こいい【濃いい】
《品詞》形容詞
《標準語》濃い、血縁が近い
《用例》「ちょっと、味、こいいなあ」(ちょっと、味が濃いな)。
《用例》「上(かみ)とは、こいいおやこ」(上手の家とは、近い親戚です)。

こいから
《品詞》副詞。
《標準語》これから。
《用例》「いつ行くだあ」「こいから」(いつ行くの?)(これからよ)

ごうがわく【業が沸く】 [Thanks to Mr. 森本 拓]
《品詞》連語。名詞「ごう」+助詞「が」+動詞「沸く」
《標準語》腹が立つ。「業を煮やす」「業を沸かす」というのは辞書にありますから、「業が沸く」もひょっとして標準語かな。

こうこ
《品詞》名詞
《標準語》漬物
《用例》「キュウリのこうこ」「なすびのこうこ」「かんらんこうこ」「白菜のこうこ
《補足》某さんからの情報。 「こうこ」は、大根の漬け物だけをいい、 他の一般的な漬け物は「つけもん」というのだそうです。とすると、上記の用例は、ぜーんぶ間違いかなあ。
《補足》「西郷谷の男さん」の実家(八頭郡河原町)でも、「こうこ」と言えば大根の漬物を指すそうです。

こうじく [Thanks to 土井さん]
《品詞》名詞(形容動詞)
《標準語》〔因幡方言〕丁寧(な)
《用例》「こうじくな仕事」(丁寧な仕事)。
《用例》「そげに こうじくにせんでもええ 」(そんなに丁寧にしなくてもいいよ)。
*
《ごんべ追記 2011/02》土井さんには「だいつう」という言葉も教えていただきました。

こうぼいも【弘法芋?】 [Thanks to 倉吉市民 Ms.akimoto]
《品詞》名詞
《標準語》ジャガイモ。

こえる【肥える】
《品詞》動詞
《標準語》太る。ほとんど「こえる」も標準語ですね。
《用例》「ちいと肥えたけえ、ダイエットしょう」(ちょっと太ったから、ダイエットしよう)。
《用例》「宮沢りえちゃんは、肥え気味のほうがええなあ」(宮沢りえちゃんは、太り気味のほうがいいなあ)。
《用例》「あのよう肥えたタレント女優は、なんでやせんだあ」(あのよく太ったタレント女優は、なぜ痩せないんだい)。太っているのだけが取り柄だったりして・・。
《参照》動詞活用表(こえる)

こかす
《品詞》他動詞。(自動詞は「こける」)
《標準語》倒す。転ばす。
《用例》「相撲は、相手をこかすと勝ち」(相撲は、相手をころばすと勝ちです)。
《用例》「舞の海が、貴乃花をこかいた」(舞の海が貴乃花を転ばした)。
《蛇足》連用形は「イ音便」化する。「こかしたら」→「こかいたら」。「こかしたった」→「こかいたった」。

こがな、こがいな、こげな
《品詞》形容動詞の連体形
《標準語》こんな、このような
《用例》「ありゃ、もう、こがな時間かいな」(あらあら、もうこんな時間なんですか)。
《用例》「ようこがな立派なもんができたなあ」(よくこんな立派な物ができたなあ)。
《用例》「こがな人、知らんで」(こんな人、知りません)。
《用例》「こがな写真、よう撮りなったなあ」(よくこんな写真を撮りましたね)。
《参照》鳥取弁におけるこそあど体系

こがなん
《品詞》形容動詞「こがな」+名詞「もの」の変化
《標準語》こんなの、このような物
《用例》「こがなん、捨てなれ」(こんな物は、捨てなさい)。
《用例》「こがなん、すかん」(こんなの、きらい)。
《参照》あがなんそがなん鳥取弁におけるこそあど体系

こがに、こがいに、こげに
《品詞》形容動詞の連用形
《標準語》こんなに、このように、こんなふうに
《用例》「貸してみいや、こがにいすっだがな」(貸してみろよ、このようにするんだよ)。
《用例》「こがいに立派になったけえなあ」(こんなに立派になったからなあ)。
《参照》鳥取弁におけるこそあど体系

