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Title : Leadership
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Contemporary Files #20010325
リーダーシップ
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 今週、森首相が訪米して不良債権処理問題に対し、「半年で結論を」出すと公約したかしなかったかでまたまたもめている。っま、どうせすぐ辞める(はず)だからとでも思ったのか、それとも勘違いしたのか、森さん特有のその場の雰囲気に合わした(!)リップサービスだったのかはともかく、事実上、不良債権処理問題に何らかの処置を半年以内に行うと国際公約したと受け取られているんじゃないかな。(んーー。合衆国内では、日本の首相が訪米したという記事すらまともな扱いをうけてなかったみたいだから「公約」したことを誰も覚えてなかったりして。)
 半年後の首相が現在のままということはないだろうが、ひょっとして、半年後の政権が現野党側に移っていると見越しての「時限爆弾」だったら、なかなかの策略だなぁとは思う。

 冗談はさておき、日本が本格的に経済状態を復活させるには、やはり不良債権はどこの政党のどの政権が行うにしろ、どこかの時点で実施しなければならない。でも、確実に日本社会に大きな痛みを伴う。それでも実施しなければならないだろう…とみんな思い始めている。政治にリーダーシップを求める声が高まり始めている風潮を感じる。こういう、将来の社会のためには必要だけれども現在の有権者には少なからず犠牲を強いるような政策を実施するだけの覚悟をもった政治家というのが、少なくとも、現在名前が挙がっている中にはいないのではないか?
 マス=コミとか知識人とかが「政治がリーダーシップを」とよく口にするけれども、だからって本当にリーダーシップを発揮する人が現れ、少なからぬ犠牲を現代の世代にもたらす政策を実行したら、きっと「政治がリーダーシップを」と口にした人たちは「独裁的だ」と難じるに違いないのだ。

 正直なところ、私は今いる政治家の中ならこの危機的状況を収拾していく人物が現れることなんて期待していない。政治になんとかしてもらおうと思っているうちは、やっぱりダメのような気がする。人間の生き抜こうという底力っていうのを私はかなり楽観的に信じていて、健全にビジネスを行いたいという情熱が、やがて風穴を開けるんじゃないかと考えている。今後数年の間に現れてくる「リーダー」というのは、大仰なビジョンとやらを掲げてそれにみんなが平伏するようなタイプではなく、「なんか、この人がやろうとしてることって面白い。何かが変わっていきそうだ。」と多くの人(大半となるかどうかは不明)に思わせる要素を持ったタイプのものだろうと思う。ビジョンの正しさというよりは、とにかく機能しそうだ(It works!)ということ。
 だいたい、バブル崩壊後10年間もかなりの公共投資とか注ぎ込んで景気回復させられなかった永田町の皆さんは十分無能だってことがわかったんだから、この際、議員数を全部とは言わないまでも半分くらいに削減して、浮いた歳費を不良債権問題解決につっこむってのはどうだ。(ああ、まだまだ足りないか。。。)


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Updated : 2001/03/25