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Title : Diamonds
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Contemporary Files #20000717
ダイヤモンドは危険な輝き
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 アフリカ西部のシオラレオネでは、昨年の和平協定(ロメ和平協定)により長年の内戦状態に終止符が打たれたはずなのだが、今年になって反政府勢力・RUF(革命統一戦線;Revolutionary United Front)が国連平和維持軍に攻撃をしかけるなど、緊迫度が増している。このRUFの活動資金源はダイヤの不正取引であると言われている。今年の5月にシオラレオネ政府側はRUFの指導者・サンコー氏の身柄を捕捉しており、邸宅などから押収された書類などから実体が明らかになりつつある。RUFが平和維持軍に攻撃をしたのも、RUFのダイヤ鉱山地域に入ろうとしたからだとも言われているくらいだ。

 ダイヤ取引の最大手であるデ・ビアス社の推定によると1999年の宝飾用ダイヤ原石の生産額は68億ドルで、そのうち4%程度が不正取引によるものだとしている。関係各国ではこれらの紛争地域の反政府活動の資金源となっていると思われるダイヤ取引の排除に動き出した。国連の安全保障理事会でもRUFの不正ダイヤ取引を非難する決議を採択した。このような流れを受けて、デ・ビアス社もダイヤ価格維持策を放棄し、取引の透明性を高めるとの声明を12日発表した。デ・ビアス社は一時は宝飾用原石生産の90%以上のシェアを持っていたが、今では直轄で40%程度、他の鉱山業者からの購入で60%のシェアを確保している。これまではデ・ビアス中央販売機構(ロンドン)が準備するパッケージで取引するため、かなり人為的な価格形成が行われていたが、これを準じ緩和しようと言うものだ。

 とはいえ、すぐにダイヤの価格低減にはむすびつかないようではあるが。


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Updated : 2000/07/17