Location : Home > Contemporary Files > 2001 Title : Humanright Awareness in Japan |
![]() |
ある人が言うには、服役囚と精神病患者とハンセン氏病患者がどのように扱われるかでその国の人権感覚がわかるらしい。ちょっと考えてもらえればわかるが、基本的な対策は隔離だ。戦前には「癩予防法」という法律に基づいて結構無茶なことをやっていたという報告がある。いきなり拉致→隔離ということもあったそうだ。
13日の新聞(我が家で購読しているM日新聞では1面)に、ハンセン病患者の強制隔離政策の見直しの時期(1949年ごろ)に、当時の療養所の所長が隔離の継続を主張したという内部資料が厚生省で見つかったという記事が載っていた。1943年にはハンセン病の治療薬・プロミンが合衆国で開発され、治癒すれば社会復帰させるというのが潮流になっていたにもかかわらず、だ。HIV問題を生んだ加熱製剤をめぐる討議を彷彿とさせる。
内部資料が見つかったのと同じ日に、熊本地裁でハンセン病国家賠償訴訟の口頭弁論が行われていた。もちろん伝染性の高い病気(法定伝染病)に関しては、何らかの方法で隔離して、疾病の拡大を最小限に留めるということも必要な面もあるだろう。(ただし、ハンセン病は本当は伝染力は弱い。にも関わらず強制的に隔離されていたのだ。) しかし、そこに行きすぎはなかっただろうか。そしてその傾向は過去のものではないのかも知れない。
![]() |
Updated : 2001/01/14
|