袍(ほう)

 正式な儀礼の場で着用する束帯のうち、一番上に着るのが袍(ほう)です。
 脇を縫い合わせた縫腋袍(ほうえきのほう)は文官用、縫い合わせない闕腋袍(けってきのほう)は武官用で、位階によって色が決まっていました。
 




 右図には、束帯姿の男性が描かれています。冠をかぶって黒の袍を着ています。


                        「紀貫之像」(部分)
 
        本展覧会には展示しておりません

 


直衣(のうし)


 直衣は男子の平常服として広く用いられた服装です。
この時の袍には好みの色を使うことができたため、「雑袍(ざっぽう)」と呼ばれました。




 左図は鎌倉時代初期の歌人、藤原良経(1169-1206)を描いています。立烏帽子(たてえぼし)をかぶり、直衣を着て、
指貫(さしぬき)という袴をはいています。



 藤原良経像
     本展覧会には展示しておりません



袿(うちき)


 もともとは、単(ひとえ)と表着の間に着た衣でした。数領を重ねて、その配色に趣向を凝らしました。
 鎌倉時代に入る頃から、小袖と袴を着た上に、単を着て、さらに袿を重ねるスタイルが略礼装となりました。

 右図の女性は、紅の長袴をはき、単の上に数領の袿を重ねています。



      女和歌三神像   江戸時代(19世紀) 
                   三幅対のうち
  本展覧会には展示しておりません



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