やっぱり肺がんになりやすい?

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 今や日本は大長寿国になりました。その日本人の死因の第1位は何でしょう? そうです。「がん」です。

 がんは昭和56年以来日本人の死因の1位を占め、特に肺がんは一昨年、胃がんを抜いて男性のがん死亡者数のトップに躍り出ました。女性でも肺がんは増えており、将来は男性と同じくトップになるという予測さえあります。
 肺がんの原因、危険因子としては大気汚染、職業性因子、食品、遺伝などの種々の因子が挙げられていますが、タバコと肺がんの関係が最もはっきりしているとされています。

 最初のグラフは非喫煙者の肺がん死亡数を1としたときの喫煙者の肺がん死亡率です。どの研究報告でもタバコの本数が増えれば増えるだけ肺がんで死亡する確率が増え、最大で約30倍にも達しています。


 「そんなに怖いタバコを、もう吸ってしまっている私は一体どうすれば良いの?」答えは簡単。「今すぐタバコをやめればいい」のです。

 左のグラフを見てください。もともとタバコを吸わない人でも歳をとるにつれて肺がんで死亡する確率は高くなってゆきますが、タバコを吸っている人ではずっと高い確率で肺がんによる死亡率が高くなってゆきます。しかし、タバコをやめた人の肺がん死亡率は、タバコを吸い続けている人の死亡率よりもだんだんと低くなり、次第に非喫煙者に近づいてゆくことがわかるでしょう。


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 ところで、タバコと肺がんの関係は喫煙者だけの問題でしょうか? いえいえそうではありません。右の図を見てください。1日に20本以上タバコを吸う夫を持つ非喫煙者の妻の肺がんの危険度は、夫も非喫煙者の場合に比べて何と2倍になってしまうのです。つまり自分はタバコを吸わなくても、そばにいる人が吸っているタバコの煙を吸うこと(受動喫煙)でも肺がんになる確率が高くなるということです。

 さあ、あなたは肺がんになりたいですか? 肺がんになりたくなかったら、また、愛する(たとえ愛していなくても) 奥さんを肺がんにしたくなかったら、今すぐタバコをやめることです。


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