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Title : The disproportionate weight of single votes
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Contemporary Files #20000911
一票の格差
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 ちょっと更新が遅れたけれども、先週分を書こう。

 先週の記事で気になったのは、98年の参議院選挙で最大の一票の格差が4.98倍であったことが違憲かどうかが争点として争われた裁判で最高裁の判決が出て、「立法裁量権の範囲」ということで合憲ということになってしまった。
 これまでの参議院の定数(による一票の格差)に関する最高裁判決では、最高で5.56倍でも合憲(1986年の選挙に対するもの。判決は88年10月。)という判決が下っているので、それと矛盾しないための結果なのかも知れない。92年の選挙に対して行われた訴訟では格差が6.59倍に達しており、これは違憲状態とされた。…ということは6倍くらいにならないと「違憲」という判断が下されないらしい。

 例えば合衆国の下院は人口に比例した議席数だけれども、上院は各州2議席である。こういうふうになんらかの根拠で設定されているならまだしも(もちろん、合衆国と同様にせよとは主張しないが)、衆議院だと3倍程度で違憲で、参議院だと6倍程度というのは輪をかけて腑に落ちない。
 理論的には票の格差が1倍(=完全人口比例)でない限りは、平等とは言えない。まあ、現実的には選挙の間隔と、その間の人口変動の速度などの問題で常に1倍にするのは難しいにしても、せめて2倍以内、贅沢を言えば1割以内(…この数字も根拠ないな)の誤差に留めるべきではないのか。参議院は衆議院とは性格が異なるというのであれば、何が異なっていて、それを制度として保障するにはどのような条件であればいいのかをじっくり選定する必要があるのではないのか。単に「5倍だからOK」とか「6倍だとダメダメ」とか言ってないで。それが、「憲法の番人」の役割ではないのか。


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Updated : 2000/09/11