Location : Home > Contemporary Files > 1999 Title : Earthquake |
![]() |
8月21日の早朝、近畿地方に地震が発生した。
震源地は和歌山県北部で、マグニチュードは5.5と推定されている。
とは言うものの、地震の比較的少ない近畿地方の人間にとっては大きい部類の揺れであった。私の住む奈良では震度3くらいだったのだが、4年前の阪神大震災のときと時間帯もほぼ同じこともあり、揺れ始めを感じたとき、直後にもっと大きい揺れが来るのではないかと身構えてしまった。(結果的にはそれほどではなかった。)
その時点では、和歌山が震源だということは分からないわけだが、和歌山は以前、大きな地震が発生してからしばらく経っており、そろそろ起こっても不思議ではないと言われつづけている地域でもある。今回の揺れでエネルギーが発散されたのであればよいのだが。
阪神大震災のときの揺れは、奈良でも相当なものだった。私にとっても、というのは当然だが、両親にとっても生まれてから今までこんな揺れを経験したことが無いほどだった。けれども、その話をうかつに神戸地域の人に話してしまって、
「そんなのは揺れてるうちに入らない。」
と言われてしまった。少なくとも私は、揺れを感じて、起きて、倒れるかも知れないと思った本棚を押さえるだけの余裕があった。しかし私の知人(当時、神戸市東灘区在住)は、家全体が上下に動く感じで、ベッドから落ちないようにしがみつくのが精一杯だったという。
今週初めに起きたトルコの大地震では、がれきの下敷きになっている人がまだ3万人いる、と報道されている。
トルコも震災の多い国で、災害時の初動体制云々ということを政府に文句をいうこともできるのだが、どうも、今、上で書いたようなことが頭を過ぎる。
その揺れを経験していない者が、経験した者をなじることはできないのではないか?
日本ならできる、というのは間違いだ。関東大震災か神戸大震災を被害の中心地で経験した人のみが言えるのではないか。
ちなみに、近畿で「震災」といえば、注釈なしで1995年の兵庫県南部地震を指す。
![]() |
Updated : 1999/08/23
|