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Title : Miss bombing
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Contemporary Files #19990510
それでも続ける空爆
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 NATO軍による空爆で、ここ数日誤爆が続いている。
 7日(現地時間)にはユーゴスラビア東部のニシュの市場や病院が誤爆され、死者15人、負傷者50人と報道されている。そこへ来て8日(現地時間)の中国大使館(ベオグラード)の誤爆である。大使館への攻撃は、通常、その国への攻撃とみなされる。中国がその気になれば一気に戦争になっても、中国側には非はない。
 緊急に安保理が開催されたが、中国側が納得するはずはない。これまでロシアとともに空爆に反対していたこともあって、即時空爆停止を要求している。6日にウィーンでG8(先進8カ国外相会議)における決議採択直後の出来事にあるだけに、中国側の態度が硬化するのも無理はない。

 NATOは「空爆の目標は軍事施設のみ」としているが、百発百中というわけにはいかないようである。
 対空砲火による犠牲を防ぐために、高々度からの爆撃を行っており、ミサイルの巡航制度が高いとは言え、完全とは言えないようだ。アルバニアのティラナには対戦ヘリのアパッチが投入されるなどい着々と地上戦の準備が進められているようであるが、「空爆続行」の姿勢は崩されていない。

 この戦いにおいて、「勝利」とは何だろうか。
 ミロシェビッチにとっては、「負けました」と言わないうちに停戦−いかに戦況が不利であっても−することではないか。NATO側にとっては、ベオグラードを壊滅させて、世界中から非難をあびても、ミロシェビッチが潜伏し、「我々は負けてはいない」といいつづけている限りは「勝った」とは言えない。
 地上戦になった場合は、初期段階で国境付近で行われるであろう攻防と、最終段階で都市部で繰り返される白兵戦で、双方に大きな犠牲者が出るだろう。
 そこまでして双方が守ろうとしているものは何なのだろうか。


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Updated : 1999/05/10