高取町指定文化財 2002.07.06 update


平成14年3月29日付けで、以下の3件が高取町指定文化財に指定されました。

白壁塚古墳 土師器 猿石
寺崎白壁塚古墳

 白壁塚古墳は一辺30m見かけの高さ9mの2段築成の 方形墳と考えられています。墳丘裾には幅6m深さ2mの コ字形の堀割りが巡ります。墳丘前面には長さ約30m幅 9mの檀(テラス)がつき、墳丘背面の地形は風水思想を 反映しています。埋葬施設は閃緑岩の切石を使用した横口 式石槨で石槨部は長さ2.8m幅1.1m高さ0.9mを 測り前面に長さ8.2m幅1.6〜1.9mの前室と羨道 がつきます。石材間には漆喰が充填されています。古墳の 築造は出土遺物などから7世紀前半と考えられています。

関連記事
寺崎白壁塚古墳現地説明会(H10.08.02)

寺崎白壁塚古墳第3次現地説明会(H12.05.14)

藤井イノヲク12号墳出土土師器

 藤井イノヲク12号墳は大字藤井地内の丘陵上に位置し た南北20m東西16m高さ3mの尾根上に立地する楕円 形墳で平成3年度に高取町教育委員会が調査を実施した。
 土師器は12号墳墳丘西側のつくりだし状部分から横転 した状況で出土した。口縁が狭くなる円筒形を呈し口径2 5.8cm、底部径47.6cm、器高90.6cmを測り口縁 と底部の中間に沈線を施し四方に鍵状の把手をもつ。色調 は橙褐色で外面は粗いハケ調整を行なう。古墳の築造は6 世紀中ごろ。この土師器はもともとの用途は不明であるが 大型の甑や器台などの説がある。12号墳では出土状況か ら土器棺に用いられたと考えられる。
 この土師器は高取町清水谷遺跡、桜井市敷島遺跡など出 土例は極めて少なくイノヲク例だけが全体を復元できる唯 一の資料であり大変貴重である。

大和歴史研修センターで保管

猿石

 高取城二の門外に所在し城下町に下る大手筋と明日香村 栢森へ下る道筋の分岐点に位置する。花崗岩製で高さ85 cm幅75cm厚さ65cmを測る。目と鼻は円形で顔面は丸く 平坦である。口元の両端をあげ耳は顔側面の全体にとる。 手は右手をややあげている。陽物らしい表現もみられる。 背中にも表現がみられるが明確ではない。飛鳥の「猿石」 と同様に現在の明日香村平田から掘り出され高取城築城 の際に石垣材として運ぶ途中にこの場所に置かれたようで ある。飛鳥時代の製作と考えられている。猿石がのせられ ている台石は古墳の石材の可能性がある。
・問い合わせ先:高取町教育委員会 tel 0744-52-3715


もどる