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このコーナーではおなじみになったであろう、『ザ・ワールド・イズ・マイン』の第12巻が出た。ちょっと前に書いた「殺すこともヒューマニズムである。」 とは話が前後する。
トシ&モンは秋田市内・マリアの友人の潤子宅を出て、車を奪い、銃を乱射しながら秋田市内を暴走する。しかし車もガス欠になり、武器も使い果たして、山中へ徒歩で逃亡する。
青森県警塩見警部補率いる警官45名は、ついにトシモンらを追い詰める。トシはモンに何か話しかけた後、マリアを抱きかかえ、塩見に対し叫ぶ。
「女は殺すな!!
ボクが生かした命やっ!!」「あえて聞く!!
女は人質か!? 仲間か!?」「人質も仲間もあるか!!
殺すなゆうとんじゃ!!」「ならばっ 女の素性が知りたい!!」
「生きとる人間や!!
大館で拾った罪もない女子高生!!
阿部野マリア!!
絶対 殺すな!!」「そっ それは救いたいという要求か!?」
「せや!! 命を救うんや!!」
「すっ 救うのは我々ではないのか!?」
「ちゃうやろ!! 双方 皆で救おうって話や!!
ただしな……
生かすことがこの女にとって幸せかどうかはようわからん!!」「じょっ 状況を把握しかねるものの
…少なくとも望まれて生かされた命に不幸はない!!」「ええ加減なことゆうな!!」
本人が望まんでもか!?」「ひ…人の世に完全なる絶望はない!!
例えるなら花!! 人を人たらしめるのは希望の花を慈しむことのみではないか!!」
…ずいぶんと長い引用になってしまった。しかし、丹念に私のページを見ていただいている方には、なぜ私がこの一連のやりとりを引用したかったかわかっていただけるに違いない。そう、人を人たらしめる最後の砦は「希望」だと思うからだ。敢えて繰り返そう。
100%の希望はないかもしれない。でも100%の絶望もあり得ない。
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Updated : 2000/10/09
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