと (「もっと」の変化) [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》副詞
《標準語》もっと
《用例》「まっとマット持って来いや」(もっとマットを持って来いよ)。

まばいい
《品詞》形容詞
《標準語》まぶしい
《用例》「まばいい社長の頭」(まぶしい社長のhage頭)。
《用例》「太陽が、まばいいなあ」(太陽がまぶしいね)。

まぶれこ
《品詞》名詞。「〜に」副詞
《標準語》鈴なり
《用例》「今年はミカンがまぶれこだがな」(今年はミカンが、鈴なりだね)。

まむない 「まむにゃあ」とも [Thanks to Mr. 尾崎憲治(大栄町出身)]
《品詞》形容詞(連語?。まむ+ない)。
《標準語》うまくない。美味しくない。
《用例》「この菓子、まむにゃあなあ」(このお菓子、美味しくないなあ)。
《用例》「おまいこさえる おさいは、まむない」「うちうちげいぬるけ」(君の作るおかずは、美味しくないよ)(私、実家へ帰りますっ!)。

まめんな [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》形容動詞
《標準語》健康な、達者な、元気な
《用例》「まめんにしてごしなれよ」(お達者でね)。
《用例》「ありゃりゃ、花ちゃん、まめんにあったかえ?」(あらまあ、花ちゃん、元気でしたか?)。
《用例》「おじいさんは、まめんなかえ?」(おじいさんはお達者ですか?)。
《補遺》東伯耆では上記用例のように「お元気ですか?」を「まめんなかえ?」と言います。岩美地方ではやや違うようです。以下は、岡本大亮さん(鳥取市出身)からの情報です。
 岩美町(鳥取県岩美郡)のほうで「元気ですか?」を、「まめだなきゃー?」と言うと聞いたことがあります。僕が実際に聞いたわけではないのですが、家の姉が中学の時に、岩美町から転校してきた男の子に「まめだなきゃー?」と言われてさっぱりわからなかったという話を、よくしておりました。

まるね【丸寝】 [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》名詞
《標準語》服を着たまま寝ること。ごろ寝。
《用例》「そがなとこまる寝せんと、布団しいて、ねーやれ」(そんなところに服を着たまま寝ないで、布団を敷いて寝なさい)。
《参照》そそねとの違いはあるかな?

まんがわりい (「間が悪い」の変化か、それとも「運が悪い」の変化か?)
《品詞》形容詞
《標準語》運が悪い。アンラッキーである
《用例》「花ちゃん、振られたさあなまんがわりいなあ」(花ちゃんは振られたそうですよ。運が悪いねえ)。
《反対語》まんがええ(運がよい、ついている、ラッキーである)

まんぐるじゅう 〔因幡方言〕 [Thanks to Mr. Yuichiro Yoshida]
《品詞》副詞。
《標準語》みんな。岩美の方では次の用例のように、「部屋中」という意味でも使うそうです。[Thanks to Mr. 岡本大亮]
《用例》「まんぐるじゅうホコリだらけだ」(部屋中がホコリだらけだ)。

まんだ
《品詞》副詞
《標準語》まだ
《用例》「雨は、まんだ、やんどらん」(雨はまだ、やんでいない)。

まんちゃくちゃ 〔因幡方言〕 [Thanks to Mr. Kazusuke Yamane]
《品詞》名詞
《標準語》わやくちゃ、でたらめ。
《用例》「こないだのテストは、ぜんぜんわからなんだけえ、まんちゃくちゃ書いてだしたった」(でたらめを書いて出してやった)
《用例》「まんちゃくちゃ言うないや」(でたらめ、いいかげんなことをいうな)
《用例》「この子は、っとー、ふすまにまんちゃくちゃ書くな!」(この子は、こら!、ふすまに落書きをするな)
《参照》わやくちゃ

まんちゃら (「まんちゃ」とも) [Thanks to Mr. Keidou Kadowaki]
《品詞》名詞
《標準語》反則。ルール違反。でたらめ
《用例》「またまんちゃらこいとっだか」(また出鱈目を抜かしてるのか)。
《用例》「あの人あ(hitaa)、まんちゃらようこくけ、気をつけなれよ」(あの人はルール違反をよくするから、気をつけなさいよ)。
《補遺》「まんちゃくる」、「まんちゃらこく」は、(でたらめの言動をする)の意。