こがにい (「こうにい」とも)
《品詞》副詞。「こどあど」の近称。
《標準語》こういう風に。
《用例》「これ、どがにいするぅ? こがにいでええかえ?」「そがにいは、いけんわい。あがにいしなれ」(これ、どういう風にするの? こういう風でいい?)(そういう風にはだめだよ。ああいう風にしなさい)。
《補遺》中称は「そうにい、そがにい」、遠称は「ああにい、あがにい」、不定称は「どうにい、どがにい」
《参照》鳥取弁におけるこそあど体系

こぎる
《品詞》動詞
《標準語》値切る
《用例》「これ、こぎって千円で買あてきたわい」(これを値切って千円で買ってきましたよ)。
《蛇足》そう言えば、むかし、東伯町釛(こがね)の郵便局の隣に、「こぎれや」っちゅう雑貨屋兼文房具屋があった。「こぎる」とは関係なさそうだけど。ごんべは、中学校(廃校になった聖郷中学校[校歌はここ]。なんと、グラウンドも体育館もなかった)の通学の帰り、文房具や竹ひごで作る模型飛行機などを買いによく寄ったものだ。
この中学の裏山に、統合された小学校の新校舎ができることになり、自衛隊が演習の一環として派遣されて来て、山を崩して整地を始めていた。残土は中学校側の斜面に無神経に落とされ、崩落防止対策は何も取られていなかったようだ。
ごんべの中学卒業式直後の春休み中、この土砂が折りからの集中豪雨で崩れ、中学校の倉庫と炊事場を押しつぶした。その日、ごんべの好きだった家庭科のM先生が日直勤務中で、その土砂に埋まって死んだ。彼女はまだ離乳していない赤ちゃんを連れて出勤していて、赤ちゃんだけを職員室に残し、自分は炊事場でミルクを作っていたらしい。その夕方、宿直交替のために出勤してきた某先生が、職員室で泣いている赤ちゃんを見つけて、大騒ぎになった。
その夜、雨中の救出活動の現場前の道を、父と通り過ぎた。
山(要害山?)の上の小学校は、老朽化したためかどうか、現在は空き家だそうだ。別の広い場所に、立派な新校舎が建っている。

・・こく
《品詞》動詞
《標準語》(感心しない行為を)する、実行する
《用例》「まんだだらずこいとっだか、おまいは」(まだ、馬鹿抜かしているのか、お前は)。
《用例》ほかに「えんたこく」「とっぱあこく」「だらずこく」「かばちこく」「屁をこく」など。
《参照》動詞活用表(こく)

こぐちから【小口から】
《品詞》副詞
《標準語》片っ端から
《用例》「こぐちからすら、すぐ済むわいや」(片っ端からやれば、すぐ済むよ)。

ここいら
《品詞》代名詞
《標準語》(時間的に・場所的に)このへん
《用例》「ここいらで、 たばこしょう」(このへんで、休憩しよう)。
《用例》「ここいらに、置いといて ごせ」(このへんに、置いといてくれ)。
《補遺》「こそあど」で、近称の「ここいら」、中称の「そこいら」、不定称の「どこいら」はよく使いますが、遠称の「あこいら」はあまり使わないようです。

こごむ [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》動詞
《標準語》かがむ

こさえる (「こしらえる【拵える】」の訛り)
《品詞》動詞
《標準語》作る、建設する
《用例》「とうちゃん、宿題の工作こさえるの、てごしてごしなれ」(お父さん、宿題の工作を作るのを、手伝ってください)。
《用例》「今こさえとる橋できたら、便利になりますなあ」(今建設中の橋ができたら、便利になりますねえ)。
《参照》動詞活用表(こさえる)

こさげる
《品詞》動詞
《標準語》(削り取るように全部)残りなくさらえる、掻きさらえる
《用例》「パエリアは焦げたとこが一番うまいけ、みんなこさげて食べちゃわい」(パエリアはお焦げが一番おいしいから、全部残さず食べてしまおうよ)。
《類語》「こさげおとす」(全部残さず削り落とす)

