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Title : Independence
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Contemporary Files #19990816
独立か残留か
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 コソボ停戦以来、国連で中心になっているのが東チモールの独立問題である。
 チモール島は16世紀以来、ポルトガルの植民地であったが、1974年に独立方針を決定した。これを受けて島内では東チモール独立革命戦線 Fretilin が独立運動を進め、1976年11月28日に東チモール人民民主共和国の独立を宣言した。しかし、インドネシアは独立を認めず、併合した。以来、抵抗運動が続いていた。

 しかし、昨年、インドネシアの大統領がスハルト氏からハビビ氏に交代した直後、方針が変更された。それまでは併合しておくままだったのが、独立を視野に入れた検討を開始したのだ。
 これを受けて国連は、旧宗主国のポルトガルとインドネシアと協議を行い、東チモールの住民に対し住民投票を行い、独立かインドネシアへの併合かを決定することとなった。この選挙運営を円滑に行うために、ミッションが派遣されている。これを国連東チモールミッション(UNAMET)という。現在、住民投票のための有権者登録作業が終わり、選挙のキャンペーンが開始された段階である。

 通常、というか、これまでの多くの独立運動は、住民の多くが独立を望み、それを旧宗主国が押え込むという構図であったのだが、どうも東チモールの場合、住民の間で意見が分かれてしまっているらしいのだ。しかも、賛成派と反対派の双方に死傷者が出るくらいに。しかもそこに国軍とUNAMETがからんで、非常に複雑な状況になっている。
 8月15日付の毎日新聞の国際欄には、東チモール独立革命戦線の軍事組織・東チモール民族解放軍・ファリンテルのタウル・マタン・ルアック司令官の会見が掲載されており、「武装解除に応じるつもりはなく、インドネシア国軍に対し徹底抗戦する」と発言している。

 おおよそ、インドネシアとの経済的・政治的な結びつきの強さによって併合派と独立派に分かれているようであるが、住民投票の結果がどちらに決定しても、その結果を不満とした武力衝突が起こる危険性が高まっている。
 が、それに対する方策はまだ採られていない。。。。


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Updated : 1999/08/16