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Title : Farewell to Arms ?
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Contemporary Files #20010107
武器のあふれる地球
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 年始の最初の週はそんなにニュースはないものだと思っていたら、週末になっていろいろと気になるのが同時多発してきた。

 1つは、ロシアが最近、中距離核ミサイルをカリーニングラード州に移動させたという報道だ(3日付ワシントン・タイムズ紙)。ロシア側は否定しているが、もし本当ならばカリーニングラード州はバルト海沿岸の、ポーランド・リトアニアに挟まれたロシアの飛び地であり、要するにNATO加盟国に最も近い場所に核兵器を配置したことになる。
 一方、イギリスでは4日、国防省が市街地で1人で扱うことのできる小型の新型爆弾の開発に着手したことを発表した。3階程度の建物なら全壊させられるだけの破壊力を持つという。また全壊させられなくとも、発生する衝撃波と熱、及び爆発に伴う急激な酸素消費で建物内の生物は窒息状態になるなど、極めて殺傷能力が高いと報じられている。
 また、一昨年のNATOによるユーゴ空爆で劣化ウラン弾を使用疑惑問題でコソボに調査に入った国連環境計画(UNEP)の報告によると、自然放射能の100倍以上の放射線反応があった場所もあったという。以前より、コソボから帰還した兵士が体調不良を訴える場合が多いなど、劣化ウラン弾の使用疑惑があったのだが、今回それが確認されたことになる。不発弾等も回収されていないため、住民や帰還兵の健康に大きな影響があると考えられる。

 武器開発というものは、仮想敵(及びその戦闘形態)があって初めて成立する。どこのどういう敵をどういうシチュエーションでどういうふうに殺すか、という検討の元に、開発がなされる。
 では、その倒すべき「敵」とは誰のことなのだ?


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Updated : 2001/01/07