まんまんちゃん (「まんまんさん」「のうのうさん」「ののさん」とも)
《品詞》名詞
《標準語》〔幼児語〕仏様。神様
《用例》「花ちゃんも、まんまんちゃんあんあん、しなれ」「まんまんちゃん、あんあん」(花ちゃんも、合掌して仏さんをおがみなさい)。
《補遺》上記のように、「まんまんちゃん、あんあん」(幼児が仏壇やお墓を拝む動作)の形で使われることが多い。「あんあん」は幼児が頭を下げる所作を表す。最初の「あん」で頭を下げ、一呼吸置いて後の「あん」で頭を上げる。「あんあん」と単独でも使うし、「ようこそ、あんあん」などと言うときも使う。なお、アクセントは後の「あ」にある。
《補遺No.297/04/04》「まんまんちゃん、あんあん」の「あん」は、一つでいいよと某氏の談話。とすると、上記の説(最初の「あん」で頭を下げ、一呼吸置いて後の「あん」で頭を上げる)は、どうなるんだと問い返しましたところ、「強いて言うなら、まんまんちゃん、ンあん、だらあなあ。ンで頭を下げ、あんで頭を上げる奴もいる」だそうです。会社の女性(西宮市甲子園口在住の山上千花さん)の話では、「関西では、あんは一つですよ」なのだそうです。

みかえり (「むかえり」とも)
《品詞》名詞。
《標準語》一周忌(の法事)。
《用例》「なにごとだえ?」「おじいさんのみかえりの法事ですわいな」(なにごとですか?)(おじいさんの一周忌の法事なんですよ)。

みかご [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》名詞
《標準語》むかご【零奈子】。秋、ヤマノイモ(学名:Dioscorea japonica。つる性の多年草)の葉のわきにできる、小さな芋に似た芽。食用になる。
《みかごご飯のレシピ》よく洗ったみかごを、米の4分の1量入れ、普段と同じ水量で炊く。出来上がり。なお、その年の初物を食する時は、東を向いて笑わなければなりません。ごんべの家では、昔、そうしていました。
《みかごの塩茹でのレシピ》水に塩を適量入れ、食べたいだけみかごを入れて茹でる。出来上がり。あったかいうちにホコホコ食べる。
《きんぴら風みかごのレシピ》みかごを、キンピラを作るのと同じようにして煮付ける。出来上がり。純米酒などを飲みながら食べる。

みしてごしなれ【見してごしなれ】
《品詞》連語。「見し」+「て」+「ごし」+「なれ」
《標準語》見せてください。
《用例》「もうちいと見してごしなれ」(もう少し見せてください)。

・・・みちゃあに
《品詞》形容動詞の連用形。
《標準語》……みたいに。
《用例》「花ちゃんみちゃあに、おとなしぃ、しとんなれ」(花ちゃんのように、おとなしくしていなさい)。
《用例》「おまいみちゃあにだらずようせん」(君みたいに馬鹿はできない)。

みみきっか
《品詞》名詞(差別用語)。
《標準語》耳が不自由なこと。耳が聞こえないこと。耳が不自由な人。聾。

れんげ草

みやこ
《品詞》名詞
《標準語》れんげ草。マメ科ゲンゲ属の越年性植物。学名:Astragalus sinicus。中国原産。げんげ【紫雲英】
《蛇足》むかし子供の頃、みやこは、田植え前の田圃には、何をしないでも自然に生えてくるものだと思っていた。まさか、わざわざ種を蒔いていたとは知らなかった。

みやすい【見易い】 [Thanks to Mr. Kanji Kishimoto ]
《品詞》形容詞
《標準語》簡単な
《用例》「きょうのテスト、みやすかったなあ」(きょうのテスト簡単だったね)。
《用例》「レース編みって、みやすい?」(レース編みって、簡単?)。
《補遺》単に「やすい」ともいう。「きょうのテスト、やすかったなあ」

