アトピー性皮膚炎の原因は? Return
アトピー性皮膚炎は外来の抗原に対する生態の過剰反応ととらえられます。たとえば風邪ひきを考えてみましょう。ウイルスが気管に入り込み、気道粘膜細胞やリンパ組織の細胞に感染します。1〜2週間たつと、ウイルスは細胞内で増殖し、細胞を破壊して一斉に周辺へ進出してきます。生体側はこれに対し、免疫系を活性化し、同時に高熱を出してウイルスが増殖しにくい環境を作り出します。自分を守るために生体は発熱するのですが、その程度と期間によっては生体はむしろ疲労してしまい、免疫機能が落ちてさらにウイルスの増殖を許してしまうこともあります。いわゆる、こじらせるという状態がこれです。生体はこの様に、元来自分以外の構造をもった分子、いわゆる抗原に対して炎症、免疫反応を自ら起こしてそれを排除しようという優れた機能を備えているのです。ところがこうした免疫反応が不必要に起こったらどうでしょう。皮膚科にはシェーグレン症候群や全身性紅斑性狼瘡(SLE)、進行性全身性強皮症(PSS)の患者さんも来られます。これらの患者さんでは、免疫細胞が間違って、自分の体を構成している細胞の一部を抗原と誤って認識しており、自分で自分を攻撃してしまう、そういう難病に苦しんでおられる方がいます。間違った免疫反応のためにつばが出なくなったり腎臓が悪くなったり、手足が動かなくなったりします。アトピー性皮膚炎ではこうした大きな障害は起こりませんが、病気の機序、誤った免疫反応によって起こるという点ではにています。ただし、アトピー性皮膚炎患者さんの免疫細胞が攻撃するのはウイルスや、自分の細胞ではなく、人間が太古から共存してきた、生体が異物とは認識しているのだけれども相手にしてこなかった物質、ダニの死骸やカビ、スギの花粉などを目標に攻撃してしまうことによって病気が惹起されているのです。なぜ、何故に近年こうした誤りをおもちの方が増えてきたのかは全く不明ですが、私は漠然と、我々が甘受してきた西洋文明、機械文明、消費文明の遺産なのではと思ってはいますが。
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