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Title : Lion heart
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Contemporary Files #20010617
らいおんはーと
/ BBSへGo! /

 小泉内閣のメールマガジン(以下「メルマガ」)の読者が100万人を超えたということがニュースになっている。かく言う私も登録して読んだのだが、創刊号は事実上、挨拶程度の内容だ。気の早いマスコミは既に創刊号の感想のアンケートをとっている。こういうアンケートをしようと考えるほうも考えるほうだが、聞かれて「おもしろい」と答えるほうも答えるほうだと思う。というのは、メルマガにしてもメーリングリストにしても、過去ログをしばらく読んで吟味しない限り、読みつづけるに値するか否かなんて判断できないものだ。たった1回、しかも創刊号だけで面白いかどうかなんて判断しようがないのだ。
 フリーのメルマガ作成サービスはいっぱいあるから、そういうものを立ち上げるなんて、朝飯前のこと。問題はそれをいかに継続し、読者を引きつけ続けることができるか、である。これは並大抵の努力ではない。まあ、スタッフがたくさん確保できるなら質や量の確保は容易だろうが、とにかく、1回の配信で判断できるものではないのだ。

 それから、確かにメルマガとしては登録者(それが全て「読者」かどうかはさておき)が多いのは事実だが、国が公式に出す情報として考えた場合には別の観点がありうるのではないか。というのは、有権者のうち、たったの100万人しかそこで記述される情報に浴していないということの意味を考えてみる必要はないのだろうか。
 まず1つに、マス=コミを通さずに直接有権者に内閣の考えが伝えられるということ。ひょっとしたらニュース番組の政治のコーナーとかコメンテータの発言が陳腐に聞こえてしまうようなこともも起こるかも。マスコミでは話題として大きく取り上げているが、実はマスコミは自分の首を絞めているのかも知れない。
 また、こういうメルマガを読んでみようなんて思う「人種」は、おそらくは、それなりに政治意識が高くて、それなりに情報技術があるという人種である。それが有権者の平均像だとは言えまい。読者からの反応を内閣が、国民の代表者の声だと思いこんでしまうのは危険だ。

 ちょっと考えてみてほしい。
 内閣という国の機関が、国民のうちの100万人にだけある情報を伝えるということ。そしてその100万人には内閣へ要望・質問が、議員・議会・行政機関を通さずに届かせる仕組みがあるということの意味を。
 いいかい、双方向性の確保なんて言ったって、それは国民全員に対してじゃないだろ?
 仮に双方向性が確保できたとしよう。そしたら、議員や議会って何してたの? ってことにならないか?


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Updated : 2001/06/17