Location : Home > Contemporary Files > 2001 Title : The Rhetoric of Reaction |
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小泉政権誕生以来、国会答弁中継の視聴率がいいらしい。
私自身は中継をやってる時間帯は会社で仕事をしているのでニュース番組でのダイジェストしか見ていないが、確かになかなかオモシロそうである。
っていうかぁ、今までがつまらなさすぎたってことのほうが問題なわけなんだけれども。
小泉政権は何かをやってくれるのではないか、日本は変わるのではないかという期待感があるのは事実だ。人間の集団というのは客観的な条件がそろったら変わるのではなくて、「変わるんじゃないか」とみんなが思ってしまったときに変わる。その意味で今は、面白い時期に指しかかっていると思う。
でも、まあ、何かの動き・作用(action)があればそれへの反動・反作用(reaction)があるのは世の常で。
アルバート・O・ハーシュマンという政治学者(…と一応言っておくけど、著作を見ると社会学的でもあるし、経済発展の話もしてる)は『反動のレトリック』(法政大学出版会 叢書・ウニベルシタス)という本の中で改革を進めようとする意見に対して、それをつぶそうとする「反動」側のレトリックを3つの範疇で述べている。
これら3つを重ね合せると、厳密な論証を行わなくても、驚くべき説得力を持ってしまう。 反対意見を述べるのではなく、意見をつぶすために用いるレトリック。その意味での「反動のレトリック」。
自分の意見を述べずにただただ反対する人のロジック(と言えるかは怪しいけど)は、おそらくこの3つのどれかにあてはまる。
意見をつぶしたいときは上記のレトリックを利用しましょう。
意見を通したいときは、これらをひっくり返す戦術を考えましょう。
ちなみに原題は
Albert O. Hirschman : The Rhetoric of Reaction, Perversity, Futility, Jeopardy (The Belknap Press of Harvard University Press)
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Updated : 2001/05/14
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