Location : Home > Contemporary Files > 1999 Title : Here the Future? |
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小渕首相は18日、経済審議会(豊田章一郎会長)に現状の経済5ヵ年計画(「構造改革のための経済社会計画」)に代わる新しい経済計画・「新たなる時代の姿と政策方針(仮称)」の作成を諮問した。通常の「5ヵ年計画」とは違い、成長率を目標とした「計画」から、社会のありかたを目指す「政策方針」とし、堺屋経済企画庁長官の持論である「知価社会」への転換を目指す、との方針である。
計画名称 | 当時の内閣 | 対象期間(年度) |
---|---|---|
経済社会基本計画 | 田中 | 1973 - 1977 |
昭和50年代前期経済計画 | 三木 | 1976 - 1980 |
新経済社会7年計画 | 大平 | 1979 - 1985 |
1980年代経済社会の展望と指針 | 中曽根 | 1983 - 1990 |
世界とともに生きる日本 | 竹下 | 1988 - 1992 |
生活大国5ヵ年計画 | 宮沢 | 1992 - 1996 |
構造改革のための経済社会計画 | 村山 | 1995 -2000 |
堺屋氏の作品の基本的な特徴は歴史と現在を照らし合わせ、未来への課題を整理するところにある。その基本的な視点を集約すると、おおよそ次のようになる。
日本の高度経済成長期は「モノ余りひと不足」時代であって、スケールメリットが働き、最適工業社会を形成していた。しかしそれは安価なエネルギー・石油に依存したものであり、「油断」によって資源有限意識が高まり、省資源化へ動いていく。そのためにスケールメリットが必ずしも機能しなくなってしまった。そして「モノ不足知恵あまり時代」に突入した。
今後はエネルギーよりも知恵を大量に使うものが受け入れられるようになり、知恵の値うち(知価)が成長と利益の源泉になっていくだろうとしている。それが堺屋氏の言う「知価社会」である。
その社会の具体的なイメージと、そこへの改革方針は『知価社会』『三脱三創』『千日の改革』『日本革質』に詳しい。
しかしながら、最適工業社会−堺屋氏は日本があまりにも工業社会に最適化しているがために、新代への動きへの対応が遅れがちになってしまっていると指摘している−が必ずしも意図した結果の産物ではないことを考えると、いくつかの社会の動きがうねりとなって「知価社会」と呼ばれる社会になることはありえても、政策でそこへ誘導するというのはかなり難しいように思うのだが。
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Updated : 1999/01/25
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