ごんべの鳥取弁辞書/こそあど(指示語)体系

最終改訂:平成8年10月27日(日) 14:19:35


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事物場所方角状態指示top

語句・用法が鳥取弁(と思われるもの)にはを付加しました。
この表の作成には、三省堂「大辞林」、同「新明解国語辞典(第四版)」、角川書店「必携国語辞典」、岩波書店「国語辞典(第三版)」、同「電子ブック版広辞苑(第四版)」などを参考にしました。

語句・用例品詞等
■人 (人|事物場所方角状態指示top
近称 こいつ

(こいつは→こいつぁあと変化)
《用例》「こいつは、わりい奴だ」(こいつは悪い奴だ)。

代名詞
※主に悪口の場合に使う
中称 そいつ

(そいつは→そいつぁあと変化)

遠称 あいつ

(あいつは→あいつぁあと変化)
《用例》「あいつは、だらずだ」(あいつは馬鹿だ)。

不定称
どいつ

近称 これ

(これは→こら・こらあ・こりゃあと変化)
《用例》「こらあ弟です」(これは、弟です)。
《補遺》同等・目下には「このもん」、目上には「このしゅう」、やや敬意をこめて「この人」を使う。

《重要》「」という単語には、このように敬意がこめられているため、鳥取県人は、自分自身を「人」とは表現しない。「私は・・・をする人なのよね」などという言い方は、非常に奇異に感じられる(のではないかなと、ごんべは思う) 。

代名詞
※目下の者に対して使う
中称 それ

(それは→そら・そらあ・そりゃあと変化)
《用例》「そら、隣りの奥さんだがな」(それは隣りの奥さんですよ)。
《補足》同等・目下には「そのもん」、目上には「そのしゅう」、やや敬意をこめて「その人」を使う。

遠称 あれ

(あれは→あら・あらあ・ありゃあと変化)
《用例》「あらおまいの妹だらあ」(あれは君の妹だろう)。
《補足》同等・目下には「あのもん」、目上には「あのしゅう」、やや敬意をこめて「あの人」を使う。

不定称 どれ

《用例》「どれが花ちゃんだいな」(どの子が花ちゃんだい)。
《補足》同等・目下には「どのもん」、目上には「どのしゅう」、やや敬意をこめて「どの人」を使う。

■事物 |事物|場所方角状態指示top
近称 これ

(これは→こら・こらあ・こりゃあと変化)

代名詞
※基本形は標準語と同じ
中称 それ

(それは→そら・そらあ・そりゃあと変化)

遠称 あれ

(あれは→あら・あらあ・ありゃあと変化)

不定称 どれ

■場所 事物|場所|方角状態指示top
近称 ここ

(ここは→こかあと変化)
《応用》「ここいら」(ここらへん)

代名詞
※遠称以外は標準語と同じ
中称 そこ

(そこは→そかあと変化)
《応用》「そこいら」(そこらへん)

遠称 あすこ

不定称 どこ

《応用》「どこいら」(どこらへん)

■方角 事物場所|方角|状態指示top
近称 こっち

代名詞
※標準語と同じ
中称 そっち

遠称 あっち

不定称 どっち

近称 こちら

代名詞
※標準語と同じ
中称 そちら

遠称 あちら

不定称 どちら

■状態 事物場所方角|状態|指示top
近称 こが

《用例》「こがしたらええ」(こうしたらいい)。

副詞
中称 そが

《用例》「そがせえ、そがせえ」(そうしろ、そうしろ)。

遠称 あが

《用例》「こがせえ、あがせえ、言われたら、そがせえ」(こうしろああしろと言われたら、そうしろ)。

不定称 どが

《用例》「どがしょうかなあ」(どうしようかなあ)。

近称 こがにい (「こうにい」とも)

《用例》「よう見とけいや、こがにいすっだがな」(よく見ておけよ、こういう風にするんだ)。

副詞
中称 そがにい (「そうにい」とも)

《用例》「おいおい花ちゃん、そがにいと違うわい」(おいおい花ちゃん、そういう風にと違うよ)。

遠称 あがにい (「ああにい」とも)

《用例》「あがにい飾れば、ええかえ」(ああいう風に飾ればいいですか)。

不定称 どがにい (「どうにい」とも)

《用例》「ここんとこは、どがにいするだらあ」(ここのところは、どういう風にするんだろう)。

近称 こがな

《用例》「こがなこがたなを拾った」(こんなナイフを拾った)。
《用例》「こがに親切な人は、あんまりおらん」(こんなに親切な人は、そういない)。「こがに」は連用形。

形容動詞
中称 そがな

《用例》「そがな理屈は、通らんぜ」(そんな理屈は通らないよ)。
《用例》「そがにごしなっだか」(そんなにくださるんですか)。「そがに」は連用形。

遠称 あがな

《用例》「おまいは、あがな格好はすんなよ」(お前は、あんな格好はするなよ)。
《用例》「あがに怒らんでもよからあに」(あんなに怒らなくてもよさそうなのに)。「あがに」は連用形。

不定称 どがな

《用例》「どがな服、着て行きなる」(どんな服を着て行かれるんですか)。
《用例》「どがに頑張っても、駄目なもんは駄目」(どんなに頑張っても、駄目なものは駄目)。「どがに」は連用形。

近称 こがいな

用例は「こがな」を参照。

形容動詞
中称 そがいな

用例は「そがな」を参照。

遠称 あがいな

用例は「あがな」を参照。

不定称 どがいな

用例は「どがな」を参照。

近称 こげな

用例は「こがな」を参照。

形容動詞
中称 そげな

用例は「そがな」を参照。

遠称 あげな

用例は「あがな」を参照。

不定称 どげな

用例は「どがな」を参照。

■指示 事物場所方角状態|指示|top
近称 この

連体詞
※標準語と同じ
中称 その

遠称 あの

不定称 どの


事物場所方角状態指示

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