かあた【買あた】
《品詞》連語(動詞「買う」の連用形+助動詞「た])の長音便
《標準語》買った
《用例》「昨日買あた本、見せてごせ」(昨日買った本、見せてくれ)。
《用例》「わあ、そのサングラス、どこで買あたあ?」「八本木」(わあ、そのサングラス、どこで買ったの?)(八本木よ)。
《補遺》「買あて来る」(買ってくる)。「買あて来い」(買ってこい)。
《自由研究》「買った→買あた」のような長音便は、2音節のわ行五段活用動詞の連用形+助動詞「た」・接続助詞「て」などで発生。
負う(おおた)、会う(ああた)「あこおおた人に、ああた」(赤ちゃんをおんぶした人に、会いました)。
めぐ(めえだ)「ガラスめえだな、だっだあ」(ガラスを壊したのは、誰だ?)。
合う(ああた)「パスワードがああとらんけ、いけんだがな」(パスワードが合ってないから駄目なんだよ)。
綯う(なあた)「囲炉裏のにきで、縄なあたむんだわい」(囲炉裏のそばで、縄を綯ったものですよ)。
這う(はあた)「きょうてて、はあてにげたぞいな」
《参照》動詞活用表(買う)

かーら(1) (「かわら」の変化) [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》名詞
《標準語》かわら【瓦】
《アクセント》ーら
《用例》「かーらに、かーら捨てて行ったもんがおる」(河原に、瓦を捨てて行った者がいる)。・・・文字だけでは、わからんなあ

かーら(2) (「かわら」の変化) [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》名詞
《標準語》かわら【河原】
《アクセント》かー
《用例》「かーらに、かーら捨てて行ったもんがおる」(河原に、瓦を捨てて行った者がいる)。・・・文字だけでは、わからんなあ

かいい【痒い】
《品詞》形容詞
《標準語》かゆい
《用例》「かいいときには、ウナコーワ」
《用例》「みずむしが、かいい」(水虫がかゆい)。

がいけ
《品詞》名詞
《標準語》風邪
《用例》「花ちゃんは、がいけで、がっこ休むっていや」(花ちゃんは、風邪で学校を休むそうだよ)。
《補遺》「ぎゃーけ」とも言うようです。

がいな
《品詞》連体詞
《標準語》大きい
《用例》「あがながいな家、見たん、初めてだがな」(あんなに大きな家を見たのは、初めてですよ)。
《補遺》副詞は「がいに」
《参照》こまい

がいに
《品詞》副詞
《標準語》たくさん、おおいに、たいへん、非常に
《用例》「こがに、がいに貰って、ええだかえ」(こんなにたくさん貰って、いいんですか?)。

・・かえ
《品詞》助詞
《標準語》・・ですか?
《用例》「あんたは、加絵ちゃんかえ?」(あなたは、加絵ちゃんですか?)。
《独り言》ひょっとして、これは、標準語かもしれん。
《補足》「(だ)か」「(だ)かえ」「ですかえ」の順に、より丁寧になる。
「お父さんは留守だか」「お父さんは留守だかえ」「お父さんは留守ですかえ
「雨」「雨かえ」「雨ですかえ
《参照》鳥取弁における助詞の用例

かえこと (「かえやこ」とも) [Thanks to 大栄町誌]
《品詞》名詞
《標準語》交換。取り替えっこ
《用例》「なあ、この柿の種とその握り飯と、かえことしょい」(ねえ、この柿の種とそのオムスビと取り替えっこしようよ)。
《用例》「人質は身代金とかえことだあぜ」(人質は身代金と交換だぞ)。

かえでる
《品詞》動詞。
《標準語》(卵から雛が)孵化する。

かくれこ (「かくれやこ」とも) [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》名詞
《標準語》かくれんぼ
《用例》「花ちゃん、かくれこして、あそばい」(花ちゃん、かくれんぼして遊ぼう)。

かけりやこ [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》名詞
《標準語》かけっこ、走り競争

かじ (動詞は「かじする」)
《品詞》名詞・〜する
《標準語》味方、加勢
《用例》「花ちゃんのかじばっかし、すんないや」(花ちゃんの味方ばかり、しないでくれよ)。
《用例》「花ちゃんにばっかしかじすんないや」(花ちゃんにばかり、味方しないでくれよ)。
《用例》「おまい、なんで巨人のかじすっだいや?」「なら、おまいは、なんでMSのかじしとっだあ?」(君はなぜ、ワタナベ読売ジャイアンツの味方をするんだい?)(じゃあ、そういう君は、なぜゲイツ君の味方をしているんだい)。
《参照》動詞活用表(する)

