Location : Home > Contemporary Files > 2005 Title : Terrorist is there. |
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JR尼崎・列車脱線事故以降、鉄道が平気で遅れるようになったような気がする。まあ、「平気で」とは言いすぎなのだろうが、これまで遅れていなかった時間帯・路線の鉄道も3分程度の遅れがザラに発生するようになった気がする。事故られるよりはマシではあるんだがな。もちろん発車間際に飛び込み乗車する乗客とか、乗り降りの邪魔になるようなとこに立っているのにちっとも避けようとしないふてぶてしい客とかのせいもあるんだろうけど。まあ、その程度ならいいか、と日本人の大多数が思えるようになればいいのかも知れん。
それよりも気になっているのは、尼崎・列車脱線事故以降、置石だの置自転車だのが増えたと報告されていることだ。ひょっとしたら小さい石なら運転手も気づかずに跳ね飛ばしてしまっていて、報告にすら上がっていないのかも知れない。
まあ、このページを見るような酔狂な方は、刑法の次のような項目をどっかで見たことがあるとは思うんだけど。
- 第125条(往来危険)
鉄道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせた者は、二年以上の有期懲役に処する。
2 灯台若しくは浮標を損壊し、又はその他の方法により、艦船の往来の危険を生じさせた者も、前項と同様とする。- 第126条(汽車転覆等及び同致死)
現に人がいる汽車又は電車を転覆させ、又は破壊した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2 現に人がいる艦船を転覆させ、沈没させ、又は破壊した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪を犯し、よって人を死亡させた者は、死刑又は無期懲役に処する。- 第127条(往来危険による汽車転覆等)
第百二十五条の罪を犯し、よって汽車若しくは電車を転覆させ、若しくは破壊し、又は艦船を転覆させ、沈没させ、若しくは破壊した者も、前条の例による。
要約すれば、置石(みたいに線路に障害物を置く行為)をして、列車を危ない目にあわせたら2年以上の懲役、実際に転覆したら3年以上(無期を含む)の懲役、それで人が死んだら死刑、または無期懲役ってことだ。…が、実際に置石をした人間がこの通りに処罰されているのかってよくわからんなぁ。もちろん踏み切りで車が立ち往生して列車と接触、なんて場合にはこれが適用されてるんだろうけど、たとえば子供のいたずらだとか、最近ニュースでもやってた、酔っ払った大人が置石するとか、自分も脱線させてみたいと置き自転車するヤツとか、あれってどうなんだ?
事故が実際には起きていないから罰することはできない、ということなのか?
じゃあ、そういうのって、実際には、事故が起きないと罰せられないってことなのか?
この点に関して読者より指摘あり。
往来妨害の罪には未遂罪の規程があるので、置石等の行為自体が処罰されるらしい。
Special Tanks > 電視台さん
うーーん。まあ、実際の行為が結果を生んでいないにもかかわらず、その行為をしたということだけでとっ捕まえたり処罰したりってのは、一般にはあってはいけないことだ。交通事故を起こすかも知れないからって自動車に乗ってる人を逮捕するなんてのはナンセンスだ。けど、飲酒運転は、事故を起こしたか否かにかかわらず検挙の対象になる。それはそのままほっておいたら重大な事故になるかも知れないという行為を未然に止めたいからだ。
線路への置石ってのは、その動機がなんであれ(いたずらであろうが酔っ払いの行為であろうが)、その行為がもたらす危険は明白だ。道路に蛙を置いて車に轢かせて遊ぶのとはわけが違う。列車は線路の上から回避することができないからだ。(まあ、置石されない工夫とか、されても察知する工夫とかは必要だけれども。)
そこで、だ。
置石行為は、多数の死傷者を生じさせ、交通機関を麻痺させることを企図したテロ行為である。
…と考えてみよう。というか、妙な設備をそろえてサリンとかを作らなくても、高い原料をかき集めて原爆なんて作らなくても、石1こあれば、100人規模で殺傷できる行為、なんだよ。
まあ、今のところ問題にされてないけど、仮に、千葉県のJR東金線で、置き自転車した犯人がだよ、ある特定の組織に属していたと報道されたら、それだけでみんな目の色変わったはずだよ。
前から思ってるんだけど、なんか事件が起こったときに、「元○○が」なんて肩書きがでることあるけど、それって「元」なんだから、その「○○」の属していたところの人がおかしいような報道って変だよなぁ。
仮に犯人が元巨人ファンだとして、「元巨人ファンが置き自転車」とか報道されたら変でしょ、やっぱり。その所属組織が組織的に指令を出してそういう行為をさせた(もしくは過去にそういう事例があった)場合を除き(その場合は教唆とか共謀共同正犯とかなんとか別の調べ方をせにゃならんだろうが)、そういう妙な書き方はすべきじゃないと思うんだがな。
日本社会を不安に陥れ、麻痺させたい連中がいたとしたら、その「特攻隊員」は石を握り締めて「置石」してくる。もちろん、脱線しやすい場所を選んで。脱線した場合にも犯人は特定しにくいだろうし、失敗した場合の、その連中の損失がない。仮に置石中に見つかって捕まっても、「酔っ払ってました」とか「いたずらで」とか言ってしまえばおしまい…ってことにはなりはしないか。
もっと、置石については未必の故意−行為者が、罪となる事実の発生を積極的に意図ないし希望したわけではないが、自己の行為から、ある事実が発生するかもしれないと思いながら、発生しても仕方がないと認めて、あえてその危険を冒して行為する心理状態。−を厳しく問うことにしてくれんかなぁ。
まあ、私は単に、安心して列車に乗りたいだけなんだけどね。
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Updated : 2005/05/25
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