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Title : COP6
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Contemporary Files #20001127
COP6決裂
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 オランだのハーグで開催されていた気候変動枠組条約第6回締約国会議(地球温暖化防止ハーグ会議;いわゆるCOP6)での会議が決裂した。
 第3回会議が京都で開催された際に採択された内容(いわゆる京都議定書;The Kyoto Protocol)を実施するための、具体的なCO排出量の削減の具体案を決めるはずだった。京都議定書では2008年から2012年の間に1990年の値を基準として日本は6%、合衆国は7%、EUは8%の削減を義務付けられている。単純に考えれば、COを排出しそうな行動をできるだけ抑え、代替の方法を研究・実施し、仮に排出したとしても、その排出量あたりのパフォーマンスを上げる研究を行うなどの正攻法を取ればいいのだが、どうも今回の決裂はちょっと違う。

  1. 先進国の排出枠の売買制度を認める範囲
  2. 森林によるCO吸収量の評価方法
  3. 達成できなかった場合の罰則

というのが問題だったようだ。

 1つめは、出していい量(でオーバーしちゃいそうな分)を出さずに済むところから買い取るのはいいとして、その量に制限を与えるのかどうかということ。もし与えないなら、金さえあれば全然努力しなくても、達成できちゃうので、CO発生量を減らすという本来の目的には反するんじゃないかということ。
 2つめは、COを出しても、COを吸収することができたらそれで差し引きしてもよい…んだけれど、ホントにそれだけ吸収したかなんてわかんないので、どうやって計測(はっきり言って計算)するのかってこと。
 そして3つめは、それでもできなかったらどうすんだ、ということ。その罰則が甘かったら−たとえば排出権取引するより罰金が安いなら−努力せずに罰金払っちゃうよということになりかねない。

 …ん、でも、これって、全部、単純にCOを減らすという正攻法じゃなくて、出しちゃった分をどうごまかすかって話のような気もする。
 仕事にからんで、以前、LCA(Life Cycle Accesment)で発生するCOの量を計算したことあるけど、結局、燃料消費量×発生原単位ってのが基本。この発生原単位(燃料1単位あたりどれだけCOが出ちゃうかという係数)がミソで、はっきり言って、発表する研究機関によって異なる。そのどれを採用するかで、おおもとのCOの発生量自体が異なる。だって、発生したCOの量なんて、完全把握は不可能だもん。


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Updated : 2000/11/27