かす【浸す】
《品詞》動詞
《標準語》水などの液体に浸(ひた)す、液体の中に入れる
《用例》「花ちゃん、米を水にかしといてごしならんか」(花ちゃん、お米を水に浸しておいてくれませんか)。
《参照》動詞活用表(かす)

かずえる【数える】 (「かずれる」とも)
《品詞》動詞
《標準語》数をかぞえる
《用例》「なんぼかずえても、3つ足らぁせん」(いくら数えても、三つ足りない)。

かせる【貸せる】
《品詞》動詞
《標準語》貸す
《用例》「おまいにじぇに貸せる奴なんか、おらんわい」(君にお金を貸すやつなんか、いないよ)。

かたきり [Thanks to Mr. 尾崎憲治(大栄町出身)]
《品詞》動詞。
《標準語》ランニングシャツ。
《用例》「かたきり、1枚もにゃあ がな」「みんな洗濯しちゃったけなあ」(ランニングシャツが、1枚もないじゃないか)(ぜんぶ洗濯をしてしまったからねえ)。
《用例》「かたきりだけで、うろうろすんないや。ひんがわりーがな」(ランニングシャツだけで、うろうろするなよ。恥ずかしいじゃないか)。
《用例》「シャツの肩のとこぉ、切ったやなかっこしとるけぇ、かたきりっちゅうだがな」(シャツの肩のところを切ったような格好をしているから、「かたきり」と言うんだよ)。

かたけ
《品詞》名詞
《標準語》半日
《用例》「こがなことに、かたけもかかってしまったわい」(こんなことに、半日もかかってしまったわい)。
《用例》「かたけ仕事」(半日仕事)。

かたっぽ [Thanks to 東郷町誌]
《品詞》名詞
《標準語》片方。片一方
《用例》「うちの靴下のかたっぽ、誰ぞ知らんかあ?」(私の靴下の片方、誰か知らない?)。

かっさま
《品詞》間投詞
《参照》いかさま

がっそう 〔因幡〕 [Thanks to Mr. Kazusuke Yamane]
《品詞》名詞・形容動詞
《標準語》きれいでないこと。ちらかっていること
《用例》「髪の毛ががっそうだけえ、散髪に行った方がいいで」(頭の髪がきれいでないから、散髪に行った方がいいよ)。
《注記》は、ごんべ未経験の単語です。

かっぽんしんじゃ (単に「かっぽん」とも)
《品詞》名詞
《標準語》野草の名前。いたどり(学名:Polygonum cuspidatum)
《おやつ》昭和20年代、かっぽんしんじゃの茎はよく食べました。美味でした。
《補遺》因幡の八頭郡では「だんじ、だじん」、因幡の岩美郡・気高郡では「だんじ、だじん、かっぽん」、東伯郡では「かっぽん、さじっぽ」、伯耆の西伯郡・日野郡では「しゃじっぽ」といいます。

・・かて
《品詞》副助詞。(標準語かもしれない)
《標準語》でも、さえ
《用例》「うちかて就職できたに、なんで花ちゃんはいけんだあ?」(私でさえ就職できたのに、どうして美人で賢い花ちゃんが駄目なの?)。
《参照》鳥取弁における助詞の用例

かど【門?】
《品詞》名詞
《標準語》庭(門の内側で玄関の外側にあって、ある程度広さのある、草木のない前庭)、前庭
《用例》「かどの自転車、もだれに入れときなれ」(庭の自転車を、軒下に入れておきなさい)。
《用例》「かどで、遊(あす)ばい」(庭で遊ぼう)。

・・がな
《品詞》助詞
《用例》「まあ、ええがな」(まあ、いいじゃないか)。
《用例》「行かいけんがな」(行かなければいけないよ)。
《用例》「そっだがな」(そうそう、そのとおりなんだよ)。
《用例》「時間は、お金だがな」(時は、金なり)。
《用例》「なんぼ待っとっても、来りゃへんがな」(いくら待っていても、来ないんだよ)。
《用例》「探いてみな、わからせんがな」(探してみなければ、わからないだろ)。
《参照》鳥取弁における助詞の用例

がに [Thanks to 東伯町誌]
《品詞》名詞
《標準語》かに【蟹】
《追加情報》東伯郡赤碕町では「がんちゃ」というそうです。 [Thanks to 中西啓二さん]

かばち
《品詞》名詞
《標準語》減らず口、分をわきまえない偉そうな口振り、あたまにカチンとくるへ理屈。動詞は「かばち(を)たれる」「かばち(を)こく」「かばち(を)ぬかす」。
《用例》「なんも知らんとって、かばちこくな」(何も知らないで、偉そうなことを抜かすな)。
《参照》動詞活用表(こく)

