以下記者発表資料(高取町教育委員会作成)より
観覚寺遺跡第7・8次調査概要
●おもな遺構
大壁建物(部分) 7棟
オンドル 2基
大壁遺構(部分) 3ケ所
石組み方形池
石敷き通路状遺構
掘立柱建物柱穴 多数
●出土遺物
銅製刀金具、須恵器・土師器片(韓式系土器含む)・製塩土器・馬歯
●概要
(大壁建物1)
東西8m、南北10mのやや台形の大壁建物。
西側と南側の壁溝を確認したが大壁7に切られていた。壁溝の幅は50cmで、直径20〜30cmの柱の掘形痕跡を蜜にもつ。
西の壁溝の外側にはオンドル用のかまどをもつ。オンドルは、かまどを利用した楕円形の焚口、石組みのL字形の煙道、
建物内をめぐる煙道や煙溜りが確認された。
(大壁建物2)
東西10〜12m、南北10mの台形の大壁建物。
ほぼ全体が確認されたが大壁建物1と方形池に切られている。壁溝の幅50〜80cmに柱の直径30cmの掘形痕跡をもつ。
北壁東角壁下にはオンドル用の焚口があり、屈曲した煙道をもつ。
(大壁遺構1〜3)
4次調査で検出された南北方向の直線的な壁溝。
溝幅は40〜50cmで直線は最長26mを測る。大壁遺構3は南北直線20m以上で西側に8m以上屈曲する。
溝内から7世紀の土器が出土。遺構の性格は区画のための土塀か。
(石組み方形池)
東西5m(内法4m)、南北4m(内法3m)の長方形で角は丸い。
もともと谷池形に堆積した石群を四角くカットし、南西角に上流から湧き水を引き込み貯水したと考えられる。
残存の深さは40cmで裏込めの石や粘土が露出し残存状態はよくないが一部に石組みが確認される。
また自然の石溜りと人工的な暗渠により、貯水を北へ排出したと考えられる。
(石敷き道路状遺構)
8次トレンチで確認された。最大幅6mの道路状遺構。
トレンチの北西から南東へ12m検出された。
南側には幅60cm深さ30cmのU字形の溝も一部検出された。
(掘立柱建物柱穴)
トレンチの西側で多数検出された。
ほとんどが円形で最大の掘形の直径80cm、柱痕跡35cmを測る。建物の形態、規模は不明。
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●関連遺跡
・渡来人集落跡か、大壁建物跡、オンドルも出土(H13.12) 清水谷遺跡
・古代氏族東漢氏の居住地か?(H16.03) 観覚寺遺跡(4次調査)
●参考新聞記事
※「観覚寺遺跡」平成17年9月15日付 奈良新聞
読売新聞