Location : Home > Contemporary Files > 2000
Title : Seventeen
Site:Felix Logo
Contemporary Files #20000506
17歳
/ BBSへGo! /

 ゴールデンウィーク中、大騒ぎだったのは愛知の主婦殺人事件と西鉄バスジャック事件。両方とも容疑者(まあ、現行犯とも言えるけど、罪状が確定するまでは「犯人」ではないという推定無罪を遵守しておく。)の年齢が17歳であり、学業優秀・品行方正であったらしい。
 こういう未成年による凶悪事件が発生するとワイドショーはすぐに管理教育のせいにしたがるんだけど、もし完璧に管理が行き届いてたらこんな事件、起こんないって。逆に「ゆとり教育」だとかで、部分的週休2日制(月に2回だけ土曜が休みになるってやつ)になってからこんな事件増えてたりして。だれか調べてくれないかな。いつも思うんだけれども、どうして、こう、ワイドショーは教育のせいにしたがるのかねぇ。
 「本当の犯人」がほしいんだな、きっと。犯行に及んだ少年も実は「社会の被害者」なんだ、少年の家族も精一杯育てただけなんだ、それなのに社会が、学校教育が、偏差値社会が彼をゆがめたんだ!! って言いたいんだろう。違うな、それは。だったら、どうしてそれ以外の圧倒的大多数の17歳の少年はどうしてバスジャックしないの? 「人を殺す経験をしてみよう」としないの? がまんしてるだけ?
 今日(6日)のサンデー・モーニングで誰だか面白いことを言っていたな。未成年の凶悪事件も、ちょっと前までは、普段はそれほどでもないけれども、ある瞬間にキレて、ほとんど発作的・衝動的に犯行に至っていたのが、今では「壊れ」てしまってると。「キレた」場合はその瞬間だけなのでなんとか正常に戻れるんだけど、「壊れ」ちゃうともう復帰は出来ない、と。で、その原因は社会の「建前」と「本音」の乖離らしい。
 もし、本気でそう思うなら、社会が諸悪の根源だと思ってるなら、まぎれもなくその社会を構成している、その発言者自身が、容疑者の少年に謝罪すればいいじゃないか。

 違うぞ。凶行を犯した責任は、何をどう言いつくろっても、実際に凶器を振り回して人を刺した側にある。未成年であろうがなかろうが。情状酌量する余地があるのかないのかはそれぞれの人の判断によるんだろうけど、犯行の根本的な責任を人を刺した人間以外に向けるのって(教唆したヤツがいれば別だけど)、亡くなった方をもう一度殺してると思うぞ。


[Previous] : 2000/04/23 : 終わらない被曝
[Next] : 2000/05/15 : The Challenged
[Theme index] : 日本社会関連
Site:Felix Logo
Updated : 2000/05/06