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 私が一番凝っている魚です。なんとも人間的で、愛敬もあり、飼育していて非常に楽しい魚です。 
飼育もこつをつかめば容易で、なおかつ繁殖も軌道に乗れば比較的簡単に行えます。 
私の家で行っている、ディスカスの繁殖方法を紹介いたします。 
今回は、日常的な飼育管理は出来ていて、次は繁殖にチャレンジだ...。という人を対象に書きますので、かなり荒っぽい内容になっています。 
 
 [魚の導入&ペアの選択] 
  
 一度飼育を始めれば3年〜5年は生きますので、気に入ったものを選びましょう。 
安価な外国産の魚は、少し前までは、ホルモンによる色揚げのため、成長不良をおこしたり、シクリッド病を持ち込んだり、もちろん繁殖なんて論外、結局挫折の原因になります。 
種親の選択は、系統的にしっかりした海外ブリーダーものや、自家繁殖を行っている信用あるショップで購入するか、繁殖をてがけている、ディスカスマニアから手にいれるのがよいでしょう。 
マニアの持ち魚は、かなりのこだわりを持っており、ショップより良い魚が多いと思います。 
 
 [ペアリング] 
  
 健康に育ったペアならば、1歳〜1歳半くらいから繁殖に使えます。 
60x45x45cmの水槽に5〜6匹の成魚を入れます。 
市販の産卵筒をいれておくと、その筒をしきりにながめる個体がでてきます。 
よく観察すると、2匹だけがそのパイプを独占しようと他の魚を追い払う姿が見られます。 
それと同時にその2匹がヘッドダウンポスチャー(おじぎ)を繰り返し、いつもくっついているようになります。 
この様子が確認できれば、ほぼ間違いなくペアでしょう。 
この2匹をのこし、他の魚は取り出します。 
 
 [産卵] 
  
 産卵用のペア水槽は、ベアタンク(砂も、水草もなにも入れない)とし、ヒーターと、スポンジフィルタをセットします。 
水温は、28度にセットし、水質は、以下のとおりにあわせます。 
 
     
<DATA> 
 ペア水槽>R/O装置の使用により、若干の水質調整を行っています。 
 ・pH          6.0〜6.5 
 ・総硬度(GH)     0〜1 
 ・炭酸塩硬度(KH)   0 
 ・導電率         60〜100μs 
 ・亜硝酸濃度・アンモニア なし 
 
 水道水を直接使用しても、繁殖は可能ですが、孵化率、効率の問題等もあり、RO装置により水質調整を行っています。 
ペアは、さかんに産卵筒を見つめながら体を震わせたり、産卵筒を口でつついて場所決めをします。 
夕方に産卵が行われることが多いでしょう。 
産卵が開始したらあまりまわりで騒ぎ立てないようにしましょう。 
オスは放精力がそれほど強くないため、水流のもと(上部フィルター等)は出来るだけ止めるほうがよいように思います。 
あまり無理に産ませるのはお薦めできませんが、産卵のきっかけをつくってやると、かなりの確率で産卵をはじめます。 
一時的に水替えを止めてphをおとしてやる、そして、一気に水替えで上昇させる。水温も30度程度から、28度程度に一気に落とす。こうすると刺激により産卵が促進されるようです。 
 
 [産卵後] 
  
 初産の場合は、孵化率の確認のためと、食卵を防ぐためネットをかぶせています。 
2回目の産卵からは、ネットはかけずに親に守らせます。 
産卵した卵は、親がひれで仰いで新鮮な水を送ったり、死卵を口で取り除いたりしながら雄雌交互に世話を続けます。 
卵は、成長がすすむとだんだん黒くなり4日ほどで孵化します。(この時点で白くなっている卵は無精卵です。) 
 
   
孵化した稚魚はだんだん尾を強く振りはじめます。3日目くらいから尾も大きく成長し、勢い余って産卵筒からこぼれ落ちる稚魚が出てきます。親は口に含み必死で産卵筒にもどします。 
この時期から親の体色は暗化しはじめ、ディスカスミルクを出す準備をはじめます。 
   
孵化後4日程度すると産卵筒から飛び出す稚魚が多くなり、そのうちに親の体にまとわりつきながら自由遊泳に入ります。 
この時期が1つめの難関で、稚魚が体着しなければ、100%失敗です。 
     
私がこの時期気にかけることは、水質管理はもちろんですが、蛍光灯を24時間つけておき、親が仔を、仔が親を見つけやすくしてやることです。 
 
 [体着&その後の飼育] 
  
 体着したら、一安心。 
体着4日後くらいから、ブラインシュリンプを与えはじめます。 
   
 
 元旦に産卵した場合の大まかな飼育日程です。 
 1/ 1 産卵 
 1/ 3 孵化 
 1/ 6 自由遊泳 
 1/ 7 ほぼ全匹親の体につく 
 1/11 ブライン給餌開始(水温33度) 
 1/26 親から仔をはなす。 
    ブラインシュリンプの給餌、ハンバーグを少量混入 
 2/ 1 完全にハンバーグに切り替え3cmサイズまでは水換え頻度など変化なし(1日100%) 
    3cm以降は、たまに赤虫を与える 
    5cmまで繰り返し 
    5cm以降は、水換え量を若干へらし、温度も下げる(30度)  
           
 5cmサイズまで育てばもうあとは心配なしです。通常のディスカス飼育法で育ち上がるでしょう。 
  
        	
 [おわりに] 
  
 かなり大ざっぱな書き方をしました。もしご質問等がありましたら、メイルをいただければ分かる範囲でお答えいたします。 
 
その内容も順次つけ加えて更新してゆきます。 
個々に飼育、繁殖のスタイルは違いますので、異論はあろうかと思いますが、私のスタイルはこういうかたちです。 
 
  
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