Location : Home > Contemporary Files > 1999 Title : Coup d'etat |
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パキスタンで13日、軍事クーデターが発生した。
12日にシャリフ首相が軍の最高指導者・ムシャラフ参謀総長解任を発表したことに反発し、逆にシャリフ首相以下の全閣僚が、軍により解任、議会の解散、憲法の停止を発表した。
たいてい、クーデターが起こると、反発が大きく、かえって強権が発動され、混乱が拡大するものだかが、国民の多数が支持しているらしく、不気味なほどに静かだ。
パキスタンは独立以来、軍政の歴史が長く、核兵器を持ってからも、「核のボタン」は事実上軍が握っており、外見を実質に合わせただけという理解があるのか、インドでもさほど騒がれていなさそうだ。
シャリフ氏は最近、政権の私物化が目立っており、腐敗していた、というのだが、どうもそのような報道は日本には伝わっては来ていなかった。カシミール地方をめぐるインドとの衝突で譲歩したとみなされていることが反発を受け、退陣を求める世論につながったという説明が最もすっきりする。
しかしながら、インドがこの状況を利用して、強硬手段に訴えない限り、パキスタンも無理な行動を取る雰囲気はない。この意味では危機はなさそうだ。
ただ、パキスタン軍部とアフガニスタンのゲリラとの関係は以前より指摘されていたが、文民政府(シビリアンによる統制)がなくなったことで、この結びつきが強くなり、逆に、パキスタンの東側ではなく、西側できなくさい動きが発生するかもしれない。
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Updated : 1999/10/18
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