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Title : How do thy unify ?
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Contemporary Files #20020916
どうやって統一するんだろう?
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 明日(17日)には日本の小泉首相が朝鮮民主主義人民共和国(以下、DPRKと表記する)を公式訪問する。初めての訪問なので、それほど画期的な成果を期待してはいけないとは思う。首脳会談というのは、仮に何かが決まったとしても、それは「やりましょうね」という合意というか約束であって、現実にはそこからその実現方法を具体的に決め、そのために必要な法整備とか予算確保ができて初めて実現されるわけだから、17日の会談で何が決まろうとも、そこから先の事務方の実務レベル作業がきちんと順調に進むかどうかのほうをきちんとフォローするほうが大事である。それでうまく進まなかった場合、互いの国が互いの国の努力が足りないと非難しあって関係悪化、なんてことも考えられるからだ。

 朝鮮半島情勢でもう一つ気になるのが、何かあると「統一」という掛け声がかかることなんだけど、じゃあ、具体的にいつまでにどうやってどのような統一を行うのかって話が、具体的な政治議題として扱われたことがあるのかということ。
 私が今までにみたまともな検討例は、Contemporary Files #20000618:南北の対話で取り上げた、三星経済研究所が発表した「南北統一シナリオ」だけだ。私が最もありそうに思う展開も、そこで挙げられている中の「誘導型」・韓国主導によるDPRKの吸収合併である。体制の異なる2つの国家の合併には、連邦制を採るという方法があることはあるんだけれども、それはやはり国力(軍事力だけじゃなくて、経済力とかその他諸々を換算して)が対等かそれに近いと双方も周辺諸国も感じている場合しかうまくいかないだろう。まだDPRK国内の情勢が体制を維持できないところまでいって、韓国側に傾れこむという展開のほうがよほど現実みがある。
 もちろんいろんな局面を想定して準備をしておく必要があるのだが、ここは一つ、東西ドイツが合併した方法を利用して南北朝鮮を統一するというシナリオを想定しておくのが分かりやすいし、周辺諸国も安心して協力できるような気がする。
 ドイツ連邦共和国(西ドイツ)の基本法(ま、憲法だな)には連邦への参加条項があって、ある地域(州)が連邦へ加盟申請し、連邦議会が承認すればドイツ連邦共和国に編入できると言うものだ。ドイツ連邦共和国という国家がドイツ民主共和国(東ドイツ)という国家を併呑したのではなくて、東ドイツがまず州に自治権を与え、それぞれの州の判断で西ドイツに加盟したという形式をとったわけだ。これだと国際条約の締結ではなく、それぞれの国内法の改正で対処できる、という寸法だ。
 というわけで、ここは一つ、大韓民国には憲法を改正して、加盟申請のあった自治政府の編入を許す条項を追加してもらう。それほど遠くない将来、朝鮮民主主義人民共和国の体制維持が困難になってた時に、州政府(科朝鮮半島だと「道」になるのか)の設立と編入の可能性を示唆し、呼びかける。そしてドイツ統一と同一の方法での統一を呼びかける。当然ながら周辺諸国はそれを支持する、ということを約束する。
 その後は東西ドイツの統一後のような問題が出てくるだろうから、特に日本が率先して経済援助を申し出るとよいだろう。この統一を機に、在日の方で祖国に帰りたいという希望のある方の帰国を支援するということがあってもいいだろう。というのは、統一感を高めるために、共通の敵としての日本を槍玉に挙げる危険性もなくはないので、東アジアの安定のためにもあらかじめ不安要素を消しておく必要があるからだ。

 もしもっと現実的な案を見たことあるなら、教えてくれい。後はよろしく頼んだぞ。


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Updated : 2002/09/16