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Title : Endless distress
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Contemporary Files #20000423
終わらない被曝
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 「被爆」とは、純粋な語義としては、爆弾を(戦闘機・爆撃機から)受けることである。ただし、特に原水爆の被害を受けることを指す場合が多い。「ヒバクシャ」はこちら、「被爆」の漢字を用いる。これに対し、「被曝」とは核分裂または核融合により発生する放射線を浴びることである。爆弾によるものでない場合にこちらを用いることが多いが、どちらかといえば学術的な用語かもしれない。どちらにしろ、一定量以上の放射線を浴びたら身体に異常を来すことには変わりはない。
 ヒロシマ・ナガサキ以降、戦争下での原水爆の使用はなかったという意味では、「被爆」はここ50年以上起こっていないと言える。しかし、「被曝」は終わらない。各地で行われる核実験だけではない。原子力発電所関連施設での事故である。

 そして別の意味でも被曝は「終わらない」。
 一旦「被曝」したことにより、身体が細胞レベルで破壊され、絶望的なほどに回復不可能にしてしまうからだ。
 今週、ロシア保健省が発表したところによると、1986年4月に起きたチェルノブイリ原子力発電所事故を処理した作業員のうち、これまでにわかっているところで3万人以上が死亡していると報告した。しかもその38%が自殺であるという。

 チェルノブイリ原子力発電所の事故からは、この26日で14年が経つ。それでも被曝した苦しみは終わらない。


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Updated : 2000/04/23