Location : Home > Contemporary Files > 2003 Title : Can't stop the war! |
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首都バグダットを始め、イラク国内の各都市が「陥落」して、合衆国はフセイン政権の崩壊を宣言(確かにホワイトハウスの報道官は "collapse" と表現)したが、どうもいやな気がする。確かに英米が中心となってイラク全土にわたって攻撃をしている側が首都を制圧し圧倒的な力量の差で進撃したが、戦闘における勝利がそのまま戦争における勝利とはならない。
んー、まあ、そうだな。前線でボコスコにやられても、別働部隊(!)が相手の本陣を攻撃して、相手の大将の首を取ったらそれで戦は終わってしまう…っていう話とはちょっと違って、手続き上、この戦争はまだ終わってない、いや、それどころかひょっとしたら終われないかも、みたいな気がしているのだ。(「戦争に手続きもへったくれもないだろう!」と言う人は、きちんと戦争法規を勉強してね。)
なんらかの形で当事者同士が停戦協定を締結しない限り、戦争は終わったことにならない。今、イラク側の当事者(必ずしもフセイン政権を代表する者でなくてもその後継の政権と正統にみなせる相手であればいい)がどこにいるのか、また誰なのかがわからない状況で、一方的に終結宣言はできても、実際には戦争を終わるに終われない危険性があるのではないかという気がする。
「普通の」戦争とはそういうものだ、という私の「常識」がそう思わせるのかも知れない。しかしイラク側が焦土作戦をとり、「占領軍」が撤退を始めた、まさにその瞬間に反攻に転じる危険性−何しろ「停戦」してないことになるので−があるように思う。
最近はイラク情勢ばかり報じられて、アフガニスタンのことなど忘れ去られているが、アルカイダ掃討作戦はまだ完了してないはずだ。どれほど軍事的に優位に立とうとも終わりようがないのと、イラクの状況は同様のような気がする。
はたして、この戦争は終わることができるのか?
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Updated : 2003/04/14
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