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Title : Police
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Contemporary Files #20000305
温泉に行ってたって騒いでるところなのかねぇ。
/ BBSへGo! /

 たぶん、先週の新聞・TVで一番うるさかったニュースは、恐らく、新潟で起こった女性拉致監禁事件をめぐる一連の新潟県警の不祥事と、それに対する処分の甘さ、及びその「処分の甘さ」の責任を追及する動きだったと思う。

 ま、それはそれであきれてものが言えないんだけれど、何と言うのか、騒ぎかたがどうも、と思う。
 警察の初動捜査のミス。
 そのミスの隠蔽工作。
 これは断固として追求されるべきこと。
 けど、なんだかここ数日の報道って、問題の警察トップが辞任(懲戒免職じゃない)ので退職金が支払われるのはけしからん」とか、そういう処分は甘いとか、それを取り締まる国家公安委員会の委員の給料が高いとか、そんな方向に話がいってしまってる。
 退職するときの退職金の支払規程に従えば、どういう役職の人が勤続何年だからいくらとかは法律だの条例だので決まってんでしょ? 一般企業だって、ちょっとプロジェクトでミスして辞めた人間にも「依願退職」だからって退職金払うとこって少なくないんじゃないの? 会社に迷惑かけたんだから即刻−っていうのは無理か。30日以上前に言えばよかったんだったっけ?−免職というのも不可能じゃない。決められた手続き上は、退職届が提出されたんだったら、人事の事務方としてはそれに沿った手続きを行うだけってことじゃないか。それがマズイというのなら、法律なり条例なりを変えろという議論になるべきなのね。この意味で「退職金が支払われるのはけしからん」という意見はけしからん。手続き上は問題ないはずよ。
 何だかねぇ、それを問題にしたがる人の精神のガメツさが見えてきてヤだなぁと言う感じ。
 「官僚が不祥事で辞めた」→「退職金はいくらだ?」→「なんでもらうんだよ!」という発想の連関って下世話だよ。それを責めたって、たとえば私の退職金が上がるわけじゃない。人の財布の中身なんていちいち知らせてくるなよ、マスコミ諸君。
 話が逆じゃないのかなぁ。
 高い給与水準の者はその水準に見合うだけの職務を果たす義務がある。そのための権限も与えられてるはずだ。それをまともに行使したのか。行使できるだけの能力と見識があるのか。問われるべきなのはその点。それが満たされないのなら、処分されるべき。そういう仕組みが現状では難しいと言うのなら、どういう仕組みを準備すれば機能するのか、どういう人間をそのような判断するポストに据えればいいのかっていう、前向きな議論がないじゃないか。
 県警本部長のクビを挿げ替えても、警察庁長官が減給されても、問題のどの部分が解決されたって言うわけ?

 でもさ、頼むからこんなことで国会の弁論時間を使うなよ。
 「警察庁長官を処分」なんて記事が新聞の一面を飾っている片隅で、「与党3党のプロジェクトチームが政府に有事立法着手を申し入れ」なんて記事が書いてあったりする。これは3党の連立時の合意事項に基づくものではあるけれど、こっちのほうがこれからの日本のありかたにとっては重要なんだってば。

 温泉に行きたきゃ行かせとけばいいから、真面目に議論してね。>国会のセンセ方。


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Updated : 2000/03/05