Location : Home > Contemporary Files > 1999 Title : Big Brother watches you! |
![]() |
手元の最新号のNews Week(1999.7.21号)の特集は「あなたのすべてが見られている」だ。偶然かどうかわからないが、AI Magazine(アメリカ人工知能学会 American Association for Artificial Intelligence のジャーナル)の最新号(SUMMER 1999;Volume20 No.2)の Feature も"Computers Seeing people"だった。
日本で現在大騒ぎの通信傍受法によらなくとも、企業の持つ消費者のデータや、都市のあちこちに設置されている監視カメラやインターネット上で公開されたデータなどをかき集めたら、『1984年』の Big Brother の力を借りずとも住民の様々な情報を入手することができる。それをいやだ、と言ったところで始まらない。既に流通してしまっているからだ。
街頭インタビューで、プライバシー情報の流通を危惧する声が集められたりするが、そのインタビューに答えた人が、例えば何か商品を買ったり契約したりするときに、必要な事項以上のこと(趣味や学歴等)を記入しなかったか、と聞いたらどうだろう、と思う。自分から公開、というか第3者にばらしてしまったことがらは、はたして「プライバシー」なんだろうか。
逆なのかも知れない。
みんなに知られないようにすることが困難であれば、逆に、みんなに知られてもかまわないようにする。つまり、一部の人たちに利用されることだけを防ぐ、というのはどうだろう。
「透明性」を求める気持ちと、プライバシーの保護を求める気持ちは、実は矛盾している。このすり合わせが必要だ。
[Previous] : | 1999/07/12 : | 「保守」とは何か? |
[Next] : | 1999/07/26 : | アメリカよ、アメリカよ! |
[Theme index] : | 科学・技術・コンピュータ |
![]() |
Updated : 1999/07/19
|