わ行・ん


わがめ、わがめらー 〔因幡方言(気高郡重高)〕 [Thanks to Mr. Kazusuke Yamane]
《品詞》代名詞
《標準語》(あまり品のいい言葉ではない)てめえ。てめえら
《用例》「よだきい仕事ばかりごいてわがめらーは、楽しとる」(面倒な仕事ばかり押し付けて、てめえらは楽をしている)。
《補遺》東伯ではごんべは聞いたことがない。

わかれや【分れ家】 (「わかりや」とも)
《品詞》名詞
《標準語》分家
《用例》「分れ家の法事は、いつすっだいや」(分家の法事は、いつするんだい)。
《補遺》「べっけ【別家】」も同意語。

わきゃあむん [Thanks to 東郷町誌]
《品詞》連語。形容詞「わきゃあ(若い)」+名詞「むん(もの)」
《標準語》若い者
《用例》「わきゃあむんには、負けられんだけえ」(若い者らには、負けられないからね)。
《用例》「今ん頃のわきゃあむんは、こっだけ きゃあきょうさめえがな」(最近の若者は、これだからもう、あきれて物が言えないよ)。

わざっと
《品詞》副詞
《標準語》(悪意から、特に理由も無く)わざと。故意に。意図的に
《用例》「なんであがなことわざっとしたあ?」(どうしてあんなことを、わざとしたの?)。

わざに 〔因幡八頭方言〕 [Thanks to Mr.西郷谷の男(八頭郡河原町)]
《品詞》副詞
《標準語》意図的に、わざと

わすかー 〔因幡方言〕 [Thanks to Mr. Kazusuke Yamane]
《品詞》感動詞
《標準語》あれ、あれまあ、おお
《用例》「わすかー、もう宿題やっただか?」(あれー!、もう宿題をやってしまったのかい)。

わったい 〔因幡方言〕 [Thanks to Mr. Takayoshi-Suzuki]
《品詞》名詞?
《標準語》ものすごいさま、おどろくべきこと
《用例》「わったいなあ。えらいことしとるがあ」(ものすごいなあ、大変なことをしているじゃないか)。
《用例》(「わったいなや」と同様に間投詞的に)「わったいすか!」
《参照》わったいなや

わったいなや (「まったいなや」とも) 〔因幡方言〕 [Thanks to Mr. Kazusuke Yamane]
《標準語》すごい、わお、Oh Wonderful、Oh Beautiful
《用例》「わったいなや! このおおごっつぉ!」(すごい、こんな大ご馳走!)。
《用例》「わったいなや! こんなにお金送ってごして」(わお、こんなにお金を送ってくれるなんって!)。
《Yamaneさんの補遺》鳥取市に、こんな歌があるようです。まだ完全採取ではありませんが....。「鳥取名物の〜え〜、つかんせえ、ごっつい、まったいなや〜。 つい、すまんようにござんすがよう....」
《岡本大亮さん(鳥取市出身)からの情報》小学校6年生の時に米子から赴任してこられた担任の先生が、熱心に学級通信を書いておられまして、その学級通信の題が「わったいな」でした。それまでこの言葉は、あんまりどころか全く使ったことがなかったんですが、それ以来驚くときに「わったいな」って言うようになりました。いまでも福岡でよく使ってしまいます。
《参照》わったい

わっち
《品詞》代名詞
《標準語》お前ら。(品のいい言葉ではない)
《用例》「わっちゃあそがなとこで、なんしとっだいや」(お前らは、そんなところで何をしているんだ)。
《参照》おまいだち

・・わて
《品詞》副助詞
《標準語》・・ずつ
《用例》「みんなに、二つわてだあぜ」(みんなに、二つずつですよ)。
《用例》「ちいとわて、わけたらあか?」(少しずつ分けてあげようか?)。
《参照》ちいとわて鳥取弁における助詞の用例

わやく (「わやくする」「わやくる」の形が多い) [Thanks to Ms. Kumiko Tokumaru ]
《品詞》名詞・〜する
《標準語》(子供が)いじくり回すこと、いじくって遊ぶこと
《用例》「子供がわやくせんやあに、それ、しまっといてえな」(子供がいじくって遊ばないように、それを片づけておいてちょうだい)
《参照》動詞活用表(する)てわやく

わやくそ [Thanks to Mr. 森本 拓]
《品詞》名詞、形容動詞
《標準語》めちゃくちゃ
《用例》「今日の試験はわやくそだわ」(今日の試験はもう滅茶苦茶だよ)。
《森本さんの補足》「わやくちゃ」よりもよく使っていました。
《参照》わやくちゃ

わやくちゃ
《品詞》名詞・形容動詞
《標準語》めちゃくちゃ
《用例》「もう、わしの頭ん中わやくちゃだけ、整理つかん」(もう、私の頭の中はめちゃくちゃで、整理がつかない)。
《用例》「こがいな人に、うちの身体、わやくちゃにされて・・」(こんな人に、私の身体をめちゃくちゃにされて・・)。

わるいい【悪言い】 [Thanks to 泊村誌]
《品詞》名詞
《標準語》悪口。悪口を言うこと。悪宣伝
《用例》「そがなわるいいいけんぜ」(そんな悪口を言うのはいけないよ)。
《アクセント》わるいい

わるき【割る木】
《品詞》名詞
《標準語》ナタで割って同じ長さに切りそろえた薪
《ごんべの記憶》昔ごんべの家では、風呂を沸かすときに割る木を使うと、父に叱られました。割る木はくど専用だったのです。風呂に割る木はもったいないと、父は思っていたようです。

われ
《品詞》代名詞
《標準語》お前。(品のいい言葉ではない)
《用例》「わりゃあ、どこのむんだ」(お前はどこの者だ)。
《補遺》「われ」+助詞「は」は、「わらあ」「わりゃ」「わりゃあ」(お前は)となる。
《参照》おまい

・・を
《品詞》格助詞
《特記》鳥取弁においては、体言+格助詞「を」は、融合同化する場合が多い。
《融合例》
犬を飼う→いぬー飼う」「歯を磨く→はー磨く」「戸を立てる→とー立てる」
切符を買う→きっぷー買う」「嘘をつく→うそーつく」「嫁を取る→よめー取る」
《参照》鳥取弁における助詞の用例

・・んさる 〔因幡方言〕
《品詞》助動詞(動詞連用形に接続する尊敬の助動詞)
《標準語》・・なさる
《用例・現在形》「読みんさる」(お読みになる)。
《用例・否定形》「読みんさらん」(お読みにならない)。
《用例・進行形》「読んどりんさる」(読んでいらっしゃる)。
《用例・過去形》「読みんさった」(お読みになった)。
《独白》上記用例には、記憶違いがあるかも知れません。m(..)m
《参照》鳥取弁における助動詞の用例


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