では、具体的な処理について順を追って説明しましょう。
まずは6秒の露出の写真から料理しましょうか。
6秒の写真はトラペジウムが再現できています。ですから、まずはこの美しい元画像はそのまま使う事にしました。後で元画像から中間調の絵を作って重ねる訳ですが、その1枚に6秒露出の元画像を残したという事ですね♪
で、6秒露出の元画像から一枚中間調の絵を作ります。
その前にレベル調整をしてみましょう。
レベル調整は大抵の画像ソフトについている機能です。画像のヒストグラムを見ながらダイナミックな絵を作り出す作業です。具体的には撮影された絵の中で一番明るい所を真っ白に、一番暗い所を真っ黒にする作業です。
しかし、こう書くと何だかむつかしそうですね。実際にはめちゃ簡単な作業です。
画像ソフトのレベル調整(大抵がこの名前だと思います)を開きます。
するとヒストグラムと言いまして、この絵がどれだけ明るいか暗いかが一目で分かる棒グラフを表示してくれます。
さて、ヒストグラムを見ますと星の場合は大抵、ぐちゃっと寄っています。
地上の風景なんかを撮りますと、いくぶんかどこかに寄っている事はあってもそこそこに明るい所から暗い所までばらついています。
星の場合はかなりぐちゃっと寄っていますから、実際に絵が表現出来るダイナミックさが全く生かされていない事になります。
なもんで、表現出来る範囲をぐっと広げてあげます。
元の絵
レベル調整後
正直なところ、大して処理前と後で変化が見られませんね。でも、ここでは小さくして表示していますが元の絵を比べますと随分と違う様に見えます。
上のグラフが「レベル調整」で出てくるヒストグラムです。
グラフの下に黒い▲と白い△があります。黒い三角がこの絵の中でもっとも暗い場所、白い三角がこの絵の中でもっとも明るいレベルになります。一般的にレベル調整を開きますと最初は▲が一番左、△が一番右にあります。
ここでする事は簡単です。下の△と▲をマウスでつかんで動かします。実際にはプレビューを見ながらの作業になりますが、見ながら自分で許容出来る範囲を動かして最良のポイントを見つけて下さい。こればかりは口でいくら言っても仕方がありません。自分で動かして最良ポイントを探してみて下さいね。
さて、レベル調整が終わりましたがこのまま合成に使用しますとトラペジウムの周囲が明るすぎてせっかく6秒露出で捕らえたトラペジウムが埋もれてしまいます。埋もれない様にトラペジウムの周囲の明るさを落とす必要があります。そこで出て来るのがトーンカーブ調整です。
ステライメージでもフォトショップでもトーンカーブ調整はあります。又一般の画像処理ソフトにも大抵入っています。トーンカーブなんて言葉を使いますと「そんな、とんでもなくむつかしそう!」と思ってしまいますがご安心下さい。マウスでつかんでフニフニするだけですから。笑
上の修正後の絵を使ってトーンカーブ調整をします。
調整前
調整後
うううん・・・・。こうやって小さくしてしまうと違いが・・・。よう分からん・・・。笑
何が違うかと言いますと全体的に淡くなっています。なってません? ま、いいや・・苦笑
ここで、6秒露出のトラペジウムが明るく輝いている絵と、それから作った全体的に淡くなった絵の2枚が出来た事になります。この後は60秒露出の絵を使って同じ様にレベル調整とトーンカーブ調整をかけて最終的に合成して出来上がりの予定です。
ここからは、また別のページに飛ぶ事にします。
続く
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