今からおよそ300年前の享保9年(1724)、甲斐から郡山への転封を命じられ、郡山城主としてやって来たのが柳澤家2代柳澤吉里です。郡山城に入った吉里は、幕末まで続く郡山藩の藩政の基礎を築きました。しかし、残念ながら吉里の実際の人物像が知られる機会は、これまでほとんどありませんでした。
柳沢文庫では、吉里の郡山入城300年を前に、吉里に関する基礎研究や資料収集を進めています。令和4年度後期企画展では「吉里研究序説①」と題して、吉里の誕生から家督相続直前までの期間を対象として吉里の少年時代を紹介しました。これに続き、今回は「吉里研究序説②」と題して家督相続から郡山入城直前までの期間を対象に、甲斐国主としての吉里の様子をご紹介します。