みられん【見られん】
《品詞》連語
《標準語》(禁止の表現)見てはいけない
《参照》「なられん」「すられん」「行かれん」等々について

みんな
《品詞》名詞・副詞
《標準語》全部、すべて
《用例》「これ、みんな、もらってもええだかえ」(これ全部貰ってもいいの?)。
《用例》「宿題は、みんな済んだ」(宿題は全部済んだ)。

みんなやで (「みんなやあで」とも) [Thanks to 東郷町誌]
《品詞》連語
《標準語》みんなで。全員で
《用例》「みんなやですりゃ、じき済むわいな」(みんなですれば、すぐ済むわよ)。
《用例》「ええむんごしなったけ、みんなやで食わい」(いいものを下さったから、みんなで食べよう)。
《参照》や(やあ)

むかしごっぽりごんぼのは【昔ごっぽりごんぼの葉】
《意味》(昔話の最後に言う決まり文句)。「めでたし、めでたし」に該当
《蛇足》「昔ごっぽりごんぼの葉。あえて食ったらうまかった」「むかしこっぽり鳶(とび)の糞(くそ)、ひんよろひんよろ」など数多くのパターン、バージョンがある(あった)。

むかぜ [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》名詞
《標準語》むかで【百足】
《ごんべの記憶》昔、むかぜを捕まえると、油を入れてあるビンの中に放り込みました。「むかぜ油」は、火傷をしたときなどの塗り薬として使っていたような記憶があります。

むぎこ【麦粉】
《品詞》名詞
《標準語》麦こがし、はったい粉
《買物情報》大阪梅田の阪急百貨店地下で、平成8年6月27日、麦こがし100gは金80円也(消費税は別途2円)
《お召上り方》(第一法)砂糖と混ぜて舐める。ただし、上顎に引っ付くので往生する。(第二法)砂糖を混ぜてお湯で溶いて舐める。・・ん、昔はもっと旨いと思って食べたんだが。

むさんに [Thanks to Mr. Keidou Kadowaki]
《品詞》副詞
《標準語》むちゃくちゃに、やみくもに

むじんそう【無尽草】 [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》名詞
《標準語》春菊。1年草の野菜。学名:Chrysanthemum coronarium var. spatiosum。
《補遺》葉を取っても取ってもまた出てきて、尽き無いので、無尽草と言います。

むつがしげな、むずかしげな
《品詞》形容動詞。
《標準語》(表情が)険しい。しかつめらしい。
《用例》「花ちゃんのお父さんが、むつかしげな顔して、歩いとんなったで。おまい、花ちゃんに、なんぞ、しただか?」(花ちゃんのお父さんが、険しい顔をして歩いておられましたよ。君、花ちゃんに何かしたのか?)。

むらう (「もらう【貰う】」の訛り)
《品詞》動詞
《標準語》もらう
《用例》「これ、花ちゃんにむらった」(これ、花ちゃんに貰った)。

むる
《品詞》動詞
《標準語》もる【漏る】
《用例》「なんか、むっとるで」(何か漏ってるよ)。

めーしぶって【目ーしぶって】 〔因幡方言〕 [Thanks to Mr. Kazusuke Yamane]
《標準語》目をつむって、我慢して
《用例》「この薬はにがいけど、よう効くけえめーしぶって飲みんさい」(この薬は苦いけどよく効くから、我慢して飲みなさい)。

めぐ
《品詞》動詞
《標準語》壊す、小銭にくずす[Takeshi Ohmoriさんに感謝!]
《用例》「窓ガラスをめえだのは、おまいか?」(ガラスを壊したのは、お前か)。
《用例》「この一万円、千円にめえでごし ならかえ?」(この一万円札を千円札にくずしてくださいませんか?)
《参照》動詞活用表(めぐ)

めげる
《品詞》動詞
《標準語》壊れる
《用例》「このおもちゃ、めげとるけえいけんがな」(このおもちゃは、壊れてるから、いけませんよ)。
《用例》「このコップは、めげやすい、気いつけや」(このコップは壊れやすいから、気をつけろよ)。
《独白》「めげる」は、標準語のようです。どの辞書にも載っていました。

