さあし (「さあしこと」とも) [Thanks to Mr. 森本 拓]
《品詞》副詞
《標準語》長い間、しばらく
《用例》「花ちゃん、どがしとっだいやさあし見とらんなあ」(花ちゃんはどうしているんだい。しばらく見ていないなあ)。

さあしぶり [Thanks to Mr. 尾崎憲治(大栄町出身)]
《品詞》名詞
《標準語》久し振り
《用例》「さーしぶりに、花ちゃんにああたぜ」(久し振りに、花ちゃんに会ったよ)。
《用例》「さーしぶりだがな。どこ行くだいや」(久し振りだね。どこに行くんだい)。
《用例》「さーしぶりに、飲みに行かいや」(久し振りに飲みに行こうよ)。

さーでに 〔因幡方言〕 [Thanks to Mr. Kazusuke Yamane]
《品詞》副詞
《標準語》すぐに、じきに
《用例》「カズスケは、さーでに帰ってきましょうで、上がって待っとってつかんせえ」(カズスケは、もうすぐ帰ってきますから、家に上がって待っていてください)。
《k sakamotoさんからの追加情報》旧八頭郡では、「そーでに」とも言います。(2012/08/13)

・・さあな
《品詞》伝聞の助動詞
《標準語》・・だそうな、・・らしい
《用例》「あの二人は、別れるさあな」(あの二人は、別れるそうです)。
《用例》「花ちゃんのおじいさんが、死にさげなさあなが、どがなだいな」(花ちゃんの家のおじいさんが死にそうだそうですが、どんな具合ですか)。
《参照》鳥取弁における助動詞の用例

さあなあ
《品詞》間投詞
《標準語》(わからないこと、答えにくいことを尋ねられた時の、さしあたっての返事。返答をはぐらかしたり、ためらうときに発する語)さあ。いや、なに。ええと。そうだなあ。
《関西弁》そやなあ

さあなこと [Thanks to Mr.谷岡昌範]
《品詞》連語。「さあな」+「こと」。助詞の「は」が下接すると、「さあなこた(あ)」となる。
《標準語》そのようなこと
《用例》「さあなこたあ、聞いとらんですぜ」(そのようなことは聞いていませんよ)。

さい [Thanks to カッタさん(倉吉市在住)]
《品詞》「さいーっと(する・した)」の形で、副詞として用いられる。
《標準語》スーっと(する・した)
《用例》「なんぞ、さいーっとするもんでもごしないな」(なにか、すーっとする飲み物でもくださいな)。
カッタさんによる補足をほぼそのまま勝手に転載》「さい」は特殊な擬音で、ほぼ炭酸飲料を表現する場合に限定されます。10年後には絶滅する表現だと懸念されるため、保護の必要性を説く学者もいる……かも。
実は、短く「さい」と発音されたのを聞いたことがありません。いつでも「さい〜っとする」という具合に、語尾を伸ばして使われるようです。
では、なぜ「さい」という形で投稿したのか? これには、深い理由があるんです。炭酸飲料を飲んだ後に「ぷはぁ〜」というアクションが伴いますよね。これを「ためいき」として捉え、さらに英語の「sigh」と倉吉弁の「さい」との因果関係を究明しようとする動きが、学会内で広まりつつあるのです。倉吉・アメリカ同祖説……、今後注目を集めそうなムーヴメントになるでしょう。
えー、冗談はさておき。
地元のアマチュア・フォークグループで、「記憶喪失」というユニットがありまして、彼らの持ち歌に「倉吉のおばさん」という爆笑ものの飛び道具があります。ステージの上で、やおらピンクのかっぽう着を着て(何と言うんですか、あの小さなツバのついた白い農業用のずきんのような)アレをかぶって、約10分間、延々とワンコードをかき鳴らし、オバチャン言葉でまくし立てるという卑怯な歌です(笑)。こちらへお立ち寄りの際は、是非ともお聞きになられることをオススメいたします。なまなかな腹の皮では、とてもではないけれど持ちませんっ!

さいや (「さあいや」とも) [Thanks to Mr. 森本 拓]
《品詞》間投詞?
《標準語》(相づちに用いる。相手の発言に同感の意を示した上で、更に会話を進める場合に、ごんべは使用した)そうだよ。そのとおりだよ。そうなんだよ。
《用例》「花ちゃん、きれえになったがな」「さいや、なんでだらあかいなあ」(花ちゃんは奇麗になったなあ)(そうなんだ、どうしてなんだろうね)。
《補遺》さいな、さあいななどとも言う。女性はほとんどこちらを使う。
《ごんべの蛇足》相づちで思い出しましたが、マラソン解説の宗猛さんの相づちの口癖は、「そうですねえ」なんですが、自分の名前に影響されたのか知らん?