こしかけ【腰掛け】
《品詞》名詞
《標準語》椅子
《用例》「こしかけに、腰掛ける」(椅子に腰をおろす)。

ごしなれ、ごしない [Thanks to Mr. Kanji Kishimoto ]
《品詞》連語。動詞「ごす」の未然形+鳥取弁助動詞「なる」の命令形
《標準語》ください
《用例》「これ、ごしなれごしない)」(これ、ください)。
《蛇足》「な」「や」が語尾について、「ごしないな」「ごしないや」等の形でも。
《用例》ごす・・なれ

こしょう
《品詞》名詞
《標準語》ピーマン。とうがらしの甘み種
《用例》「きょうのおさいは、こしょうの焼いたん」(きょうのおかずは、ピーマンの焼いたもの)。
《蛇足》ピーマンって、英語かと思ってたら、違うんですねえ。英語は「a green pepper」と言うそうです。
《参照》てんとごしょう

こしらえる
《情報西郷谷の男さんより》〔因幡八頭方言〕で、こしらえるは、「身支度をする(何処かに出掛けるときなど)」の意。
《参照》こさえる

ごす
《品詞》動詞
《標準語》呉れる
《敬語的表現》ごしなる
《用例》「これ、花ちゃんが、ごいた」(これは、花ちゃんが、呉れた)。
《用例》「先生が、ごしなった」(先生がくださいました)。
《用例》「ようごしなってなあ」(よくくださいました=ありがとう)〔これは死語かも〕
《用例・命令形》「それ、ごせ」(それをくれ)。「電話してごせ」(電話してくれ)。
《用例・命令形敬語的表現》「手紙ごしなれ」(手紙をください)。「電話してごしなれ」(電話をしてください)。
《参照》動詞活用表(ごす)

ごせいや
《品詞》連語。動詞「ごす」の命令形「ごせ」+終助詞?「いや」
《標準語》(主に男性が使う命令語)くれ。・・してくれ。「ごせ」よりは、幾分柔らかい表現になる。(丁寧に言う場合とか、女性の場合は「ごしなれ」「ごしなれな」を使う)
《用例》「酒一升、ごせいや」(お酒を1.8リットルくれ)。
《用例》「ちいと、だまっとってごせいや」(ちょっと、黙っていてくれないか)。
《用例》「もうせんけー、こらいてごせいや」(もうしないから、許してくれよ)。
《参照》ごす・・いやごしなれ

こだむ [Thanks to Mr.西郷谷の男(八頭郡河原町)]
《品詞》動詞
《標準語》(薪割、剪定、枝打ちなどのとき)薪、枝、小枝などを集めて縛る。
《参照》〔東伯方言〕のいわえる

こだらかす
《品詞》動詞
《標準語》おだてて動かす、うまくあやつる、うまくだます、上手になだめる
《用例》「これ、花ちゃんを、こだらかして、さしたらあ」(これは、花ちゃんを、うまいことおだてて、させてやろう)。
《参照》動詞活用表(こだらかす)

こっだけ(1) [Thanks to 東郷町誌]
《品詞》連語。代名詞「これ」+助動詞「だ」+助詞「け」の変化
《標準語》これだから
《アクセント》こっ
《用例》「近頃のわきゃあむんは、こっだけなあ」(最近の若い者は、これだからなあ)。
《類語》「あっけ」(あれだから)、「そっけ」(それだから)。

こっだけ(2) (「こっだき」とも) [Thanks to 東郷町誌]
《品詞》連語。代名詞「これ」+助詞「だけ」の変化
《標準語》これだけ。これぽっち
《アクセント》こっだ
《用例》「こっだけしかにゃあ」(これだけしかない)。
《類語》「あっだ」(あれだけ)、「そっだ」(それだけ)。
《蛇足》なお「あっだけ」にはもう一つ、動詞「有る」+助動詞「だ」+助詞「け」の変化形の「っだけ」(有るから)がっだけ。