かばちこき (「かばちたれ」とも)
《品詞》名詞。
《標準語》いつもやたらに不平不満を言うやつ。
《用例》「あいつぁー、かばちこきだけぇ、相手にしなんな」(あの人は、不平不満屋だから、相手にしなさんな)。

かぶら [Thanks to Mr. Kazusuke Yamane]
《品詞》名詞。〔ほとんど標準語だがな〕
《標準語》かぶ【蕪】。

がぶる
《品詞》動詞。
《標準語》(食べるときに、大きな口を開けて)かぶりついて食う。
《用例》「どがにいして食うだ?」「がぶらええだわいや」(どういう風にして食べるのですか)(かぶりつけばいいんだよ)。

がめる 〔因幡方言〕 [Thanks to Mr. Kazusuke Yamane]
《品詞》動詞
《標準語》非常に疲れる。(疲労などで)体が弱った状態になる。
《用例》「妙ちゃんは、風邪こじらせて、がめとらあせんだかいや?」(妙ちゃんは、風邪をこじらせて、体が弱ってるのではないのかい?)。
《用例》「きんのうは、えらい仕事が忙しゅうて、ようにがめた」(昨日は、大変仕事が忙しくて、非常に疲れたよ)。
《西郷谷の男さん(八頭郡河原町)からの情報がめるは「ひどい目に遭う」という意味が一般的。その中には「ひどく疲れた」があってもよいでしょう。

かやる
《品詞》動詞
《標準語》倒れる
《用例》「台風で、稲が全部かやりましてなあ、大騒動だったですがな」(台風で稲が全部倒れましてね、大変だったんですよ)
《補遺》他動詞は「かやす」
《参照》動詞活用表(かやる)

・・から
《品詞》場所を表わす格助詞
《標準語》・・で、・・において
《用例》(小学生の作文風)「きのう、遠足に行きました。山から弁当を食べました」(山で弁当を食べました)。
《用例》「二階から寝ていた叔父が、寝とぼけて、二階から落ちたさあな」
《用例》「そがなアイスクリーム、倉吉からは、見んわ」(そんなアイスクリームは、倉吉では見ませんね)


《用例》全国的に流布しているわらべ歌の中に、「一かけ二かけて、三かけて」というのがあります。本来は手まり歌のようですが、ごんべは姉二人と、じゃんけんの前置きにこの歌を歌ってから、じゃんけんをしていました。この歌にも「から」が出てきます。
一かけ二かけて、三かけて
四かけて五かけて、橋をかけ
橋の欄干(らんかん)、手を腰に
はるか向こうを眺むれば
十七、八のねえさんが
片手に花持ち、線香(せんこ)持ち
ねえさんねえさん、どこ行くの
私は九州鹿児島の
西郷隆盛娘です
明治十年三月に
切腹なさった父上の
お墓参りを致します
お墓の前から手を合わせ
南無阿弥陀仏と拝みます
(くわいが芽を出いて、花ちゃんが開いて
ハサミでちょん切って、えっさっさ)
《蛇足》ごんべは、大学の教養の国語学の授業(阪倉先生)で、この「から」のせいで、みんなに馬鹿にされました。しくしく。
《メール到着》カツさんから、次のようなメールが届きました。ありがとうございます。(2003/07/05)
「から」と「エソ」

韓国語(朝鮮語)との比較研究やってます。カツといいます。

この言語の日本語との類似点は挙げればきりがありませんが、標準語にはない鳥取弁との面白い類似点を見つけました。といっても既に定説になっているのかも知れませんし、ごんべさんもご存知のことかもかもしれませんが。
鳥取弁の「から」が動作の行われる場所を表す「で」の意味で用いられるというのは全国的に有名ですね。このことは僕も随分前から知っていました。でも実際に鳥取の方が使うのを聞いた時(兵庫の但馬地方の方も使いますね)、かなり違和感を感じましたね。
「今日の飲み会の場所はどこやったっけ?」
「あー、白木屋からやるらしいよ」(特に白木屋を贔屓してる訳ではありません。たまたま思いついたので)
こんな会話を聞いた時、普通はどうしても移動する場面をイメージしてしまって、今日は一体何次会までやるつもりなんだって思ってしまいますよね。