めんか【面仮】
《品詞》名詞
《標準語》お面、仮面
《用例》「どらえもんのめんか、買あてごせえ、なあ」(どらえもんのお面を買ってよ、なあ)。

めぼいた
《品詞》名詞
《標準語》ものもらい。めばちこ。
《参照》→「ほいた」。

《情報到着》araraさん(元大栄町・現北栄町出身)が、ごんべ007掲示板に次のような書き込みをしてごしなっただ。
ものもらい 投稿者:arara 投稿日:2005/06/23(Thu) 12:39 No.30276

やれ、さーしぶりです。
「めぼいた」っていーよりました。
うち のおかーちゃんは、めぼいたができると目の前で糸を結ぶふりして、なにやら呪文唱えとんなったな。
なんていーよんなっただらーか? あとできいときます
ならまた。

《メール到着》araraさんに、呪文ちゃんと聞いてごしなれ、ってお願いしましたら、わざわざ電話でお母ちゃんに確認して、メールをごしなりました。
Subject: 呪文のことです
Date: Sat, 25 Jun 2005 09:48:43 +0900

ごんべさん、おはようござんす。

わかりましたぜ、まじないが。

目の前で糸を結ぶやーなふりして唱えとんなったんは、
「出ら引っ込め 出ら引っ込め」っていいながら、
糸でほいたをむすんでちぎるやあにすっだって。

めぼいたの治しかたは、まんだあって、
櫛の柄を畳でこすってあーつにしてからめぼいたにあてると
治るともいいよんなったし、わらすぼでそでしばると治るってもいいよんなったです。

あとは、でんわしーしー がいにわらったですが、
「かぜひいたらな、近所を三軒ほどほいたすっだがな。なおっぜ。」
だって。

やーれ、朝からだらずけな電話して笑いましたわ。
なら。

めんがける
《品詞》動詞
《標準語》目掛ける、狙いをつける、目標として定める。
《用例》「あすこをめんがけていきゃあええ」(あそこを目標にして行けばいい)。

めんだーな (「めんどうな」の変化) [Thanks to Mr. Keidou Kadowaki]
《品詞》形容動詞
《標準語》面倒な

めんだがる
《品詞》動詞
《標準語》面倒くさがる。面倒がって邪険に扱う。
《用例》「めんだがらずに、あすんだれえ」(面倒がって邪険にしないで、遊んでやりなさい)。

もうひゃあ
《品詞》副詞
《標準語》もはや、もうすでに
《用例》「花ちゃんは、もうひゃあ、ハワイに着いとる頃だわなあ」(花ちゃんはもう、ハワイに着いている頃だなあ)。

もえる 〔因幡八頭方言〕 [Thanks to Mr.西郷谷の男(八頭郡河原町)]
《品詞》動詞
《標準語》嵩(かさ)が増す、増える
《用例》「井出(いで)の水がもえとる」(水路の水嵩が増している)。
《補遺》東伯耆でも「もえる」を使うようです。[Thanks to Mr. Keidou Kadowaki]

もだれ
《品詞》名詞
《標準語》軒下の雨がかからない場所。庭より少し高くなったところ(犬走りよりは広い)
《用例》「もだれに自転車、上げときなれ」

もちゃげる (もちあげる【持ち上げる】の変化)
《品詞》動詞
《標準語》持ち上げる
《用例》「重たいけえ、もちゃげれん」(重たいから、持ち上げられない)。
《用例》「はよー、しりー、もちゃげえ」(早くお尻を持ち上げなさい。なにもせずに、いつまでも、ぐずぐず座ってちゃだめですよ)。

・・もって
《品詞》接続助詞
《標準語》・・しながら(「A」しもって「B」により、Aの動作と同時にBの動作をすることを示す)
《用例》「ご飯食べもって、テレビを見る」
《用例》「歩きもって電話するだらずが、近頃多なった」と、某年寄りが言うてました。この間(1996年10月中旬)は、なんと小さい方のトイレで、隣りの男性がションベンしもって電話していました。
《補遺》Kazusuke Yamaneさんから、用例が二つ到着。これによれば、〔因幡方言〕では「・・もおって」と発音するようですね。「テレビ見もおって、ご飯食べるちゃーあなことは、いけんで」(テレビ見ながら,ご飯食べるなどということは、いけません)。「歩きもおって、お菓子食べるちゃーな、行儀がわるいで」。
《参照》・・しいしい鳥取弁における助詞の用例