さがい
《品詞》形容詞
《標準語》(道の)傾斜が急である、(道が)けわしい
《用例》「さがい道だなあ」「すぐなるうなるけ」(傾斜が急な道だなあ)(すぐ平坦な道になるからね)。
《反対語》なるい

さかくれ [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》名詞
《標準語》爪の生え際の皮膚が荒れて、小さく起きたもの。さかむけ、ささくれ。

さかし【逆し】
《品詞》名詞
《標準語》さかさま、逆
《用例》「そら、さかしだがな」(それは逆だよ)。
《用例》「長靴、さかしにして、ほいといてごせ」(長靴を天地逆さまにして干しておいてくれ)。

さくい [Thanks to 泊村誌]
《品詞》形容詞
《標準語》もろい。壊れやすい
《用例》「ここらへんの岩は、さくいけえ、用心せえや」(このあたりの岩はもろくて壊れやすいから、用心しろよ)。

さし【差し・指し】
《品詞》名詞
《標準語》物差し。定規。
《用例》「さし忘れたけ、線が引けへん」(定規を忘れたので、線が引けない)。
《用例》「30センチざし買あてきてごせいや」(30センチの定規を買ってきてくれよ)。

さしくる [Thanks to Mr. Keidou Kadowaki]
《品詞》動詞
《標準語》やりくりする。ちょろまかす。都合よく処理する
《用例》「忙しからあけど、さしくって田植えのてごしていな」(忙しいでしょうが、やりくりして、田植えの手伝いをしてくれませんか)。

さじっぽ
《品詞》名詞。
《標準語》イタドリ(虎杖)。タデ科タデ属の植物。学名、Polygonum cuspidatum。若い芽は酸味があり、皮をむいて生で食べたり、塩漬けにして保存食にする。
《記憶》ごんべは、かっぽんしんじゃと呼んでいたような……。春の季節、野山でよくおやつがわりに食べました。
《参照》しんじゃ

さしゅう (「さしいこと」とも) 〔因幡八頭方言〕 [Thanks to Mr.西郷谷の男(八頭郡河原町)]
《品詞》副詞。「久しく」の変化であろう。
《標準語》長い間
《用例》「あんたさしゅう(さしいこと)見なんだけど、何処に行っとっただいな」(あなたは長い間姿を見せなかったのだけど、どこに行ってたんですか)。

さでくりおちる [Thanks to Mr. Keidou Kadowaki]
《品詞》動詞
《標準語》(豪快に)落ちる。転げ落ちる。滑り落ちる

さでくる
《品詞》動詞
《標準語》滑る。滑り落ちる。

さばる
《品詞》動詞
《標準語》つかまる。触る
《用例》「花ちゃん、あぶない、そこ、さばっとんなれ」(花ちゃん、危ないから、そこにつかまっていなさい)。
《用例》「そがなとこ、さばんなんな」(そんなところに触らないでください)。
《参照》動詞活用表(さばる)

さぶい [Thanks to Mr. Kazusuke Yamane]
《品詞》形容詞
《標準語》寒い
《用例》「つくばはさぶーて、風邪をひいちゃいました」(つくばは寒くて、風邪をひいてしまいました)。
《用例》「さぶからあに、なんで冬、山にのぼっだあ」(寒いだろうに、どうして冬に山に登るのですか)。
《用例−推量》「北海道は、さぶからーなあ」(北海道は、寒いだろうなあ)。
《用例−様態》「あのこ、さぶ げななあ」(あのこ、寒そうだね)。
《補遺》鳥取弁では、「む」を「ぶ」に置き換える傾向があるようです。「煙たい」→「けぶたい」、「眠たい」→「ねぶたい」、「狭い」→「せばい」
《判明》上記の「む」→「ぶ」変化説は間違いでした。「ぶ」の方が先祖で、「む」の方が新参者。

さぶいぼ (「さぶこ」「さぶさぶ」とも) [Thanks to Mr. Kazusuke Yamane]
《品詞》名詞
《標準語》鳥肌
《補遺》〔東伯耆方言〕では、さぶさぶの方が優勢かも知れません。

さめちゃ【冷め茶】 [Thanks to みわこさん&あいこさん]
《品詞》名詞
《標準語》冷めたお茶(主に番茶)
《用例》「なぁ、なんかのどが乾いたわ。さめちゃかなんか、なんぞないかえ?」「ビールなら、あっぜ」(ねえ、何かのどが渇いたわ。冷めた番茶かなんか、ない?)(ビールならあるよ)。

さらかう 〔因幡八頭方言〕 [Thanks to Mr.西郷谷の男(八頭郡河原町)]
《品詞》動詞
《標準語》いじめる
《西郷谷の男さんの思い出》幼少の頃、妹をよく泣かしていた私は、祖父に見つかる度に「さらかっちゃあいけん」(いじめてはいけない)と叱られたものです。

さんだんする【算段する】
《品詞》動詞。
《標準語》探して用意する。探し回って準備する。
《用例》「ま、そら、区長さんに算段してむらわい」(まあそれは、区長さんに探してもらいましょう)。


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