ところが、韓国語にも鳥取弁の「から」とおなじように「動作の行われる場所」と「基点・経過点」の両方を表す格助詞があるんです。
それが「エソ」です。
「ハッキョ エソ コンブハムニダ(学校 で 勉強します)」
「ハッキョ エソ トラワッスムニダ(学校 から 帰って来ました)」(韓国語の片仮名表記にはかなり無理がありますが)
面白いでしょ?時には前後の文脈から判断しなければならないこともあります。それは鳥取弁でも同じですよね。
「ハッキョ エソ タルリムニダ(学校 でorから 走ります)」
初めてこの「エソ」を学んだとき、複雑やなー、こんなんとっさに判断でけへんでーと頭を抱えました。その時、そういえば・・・と鳥取弁の「から」を思い出したんです。全く一緒やないかと、少し感動しながら、日本人にも使いこなせるのかと少し自信が持てたんです。
今では、この「エソ」はすっと頭の中に入ってきます。だから鳥取弁の「から」にもほとんど違和感を感じませんね。動作の行われる場所であろうと、出発した場所であろうと、通過する場所であろうと(もちろん終了点「まで」に相当する助詞は別にありますが)、場所に着目したというところに、韓国人(朝鮮人)と鳥取人の発想の類似があるんだと思います(ちなみに韓国語では時間の基点を表す「から」に相当する格助詞は別にあります)。

やはり言葉は、文化や生活習慣、気候の影響などから生まれるので、それらが似ている地域では同じ発想をするということも考えられますし、同じような発音になるということもあるのではないでしょうか。だから細かい部分、つまり両国の方言を見ていけば、面白い類似点がもっと発見できるかもしれません。
《参照》鳥取弁における助詞の用例

からい【辛い】
《品詞》形容詞
《標準語》塩辛い、しょっぱい
《用例》「この味噌汁、ちいとからいで」(この味噌汁は、しょっぱいよ)。
《用例−推量形》「この味噌汁、からからーがな」(この味噌汁は、塩辛いだろう)。
《補遺》塩味が足りないときは、「あまい」と表現する。

からかみ【唐紙】
《品詞》名詞
《標準語》ふすま【襖】
《用例》「からかみ、しめといてごせ」(ふすまをしめておいてくれ)。
《用例》「からかみ破いたんは、だっだ?」(ふすまを破ったのは、誰だ?)。

からつ【唐津】 (「からつもの」とも)
《品詞》名詞
《標準語》せともの、陶磁器
《補足》もちろん、「せともん」とも言いまして、こっちの方が優勢。

かりゃあ (形容詞「からい【辛い】」の変化形。音韻変化の類例についてはあしゃあ
《補遺》最近は、「からい」と、ちゃんと発音する標準発音派が優勢。

かれる【借れる】
《品詞》動詞
《標準語》借りる
《用例》「教科書忘れた、花ちゃんに借れるわ」(教科書忘れたから、花ちゃんに借りるよ)。

がんじがんじする
《品詞》(幼児語)動詞
《標準語》噛む、そしゃくする
《用例》「ようがんじがんじして食べなれ」(よく噛んで食べるんだよ)。
《参照》動詞活用表(する)

がんじょする【頑丈する】 (「がんじょうする」とも)
《品詞》動詞。形容動詞は「がんじょな」
《標準語》よく働く、人一倍働く、粉骨砕身する、一生懸命働く、精を出す
《用例》「いっつも、がんじょしなるなあ」(いつも、ご精が出ますねえ)。
《用例》「うちの嫁は、ようがんじょしますだがな」(うちの嫁は、とてもよく働きますんですよ)。
《参照》動詞活用表(する)

かんじょり (「かんぜより」の訛り)
《品詞》名詞
《標準語》こより【紙縒り】
《用例》「七夕の短冊に使うけえ、かんじょり作ってごしなれな」(七夕の短冊に使うから、こよりを作ってくださいな)。
《自慢》ごんべはこよりを作るのが得意。(^^)v

がんぱー 〔因幡方言〕 [Thanks to Mr. Kazusuke Yamane]
《品詞》名詞・形容動詞
《標準語》らんぼう者、粗野な人、いたずら者
《用例》「湖山のあっつあんがんぱーだけど,根はええもんだ」(湖山のおじさんは粗野な人だけど、根はいい人だ)。
《ごめん》「がんばー(ganbaa)」ではなく、「がんぱー(ganpaa)」の間違いでした。こらいてごしなれ。

がんばらい、がんばらいや
《標準語》がんばろう!
《用例》「負けんと、がんばらい」(負けずに、がんばろう!)
《用例》「がんばらい(や)、神戸」(がんばろう、神戸)。
《用例》「がんばらい(や)、鳥取弁」(がんばろう、鳥取弁)。

かんらん【甘藍】
《品詞》名詞
《標準語》キャベツ。(「かんらん」は辞書に載っているけど、ま、いいか)
《用例》「かんらんの、こうこ」(キャベツの漬物)。


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