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Title : A woman with green eyes
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謀婦

【概要】

 楚の懐王は送られてきた美人をたいそう気に入った。懐王の夫人である鄭袖も、夫の意を汲んでか、その女性を大切に扱った。
 ある日、夫人はその女性に対し、1つの助言をした。

 「王はあなたの鼻を気に入ってないみたいなの。だから王の前では必ず鼻を隠しなさいね。」

と。その女性は、夫人がいいことを教えてくれたと思い、その通りにした。
 けれども懐王はそんなことを知らない。自分の前で必ず鼻を隠している女性の仕草の意味を夫人に聞いてみた。

 「彼女はなぜ私の前で鼻を隠すのかね。」
 「知っていますよ。あなたの体臭が我慢できないそうです。」

 それを聞いて激怒した懐王はその女性の鼻を切り落とす刑に処した。

人を落とすにはまず持ち上げよ

 読みようによっては、女性の嫉妬は根深いから気をつけようね…とも読めるが、おそらく取り上げられた趣旨としては、人を蹴落とすためには、その対象の信頼を得、その人のためになるかのような進言をし、ある行為をとらせることで失敗に導くという戦略(?)のことを指しているのだろう。『戦国策』を通じてこの手の策謀は数多く引き合いに出される。

 はめられた女性にしてみても、(言ってみれば夫の寵愛を奪った相手だから冷たくしてもいいところを)やさしくしてくれる妃の助言だから信じて行動した。ただしその行為の意味がすぐにはわからない行動をさせた。
 一方、懐王にはその行為の意味がわからず、疑心暗鬼の状態になっている状況にしておいて、その不安を解消させる言葉を囁く。

 この策のいやらしさは、仕掛けられたほうは仕掛けたほうを信じており、その言葉に従った行動をしているという点にある。

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Updated : 2006/01/31