消化器でタバコを消火できる?

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 タバコを吸う人はよく胸やけを訴えると言われています。胸やけは酸性度の強い胃液が食道に逆流して起こりますが、通常は胃と食道の境目にある括約筋が逆流を防いでいます。しかし、タバコを吸うとこの括約筋がゆるみ、胃液の逆流が起こってしまうのです。その結果、逆流性食道炎が起こり、胸が焼けるように感じるのです。

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 また、胃の粘膜には毛細血管がはりめぐらされていますが、この血流が障害を受けると胃潰瘍にかかりやすくなります。臓器反射スペクトルという特殊な装置で測定すると、わずか3服のタバコによって常習喫煙者で約20%、非喫煙者では50〜70%もの胃粘膜血流量の低下が見られます。その結果、左の図のように、胃だけでなく、十二指腸の病気でも喫煙者が非喫煙者の3倍前後を占めるようになるわけです。


 一般に「肝臓にはアルコールが悪い」とされていますが、タバコだってよくありません。肝臓がんではアルコールによる影響よりもタバコによる影響の方がはるかに大きいのです。つまり、飲酒でまず肝硬変になり、その中から喫煙で肝臓がんになるということです。毎日タバコを吸う人と全然吸わない人の肝臓がんの累積死亡率を見たのが下の図です。タバコと肝臓がんの関係が明らかでしょう。

 同じことが膵臓がんでも言えます。肝臓がんほどではありませんが、やはりタバコと膵臓がんの関係は明らかです。

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