Location : Home > Contemporary Files > 1999 Title : Japan's Trap! |
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2月13日付の日本経済新聞の一面は銀行ネタばかりだった。
トップは日本銀行が12日の政策委員会・金融政策決定会合で短期金融市場の無担保コール翌日物金利水準を「年0.25%程度」から「年0.15%程度」に低め誘導することを決定したことが取り上げられていた。
そしてその横には、金融再生委員会が都市銀行に公的資金投入の仮決定を通知した記事が。
まず前者についてだが、ここしばらく長期金利が上昇しており、このままでは住宅や設備投資が抑制される懸念があるため、この動きに歯止めをかけるためというのが直接の理由であるようだ。そして国債の買い切りオペは据え置きのまま。
また、後者については、投入予定額が7兆4500億円。
要するに、一言で言えば、通貨供給量を拡大したいわけだ。
そうそう、カネは天下の回りもの…のはずだが、それをムズカシイことばで実践しようというわけだな、きっと。
お金の回りを大きくだか速くだかわかんないが、とにかく増やしてみようということか? と考えていると、ふとクルーグマンが気になった。たしか今の日本に必要なのはインフレ期待を高めることだ、みたいなことを言っていたような記憶があったので、彼のOfficial Web Pageへアクセスしてみたら、おお。ぴったりの記事(Inflation targeting in a liquidity trap : The law of the excluded middle)が。しかも2/10更新と来ている。
「(今流れているいくつかの)噂は、日本銀行がインフレ目標を上に設定しようとしていることを示唆している」という書き出しからすると、すでに日銀の決定は漏れていたのか、とも思えるが、読み進んで行くと「日本もやっと自分たちがおかれてる状況がのみこめてきたようでいいことだ」なんて書いてある。で、昔にクルーグマンが書いた"Japan's Trap" (日本語訳は「 日本がはまった罠」にあるよ)で、説明されている「流動性のわな」の仕業だと。ここから逃れるために日本がやるべきことをごていねいに強調してくれている。
どうせ設定するなら高いインフレ率の目標にしなきゃ、ポシャっちゃうぜってさ。
(原文では "So let me say it in capitals : INFLATION TARGETING IN JAPAN WILL FAIL UNLESS THE TARGET IS SET HIGH ENOYGH.")
そうそう、ほっとくとインフレになるから今のうちに使っちゃえ! というくらいの期待インフレ率にしなきゃデフレになっちゃうぞ、ということらしい。どうもここしばらくの日本経済の動きみてると、クルーグマンの言うこと信じたくなるんですけど。。。
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Updated : 1999/02/15
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