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報道によれば、セルビア共和国議会は3日、チェルノムイルジン・ロシア大統領特使と欧州連合代表のアハティサーリ・フィンランド大統領の提示した和平提案を受諾した。その和平案の骨子は以下のようなものであるという。
さて、この中で気になるのは、5番目の「コソボ暫定自治政府の設置」と7番目の「コソボ解放軍の武装解除」である。
どうも日本国内ではコソボ解放軍(KLA ; Kosovo Libereation Army)に関する動向が伝わってこない。
国連難民高等弁務官事務所のサイトや国連 News の記事を読んでいると、「国境付近の戦闘で、難民が越境できない」というような記述が見られる。これは当初、空爆のためだ、と思っていたらそうではない。KLAとユーゴ軍との地上戦なのだ。確かに空爆と言っても、都市全体を破壊するための絨毯爆撃を行っているわけでもないので、時間さえ選べば歩いて越境できるだろう。それができないということは、地上で戦闘があったということだ。
KLAが武装解除に応じるか。これがキーポイントになるだろう。武装解除が進まなければ暫定自治政府の設置も困難であろう。
フォーリン・アフェアーズに掲載された「コソボ紛争は分離独立でしか決着しない」("Kosovo's Next Masters" by Chris Hedges;論座1999年7月号所収)によれば、KLAが率いるコソボは、交渉によってであれ、武力によってであれ、セルビアから分離独立するという形で決着するだろうと見ている。
国際的な治安部隊がコソボに入ったとして、どうやってある人物が KLA の構成員なのかそうでないのかを判別できるのであろう。実はこれから先のほうが大変なのではないだろうか。
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Updated : 1999/06/07
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