ごっちゃ(1) (「ひだりごっちゃ」とも) [Thanks to Mr.谷岡昌範]
《品詞》名詞
《標準語》左利き
《補遺》「ぎっちょ」の方がずーっと優勢。

ごっちゃ(2)
《品詞》名詞
《標準語》ごたまぜ。整理してある状態を崩すこと
《用例》「これ、いごかしたらいけんで。ごっちゃにしたら、いけんで」(これを動かしたらいけないよ。ごたまぜにしたら、いけないよ)。

ごっつい [Thanks to Mr. 森本 拓]
《品詞》副詞
《標準語》すごく、非常に
《森本さんの説明》関西弁だと「ごっつ」「ごっつう」「ごっつい」でしょうが、鳥取では「ごっつい」だけ。「がいに」は全く使いませんでした。「わったい」は、うちの弟は使ってましたが・・。世代によってはやりがあるんでしょう。いま、一番鳥取弁を感じることばが、「ごっつい」「だっちゃ」「めぐ」ですね。

ごっつぉう (ごちそう【御馳走】の変化。「ごっつぉ」とも)
《品詞》名詞
《標準語》ごちそう
《用例》「今日は、ごっつぉうだがな。 なんでだいや」(今日は、ごちそうじゃないか。どうしてだい)。

《メール到着》 「ごっつぉ」の用例について、Y.Ichikawaさんからメールを頂きました。(2004/01/20)
《一番よく使われるパターン》
「はやいがごっつぉ」(はやいほうがいい)
《応用編》
「……がごっつぉ」(……のほうがよい)

なお、「ごっつぉ」の用例ですが、「はやいがごっつぉ」以外には、あまり使わなかったと思いますが、「安いがごっつぉ」は言っていた記憶があります。
「きれいがごっつぉ」「やさしいがごっつぉ」「たのしいがごっつぉ」等とは、言ったこともないし聞いたこともありません。またもともとの用法は腹が減っている場合には、とにかく早く出すのがご馳走だ、という意味だと思います。

1954年倉吉生まれですが、大学に入って以来東京で暮らしています。したがってもう東京にきて30年以上になります。しかし、家内も倉吉出身であることから、また両親が倉吉に健在であることから、何とか倉吉弁を話せる環境にあります。。

こって
《品詞》名詞
《標準語》雄の牛、牡牛
《反対語》雌の牛、牝牛は「おなめ

こっで [Thanks to 倉吉市誌]
《品詞》連語。「これ」+「で」の変化。
《標準語》これで
《用例》「まあ、こっで最後だ、しっかり勉強しょいのう」(まあこれでさいごだから、しっかり勉強をしようね)。
《用例》「こっでお開きかいな」(これでお開きですか?、なあんだ)。

こと [Thanks to 中西啓二さん(赤碕町出身)]
《品詞》名詞
《標準語》〔魚〕ほうぼう。ホウボウ科の魚。海底に住み、赤紫色の胸鰭で、這って歩く。食用。
《東伯郡赤碕町……中西さんのメールから抜粋》ご存知と思われますが、赤碕は漁師町であり、魚に関係する言葉が豊富です。また、赤碕は西伯郡に隣接していますので、西伯方言と似通った単語や文法も若干見られます(基本的には東伯方言ですが)。

こないだ
《品詞》名詞。(副詞的用法)
《標準語》この間。
《用例》「こないだ、大山に行っただがな・・」(この間、大山に行きましたんですがね・・・)。

こば 〔因幡八頭方言〕 [Thanks to Mr.西郷谷の男(八頭郡河原町)]
《品詞》名詞
《標準語》わき、傍(そば)
《用例》「その穴のこばに置いとけえ」(その穴のそばに置いておけ)。この言葉は「近く」を意味する『ねき』とはニュアンスが異なります。

こばやに【小早に】 [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》副詞
《標準語》少し早めに
《用例》「今日の会議は小早に仕舞わい」(今日の会議は少し早めに終わろう)

こばらがすく【小腹が空く】 [Thanks to Mr. Keidou Kadowaki]
《品詞》動詞
《標準語》少しお腹が空く
《用例》「こばらがすいたわい。芋でも焼いてごせいや」(少しおなかがすいたよ。薩摩イモでも焼いてくれないか)。