もどす【戻す】
《品詞》動詞
《標準語》(元のところ、元の持ち主に)返す
《用例》「使ったら、戻いときなれよ」(使ったら、元のところに戻しておきなさいよ)。
《用例》「こないだ貸したった本、戻いてごせいや」(この間貸してやった本を、返してくれよ)。
《参照》動詞活用表(戻す)

もとる [Thanks to Mr.谷岡昌範]
《品詞》動詞
《標準語》(主に「口がもとる」の形で)、口が達者だ
《用例》「あいつは、口だけはようもとる」(あいつは口だけは達者だ)。
《補足》誉めるときには使わない。

もどる【戻る】
《品詞》動詞
《標準語》(別の場所からこの場所へ)帰る
《用例》「花ちゃんは、まんだ戻って来ならんだかえ?」(花ちゃんはまだ帰って来られないのですか)。
《「戻る」と「往ぬる」》「戻る」は、話者が今いる場所へ他の場所から誰かが帰って来る場合に用い、「往ぬる」は、話者が今いる場所から別の元いた場所へ誰かが帰って行く場合に用いる。
《参照》いぬる動詞活用表(戻る)動詞活用表(いぬる)

もの [Thanks to Mr. Kazusuke Yamane]
《品詞》名詞
《標準語》(皮膚にできる化膿した・化膿しそうな)できもの、おでき。
《用例》「ケツにものができて、いちゃあ」(お尻にできものができて、痛い)。
《追加情報》因幡地方では、「もの」は「蚊にさされてできるようなポッチ」のイメージだそうです。

ももしる [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》動詞
《標準語》小さくもみちぎる。もむ
《参照》ももちゃぐる

ももたぶら
《品詞》名詞
《標準語》ふともも【太腿】

ももちゃぐる [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》動詞
《標準語》(紙などを)小さくくちゃくちゃに丸める、小さくもみちぎる
《用例》〔ワンパターンのご当地駄作推理小説「鳥取弁殺人事件」の一シーン風〕「デカ長、ももちゃぐったこがな紙切れが、ガイシャのひちべの下にあったぞいな」(デカ長、小さくクチャクチャに丸めたこんな紙切れが、被害者のお尻の下にありましたよ)。
《参照》ももしる

もやいやこ (単に「もやい」とも) [Thanks to Keidou Kadowaki]
《品詞》名詞
《意味》材料を持ち寄り煮炊きして一緒に食事をすること
《参照》やこ

もん (「もの【物】」「もの【者】」の変化。「むん」とも言う)
《品詞》名詞
《標準語》物、者
《用例》「ええもん、やらかあ」(いい物をやろうか)。
《用例》「買いもんに、行って来る」(買い物に行ってきます)。
《用例》「なんか、食うもんない?」(何か食べるものない?)。
《用例》「ゴジラはええむんで、アンギラスはわるむん」(ゴジラは善玉、アンギラスは悪玉)。
《用例》「こりゃ、なんちゅうむんだいな」(これは何という物ですか?)。

もんば
《品詞》名詞。
《標準語》?。〔海草の名前〕
《求む情報!》もんばの正式な名前。おいしい食べ方。
《情報その1》1999/05/08 (土)08:21、araraさんからの(お母さんの)情報。
おかあちゃんに電話して聞きました。『もんばちゃ「もぞく」みちゃーなむんで、横しに毛が生えとるが。丸でなーて 平ただーで。いまは売っとらんな、見たことにゃーわ。浜行きゃ拾えるが。欲しーか?』とのお答えでした。正式には何というのか…不明です。(^^ゞ


ご意見、ご感想(こがなんもあるがな・これは違うがな・こがなんはいらんがななどなど)はこちらへ

このページのトップへ