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水素エネルギーとは
20世紀後半から、とみに人類の生活の地球環境に対する深刻な影響について論じられるようになった。特に石油を中心とする化石燃料の消費は、その化石燃料自体の枯渇も危惧されるだけでなく、排出される二酸化炭素などの温室効果ガスにより地球温暖化を促進してしまう恐れがあるなどの問題が指摘されている。このような状況をうけて、化石燃料ではないエネルギーへの転換が叫ばれ、一時期は原子力発電なども検討されてきたが、新たな開発を取りやめる国が続出し、一定限度のエネルギー供給は望めるものの、社会全体の基盤となるまでには至っていない。このような背景のもと、現在脚光を浴びているのが水素エネルギーである。
[水素の性質]
水素は水から生成でき、燃焼または電気的な反応によって酸素を反応させて熱と電気を取り出すことができる。
[燃焼]
2H2 + O2 = 2H2O - 0.48*106 [kJ]
[電気的反応]
負極:2H2 → 4H+ + 4e-
正極:O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O
特に、水以外に廃棄物を出さない点が評価されている。
水素は地上では単体ではほとんど存在せず、現状では炭化水素燃料の熱分解することによって生成されることが多い。また化学プラントにおける反応の副生物として発生する場合や、メタノール等を改質して生成する場合もある。また、自然エネルギー等を用いて水を電気分解することで生成することもできる。
また、水素の化学的な特性を以下に記す。
特性 | 値 | 単位 |
分子量 | 2 | [ - ] |
低位発熱量 | 10,760 8,490 119,620 | [kJ/m3N] [MJ/m3] [kJ/kg] |
密度 | 0.0899(気体) 71(液体) | [kg/m3N] [kg/m3] |
定圧比熱(0℃, 1atm) | 14.22 | [J/g-K] |
沸点(1atm) | -252.7 | [℃] |
爆発限界 | 4 - 75 | [vol%] |
最小着火エネルギー | 0.02 | [mJ] |
最大燃焼速度 | 306 | [cm/s] |
火炎伝播 | 265 | [cm/s] |
消炎距離 | 0.6 | [mm] |
自然発火温度(空気中) | 570 | [℃] |
火炎温度 | 2,250 | [℃] |
容積あたりの発熱量は気体状態でメタンの 1/3、灯油の 1/3000 と小さいため、エネルギーの貯蔵と言う点では効率が悪いことになり弱点となる。逆に重量あたりのエネルギー密度は高いものとなるため、ロケットなどの燃料に多く利用されている。
また、可燃範囲が広く、自然着火温度が比較的低いことから、着火しやすく、消えにくいという性質もあり、安全面で十分な配慮を施す必要がある。
Updated : 2003/12/09
[水素の製造と精製]
宇宙全体では全物質の大半が水素であるといえるが、地球上では単体の状態ではあまり多くは存在していない。そのため何らかの方法で水素化合物から分離する必要がある。その対象は水・炭化水素・化石燃料である。
水素の製造方法は、水から製造する方法と、化学的な反応における副産物として製造される方法に分けられる。また水から製造する方法には電気分解法・熱化学分解法・太陽光分解法に分けられる。
Updated : 2003/12/15
水素自身は酸素との結合(燃焼または電気的反応)によって水以外のものを排出しないため、「クリーン」なエネルギーと見なされている。しかしその製造の原料に化石燃料・炭化水素を用いると、完全に不純物として一酸化炭素・二酸化炭素・メタンなどが含まれている。これをなんらかの方法で取り除く必要がある。
Updated : 2003/12/15
[水素の貯蔵と輸送]
製造・精製した水素も、実際に使用するためには、消費する場所まで運搬されなければならない。1つは現在の電力や都市ガスのように配送網が整備されるという方向も考えられ、理想的ではあるが整備に膨大な費用と時間が必要である。そのため現実的にはなんらかの方法で貯蔵し、輸送する仕組みが必要となる。
水素の貯蔵方法は、圧縮・冷却・吸着の3つの方法に分類される。
Updated : 2003/12/15
水素の輸送は日本では高圧水素カードルに容れるか、トレーラーに積載して運ぶことが主である。ケミカルハイドライド系の貯蔵方式が現実的なものになれば、ハイドライド系化合物で運搬し、消費地についてからオンサイトで水素を分離し、別途水素タンクに貯蔵して利用するという方法も考えられる。
Updated : 2003/12/15
[水素の利用]
Updated : 2003/11/16
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Updated : 2003/12/15
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