こばる 〔因幡八頭方言〕 [Thanks to Mr.西郷谷の男(八頭郡河原町)]
《品詞》動詞
《標準語》仕事が終わらない、滞っている
《用例》「稲こきがこばっとる」(稲の脱穀が予定どおりに終わっていない)。

ごぶ
《品詞》名詞
《標準語》夏ぐみ(植物)
《訂正》「春ぐみなんてありませんよ。夏ぐみの間違いではないですか」と、ご指摘いただきました。はい、「夏ぐみ」です。すみません、訂正します。
《参照》あさどり

こぶい [Thanks to Mr.谷岡昌範]
《品詞》形容詞
《標準語》計算高い知識を働かせる、けちな
《用例》「あの人はこぶいけなあ。まあそっで金もあっだけどなあ」(あの人はけちだからなあ。まあそれでお金もあるわけだけどなあ)。

こぶら
《品詞》名詞
《標準語》ふくらはぎ、こむら
《用例》「こぶらがえりで、痛い、痛い」

こぼす
《品詞》動詞
《標準語》解体する。取り壊す
《用例》「もう家え、こぼいちゃっただかいや」(もう家を解体してしまったのかい)。
《用例》「あぶにゃあけえ、この倉庫は、こぼさい」(危険だから、この倉庫は取り壊そう)。
《補遺》「家こぼし」(家の解体)。「こぼし」(解体業者、解体すること)。

こまい
《品詞》形容詞
《標準語》小さい、細かい
《用例》「このスイカ、ちいとこまい」(このスイカは、少し小さいぜ)。
《宣伝》スイカは、玉が大きくて、皮が薄くて、甘くておいしい大栄スイカをどうぞ。東伯スイカって、あったっけ?
《参照》がいな

こまざらい
《品詞》名詞
《標準語》熊手

こまに、こまあに
《品詞》副詞
《標準語》細かく
《用例》「もうちいとこまあに切らないけん」(もう少し、細かく切らないとだめ)。

こみゃあぜ【来みゃあぜ】 [Thanks to 東郷町誌]
《品詞》連語。動詞「来」+助動詞「みゃあ」+助詞「ぜ」
《標準語》来ないだろう
《用例》「花ちゃんは来みゃあぜ」「なんでえ?」(花ちゃんは来ないだろう)(どうして?)。
《補遺》「こみゃあぜ」の同音異義語に、形容詞「こみゃあ」+助詞「ぜ」(小さいぞ)がある。

・・ごめ
《品詞》接尾語
《標準語》・・といっしょに、・・ごと、・・とともに
《用例》「へえ!、おまいは、ミカンを皮ごめ食うだかいや」(へえ、君はミカンを皮ごと食べるのかい)。

こもこもさん (単に「こもこも」とも)
《品詞》名詞
《標準語》蟻地獄(ウスバカゲロウの幼虫)
《捕獲方法》
(1)まず、縁の下とか、軒下の乾いた土(ほこりっぽい土を好む)のところを探して、こもこもさんのすり鉢状の穴を見つける。
(2)次に、松の枯れ葉とか、小さい枝などを用いて、すり鉢状の穴の縁の辺の砂を少しずつ、慎重に穴底に落としてやる。
(3)そうすると、虫が引っかかったと思ってこもこもさんは、穴底から姿を現して砂を撥ね上げ始めるので、捕まえる。ただし、(2)は、次のような歌を歌いながら行うこと。
こもこもさーんこもこもさん、留守ですか、うちですか」
《補遺》因幡八頭郡では「こもこも、こぼこぼ」、因幡岩美郡・気高郡では「ももんじょ」、東伯郡では「こもこも、こもこもさん、ももんじゃ」、伯耆西伯郡・日野郡では「こもこも、こもこもさん」といいます。

こやかす【肥やかす】 [Thanks to Mr.谷岡昌範]
《品詞》動詞
《用例》太らせる
《用例》「この牛は、もうちいとこやかいてから売っだ」(この牛は、もうすこし太らせてから売るんだ)。

