・・に
《品詞》逆接的前提の接続助詞
《標準語》・・のに、・・なのに。(期待に反した結果を悔やむ表現。終助詞的な用法が多い)。軽い意味の「・・なのよ」の用法もあるようだ。
《用例》「せっかくここ勉強しとった、試験に出なんだ」(せっかくここを勉強していたのに、試験に出なかった)。
《用例》「おちゃあ、知らなんだ」(私、知らなかったわあ、残念)
《用例》「寄ってごしなったら、よかった」(寄ってくださったらよかったのに、水くさいわねえ)
《用例》「花ちゃんが、こがに はや 嫁さんいきなるって、思っとらなんだ」(花ちゃんが、こんなに早く結婚されるとは、思ってもいなかったのに)。
《参照》鳥取弁における助詞の用例

にがりばら【にがり腹】 [Thanks to Mr. Keidou Kadowaki]
《品詞》名詞
《標準語》腹痛の一種(胃痛ではなく、下痢の痛さに近い)。「にがる」ときの腹の状態
《用例》「なんべんも、便所に行きなるなあ」「にがりばらだって」
《参照》にがる

にがる
《品詞》動詞
《標準語》(胃や腹が)ずしーんと鈍く痛む
《用例》「なんだか今日は、腹がにがるわ」「薬飲んどきなれ」
《蛇足》痛みを表現する動詞には、「はしる(皮膚の表面に近い部分がヒリヒリ痛む)」「にがる」「うずく(皮膚の表面から深い部分がズキンズキンと痛む)」の三つがある。他にもあったっけ?
《参照》はしる

にき (「ねき」とも)
《品詞》名詞
《標準語》そば(傍)
《用例》「火のにきは、あぶないけえ」(火のそばは、あぶないからね)。

にげる【逃げる】 [Thanks to Mr. 尾崎憲治(東伯郡大栄町出身)]
《品詞》動詞
《標準語》(本来の「逃げる」の意の他に)転勤する。
《尾崎憲治さんからの会話例》
「こんどうちらの先生が、逃げちゃいなるだって」(この度、私たちの担任の先生が転勤されるそうですよ)。
ほんにかぁ、ならなんぞせにゃいけんかいな」(本当ですか。それでは何かしなくてはなりませんね)。
だぁが、うちらだけでも集まらぁか」(そうですよ、私たちでも集まって(送別会)をやりましょうか)。
、そがにーしょい 」(そうですね、そうしましょう)。
《懺悔...ごめん》実は昨年の夏(1996/08/23)に、奈良県在住の岸本kanjiさんからメールで、「米子の就将小学校に転校していたとき、職員室で校長先生がにげる先生を送る・・・≠ニ言われていましたが、これは前後の言葉から、去る、つまり他校へ先生がかわるということだとおもいますが、そんな方言あるのですか」との質問に対して、ごんべは、「そんなんありません。山口県では使いますけど」と、大きな顔をして返事を出していました。ごめんなさい。訂正します。鳥取県(東伯耆)でも「逃げる」を「転勤する」という意味で使うようです。米子でも多分使うでしょう。(^^;
《蛇足》ごんべが小学生の頃、転任する先生を送る歌を歌わされました。こがなん。メロディはウロ覚えですが、単音のmidi_dataは[ここ]
積もる年月 先生の
み教え受けた 教え子は
思いも寄らぬ お別れに
涙あふるる ああ悲し

よしや袂(たもと)を 分かつとも
み教え慕う 教え子は
夢にもご恩 忘れずに
いつの日までも ああ悲し

新しい先生を迎える歌は、こがなん
新たに来ませる わが師の きみよ
きょうより うれしく 教えを受けて
花咲き 鳥鳴く 学びの園に
いざいざ 励まん 御袖(みそで)に すがりて

にしくりつける
《品詞》動詞
《標準語》なすりつける。こすって塗り付ける
《用例》「鼻くそほぜくって、柱ににしくりつけとんの、見たわいな。拭いときなれ」(鼻クソほじって、柱になすりつけているのを見たわよ。拭いておきなさい)。

になう【担う】 (「いなう」とも)
《品詞》動詞
《標準語》肩でかつぐ
《用例》「これあ重いけ、二人でになって行くがええ」(これは重いから、二人で肩でかついで行くがいい)。

にほんし【日本紙】
《品詞》名詞
《標準語》和紙
《関連語》せいようし【西洋紙】

にゃあ
《品詞》形容詞かな?
《標準語》無い、・・ない
《用例》「そがなこたにゃあ」(そんなことはない)。
《用例》「今日は、さぶにゃあ」(今日は寒くない)。

にやう (にあう【似合う】の変化)
《品詞》動詞
《標準語》似合う
《用例》「花ちゃん、その浴衣、ようにやうがな」(花ちゃん、その浴衣、よく似合うよ)。
《補遺》鳥取弁の場合、「合う(あう)、合い(あい)」のア音は「やう、やい」とヤ音に変化する場合が多い。例えば「しやい」(試合)、「みやい」(見合い)、「よりやい」(寄合い)、「ばやい」(場合)、「いいやう」(言い合う)、「たすけやう」(助け合う)。


にゅーにゃー [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》名詞
《標準語》にな【蜷】。巻き貝の一種。
《ごんべの記憶》昔、田圃にはタニシが、川にはにゅーにゃーがたくさんいました。バケツにいっぱい取ってきて、煮て食べました。そのほか、ドジョウも。最近は、農薬などのせいで、ほとんどいないのではないでしょうか。

にょうば
《品詞》名詞
《標準語》女性、おんな
《用例》「にょうばのこ」(女の子)。

にょうばおとこ
《品詞》名詞
《標準語》(やや差別的表現か)女々しい男、女のような男
《蛇足》最近は使っていないであろう。
《参照》おとこにょうば

にんげ (「にんげん」の変化)
《品詞》名詞
《標準語》人間
《追加情報[Thanks to 中西啓二さん(赤碕町出身)]赤碕では「にんげ」と使う場合、「あのにんげ」のように、共通語の「あのひと」の意味で使い(ただし、多少軽蔑した感情がはいります)、「ホモ・サピエンス」の意味ではあまり使いません。「ホモ・サピエンス」の場合は、普通「にんげん」と発音します。(ごんべ独白:うーーん、東伯町の用法も、これかも知れん)

にんじ (「にんじん」の変化)
《品詞》名詞
《標準語》にんじん【人参】。セリ科ニンジン属の2年草。野菜。学名:Daucus carota var.sativus。


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