うずくまって動かない
 おう吐する
→ まずは状態をよく観察

 肉食動物である犬や猫はよくおう吐をします。おう吐にも生理的と呼べるものから、急を要する非常に深刻なものまであり、冷静に観察してそれが急を要するものかどうか、ある程度の見当をつけることが必要です。1度おう吐しているところを見つけても、まずはもうしばらく様子を見てみます。1度吐いただけで後はけろっとして元気も食欲もある場合には特別な処置は必要のないことがほとんどですが、1日に何度も何度もおう吐する時や下に書かれているような症状をともなう場合には、動物病院を受診しておう吐の原因を調べる必要があります。

 (1) 1日のうちに何回もおう吐する
 (2) 何回もおう吐し、元気食欲がまったくない
 (3) 何回もおう吐し、激しい下痢をともなっている
 (4) 何回もおう吐し、苦しそうにぶるぶる震えている
 (5) 水を飲んだ後や餌を食べた直後におう吐する

おう吐にともなってこれらの症状が認めれるときには、毒物による中毒、腸閉塞、食道の梗塞、急性膵炎、異物を飲み込んだ、などの可能性が考えられます。この場合は時間が経過すると致命的な状態になることもありますので、できるだけ早く動物病院に連れて行き、診察を受ける必要があります。

上の(1)〜(5)に書かれている症状がないようでしたら、まずは餌の量を普段の半分くらいにして様子を見ます。人間用の薬を安易に与えてはいけません。

→ ただちに病院へ

 この状態も緊急を要します。前の章と同じくさまざまな原因が考えられますが、時間が経過すると救命できなくなる可能性もありますので、動物の状態をよく観察してできるだけ早く動物病院に連れていってください。また、このような状態の時には痛みなどの苦痛が非常に大きい場合もありますので、動物に触れるときには噛まれないよう充分に注意してください。