こら、こらあ、こりゃ、こりゃあ
《品詞》連語。代名詞「これ」+係助詞「」の融合
《標準語》これは
《用例》「こら、なんだあ」(これは、なんだい?)。
《参照》あらそら

こらえてごしなれ
《標準語》ごめんなさい
《用例》「こらえてごしなれ」(ごめんなさい)。
《蛇足》語尾が変化して「こらいてごしない」。
《参照》ごしなれ

こらえる【堪える】
《品詞》動詞
《標準語》許す(我慢する、耐える、という意味にも勿論使う)

ごろくと
《品詞》名詞
《標準語》ふくろう【梟】
《鳴き声》「ごろくとほうほう」

こんだ (「こんどは」の変化)
《標準語》今度は
《用例》「こんだ、俺の番だわい」(今度は、僕の番だぜ)。

ごんたーこく (「ごんぞうこく」とも) [Thanks to Mr.谷岡昌範]
《品詞》動詞
《標準語》暴れる、乱暴する。怒りの感情をすぐ表に出す。
《用例》「ごんべが、がっこでまたごんたーこいて、廊下に立たされたさあな」(ごんべが学校でまた乱暴をして、廊下に立たされたそうだよ)。

こんな [Thanks to 中西啓二さん(赤碕町出身)]
《品詞》人称代名詞。
《標準語》この人。人を指す際の多少敬意のこもった表現。〔赤碕町以西で使用か?〕 《参照》そんなあんなどんな
《補遺》中西さんは現在広島在住ですが、この表現は広島でも使われているそうです。(ごんべ独白:東伯町では聞いたことがなかった)

ごんぼ
《品詞》名詞
《標準語》ごぼう(根菜)。きく科の越年性植物
《母の口癖》「ごんぼの切り口、尻(けつ)の穴、みかんの切り口、菊の花」。これは、ごんぼに対する差別ではないかな。
《エンドレスしりとり(1)》「ごんぼ、ぼうふら(蚊の幼虫なのか、カボチャのことなのか、不明)、らっきょ、きょうす(将棋の香車)、すかべ、べんとう、とうふ、ふんだ(踏んだ)、だんご、ごんぼ、ぼうふら・・・とエンドレス」。これも、出所は母親。
《エンドレスしりとり(2)》「すずめ、めじろ、ロシヤ、野蛮国、クロポトキン、金玉、まわし、しめた、高ジャッポ、ポン槍、陸軍の、乃木さんが、凱旋す、すずめ・・・」。日露戦争直後に流行ったということだ。これも、出所は母親。
《エンドレスしりとり(2)の補遺(98/12/16>》和歌山県有田郡清水町出身の手島さん(ギャラリーDenの主宰者)は、「すずめ、めじろ、ロシヤ、野蛮国、クロポトキン、金玉、まっからふ、ふんどし、白シャッポ、ポン槍、陸軍の、乃木さんが、凱旋す、すずめ・・・」と言っていたそうです。地方によって違うんだなあ!
《母の雑学》平成8年春に亡くなったごんべの母親は、役に立たないことはよく知っていた。 彼女は、東京で慶応病院の看護婦(平成14年2月からは、「看護師」って言うことになったそうだ)をしていた二十歳の頃(昭和10年前後)に覚えたという「ああ玉杯に花うけて」「紅萌ゆる岡の花」「都ぞ弥生」「若き血」「早稲田大学校歌」「明治大学校歌」などを、ごんべの小さい時分に、よく歌っていたものだった。
そんなわけで、ごんべは今でも「ちみもうりょうも、かげひそめ」や「ゆうべはたどる、ほくめいの」や「ようぐんこえなく、ぼくしゃにかえり」や「みよ、せいえいの、つどうところ」や「かがやくわれらが、ゆくてをみよや」などと、そらで歌えたりするのである。なお、上記アンダーラインのついた寮歌等は、ごんべ007の「なつかしい童謡・唱歌・わらべ歌・寮歌」をご覧ください。


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